酒文化研究所は9月11日、9月度の酒好きほぼ100人に聞くアンケート「酒飲みのミカタ」調査結果を発表した。テーマは「10月に減税で安くなったらビールを買いますか?」。10月1日からビール類の酒税率が改正され、ビールの酒税は350mlあたり7円下がり、反対に新ジャンル(ビール・発泡酒を除くビールテイスト飲料。第3のビール)は10円上がる。

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そこで、ビール類ユーザーに酒税率が改定された後、どんなビール類を選ぶかを聞いた。調査は9月4日から9日に実施、サンプルはビール類を週に1回以上飲む人126人。以下に調査結果を引用する。

酒税率改正では、対象となる酒類はビール類と清酒・ワイン。現在はビール、発泡酒、新ジャンルと、同種の製品でありながら3つの税率が存在している。ビールと新ジャンルの価格差が縮まることで、構成比がどう変化するのかに関心が集まっている。

また、2016年以降2ケタ増で成長しているRTD(チューハイ・サワー等)の税率は2026年まで据え置かれ、現在は同じ税率の新ジャンルと今回で10円、最終的に20円の税額差が発生するようになる。値上がりする新ジャンルからRTDへの需要シフトが、どの範囲でどの程度発生するかも注目される。

〈買いだめは新ジャンルユーザーの33%〉
調査結果では、ビール類の飲酒頻度は「毎日飲む」が43%と最多で、「週に4〜5日」が22%と続き両者で65%を占める。一度に飲む量は350ml缶で「1缶程度」が43% 、「1〜2缶」が30% と、晩酌のスターターとしてビール類を飲むという人が多いようだが、「3缶以上」という人も11%いる。

よく飲むビール類は「ビール」が最多の87%、2位は「新ジャンル」50%、「プレミアムビール」44%、「発泡酒」43%と、さまざまなビール類を併飲している様子がうかがえる。もっともよく飲むものを1つ選んでもらうと「ビール(クラフトビール・プレミアムビール・ビールの計)」が43%、「新ジャンル」38%、「発泡酒(発泡酒と機能性ビールの計)」19%と、おおむね4:4:2の割合だった。

10月に1缶10円増税される新ジャンルを増税前に買いだめするかどうかは、ビール類ユーザー全体では18%が「買いだめする」と回答し、「買いだめしない」と同数。しかし、主として新ジャンルを飲んでいる人では、「買いだめする」が33%にのぼり「買いだめしない」の25%を大きく上回った。発泡酒ユーザーでも「買いだめする」は21%ある。

2019年に消費税率が8%から10%に引き上げられた際、ビール類の買いだめをしたか聞いた質問では「買いだめした」が全体で16%、新ジャンルユーザーで21%だった。今回は新ジャンルユーザーを中心に、消費税率引き上げ時以上の規模で買いだめが発生すると予想される。

消費税率が引きあげられる直前、2019年9月は新ジャンルの課税数量(メーカー出荷)も家計調査の消費支出も、前年同月比2割増だった。新ジャンルの増税の告知が徹底されると、買いだめする新ジャンルユーザーは消費税率アップの時の1.5倍ほどとなる可能性がある。

ビールの税率が引き下げられるとビール類の消費はどのように変わるかの質問では、増減税があっても選択は「変わらない」との回答がビール類ユーザー全体の78%を占めた。減税となる「ビールが増える」は17%。ビール類ではないが税率が変わらず、新ジャンルとの価格差が広がる「RTDが増える」が5%だった。

酒文化研究所は「新ジャンルからRTDへの流出は中期的に見るとすでに落ち着いている。現在は焼酎や清酒のユーザーがRTDを併飲する例が増えており、現在のビール類ユーザーはビールの味が好きで飲み続けるビールロイヤルな人々。酒税率の改正によってビール類とRTDの飲まれかたが大きく変わることはないのではないだろうか」としている。

〈酒類飲料日報2020年9月17日付〉