KFCは「巣ごもり消費」でテークアウト・ドライブスルー伸長(画像は「オリジナルチキン」)

コロナ禍でも安定した来店客を確保した日本ケンタッキー・フライド・チキン。テレワークの浸透などで都市部の売り上げが落ち込む中、地方はテークアウト、ドライブスルーの利用客が増えている。また、都市部で持ち帰り専門店を展開するなどの挑戦も見られる。広報担当に聞いた。

――2020年1〜6月の業績は

1月から500円ランチを定番化したことで、客数は増加傾向にある。単身からファミリー層まで幅広い方に来店いただけた。

緊急事態宣言の発令された4月以降は営業時間の短縮や店内利用の中止、一部店舗では営業を中止した。しかし、「巣ごもり消費」の浸透でテークアウトやドライブスルーの利用者は増えた。

ただ、地域により状況は異なる。都市部や観光地では大幅に売り上げの落ち込んだ店もあったが、郊外立地の店舗などは前年比で大きく伸びている。今後は顧客のニーズが大きく変化すると思う。

変化に迅速に対応していく必要があり検証を進めている。今まで商業施設の出店が多かったが、ショッピングモールの駐車場内への出店強化なども視野に入れている。

――テークアウトの現状は

元々は約7割の来店者がテークアウト(ドライブスルー・デリバリー含む)を利用していた。4月末に客席を閉鎖した際も、これらの需要に支えられた。今は客席を間引きして営業しているが、店内飲食の利用者は減り、テークアウトが約9割になっている。

昨年11月にオープンした「ヨークフーズ新宿富久店」(東京・新宿)はテークアウト専門店として約10坪と小さめのスペースでありながら、昨今のニーズに合致していると考えている。省力化や店舗の効率化を図り、調理場の機器や動線の検証を進めている。

――宅配の実施店舗は

3月末はUberEatsや出前館を利用した宅配代行を含めて220店舗で展開し、300店舗への拡大を目指している。今は宅配ニーズの高まりとともに、代行事業者の配達エリアが広がり、想定よりも早く達成する見込みだ。このうち自社で宅配を行えるのは約70店舗になる。

当社では1995年から自社で宅配サービスを開始し、商品や宅配のノウハウを蓄積してきた。ただ、都市部ではバイクの駐車スペースや店舗スペースの問題があり、これまでお客様のニーズに対応できなかった。そのため、店舗立地により代行と自社の宅配をうまく併用して利便性を高めていく。

――キャンペーンなど実施状況は

個食からファミリーまで、ケンタッキーを日常的に利用いいただくためには、「ケンタッキーに行こう」と想起してもらうことが重要になる。TVCMでは「今日、ケンタッキーにしない?」というメッセージを一貫して伝えている。

オリジナルチキンの美味しさを知ってもらうとともに、スナック需要や新サンドの導入などで、これからも来店者に楽しんでもらえる商品を投入していく。

――自社アプリの現状は

3月末で1500万ダウンロードを超え、その後も伸び続けている。利用に応じてポイントがたまり、ランク毎に限定のクーポンを手に入れられる。

また、事前注文のKFCネットオーダーシステムも認知を上げていくことで利用者が増えていくと考えている。店舗で受け渡し専用窓口を設置していくことで、非接触サービスのニーズに対応し、利便性が高まるので店舗改装の際に対応していく。

今年4月に、全店で導入したQRコード決済も幅広く支持され利用者が増えている。今後もアプリを含む、デジタルは強化していく。

――今後の展開は

先を見通すのは難しい状況だ。変化を見極めて、スピードを上げて対応していく。外食には、自宅では調理の難しい美味しい食事が求められている。当社は国内産の鶏肉を100%使用し、店内手づくり調理や品質へのこだわりなどの取り組みをしっかりと伝えたい。創業50周年を迎えた。従業員が一丸となって更なる品位向上に取り組んでいく。

〈食品産業新聞 2020年8月6日付より〉