小田垣商店・小田垣昇社長と、ケンミン食品・高村祐輝社長

ケンミン食品(神戸市中央区、高村祐輝社長)は、黒豆卸の小田垣商店(京都府丹羽篠山市、小田垣昇社長)と10月16日、2020年丹波篠山産の冷凍「丹波黒枝豆」のメディア向け試食発表会を、丹波篠山市の小田垣商店で開催した。

冷凍黒枝豆を使ったレシピや日本酒との相性などを3人の専門家が発信し、丹波篠山まつりなどのイベントが中止するなか、季節を問わず1年中楽しめる冷凍黒枝豆の良さをアピールした。

冷凍の「丹波黒枝豆」は丹波地域でしか生育に向かない「丹波黒」の中でも、丹波篠山市で採れた最高級のものを厳選し、同社の「篠山工場」でボイル、冷凍処理を行ったもの。ケンミン食品と小田垣商店が1tずつ商品化し、ケンミン食品は「丹波篠山産丹波黒枝豆」(200g、税別900円)として生協や自社通販サイトで、小田垣商店は「丹波黒豆のえだまめ」(150g、税別630円)として百貨店や高級スーパー、香港などの海外で12月から販売する。

高村社長は、「冷凍枝豆事業を始めて今年で3年目。小田垣商店から年間を通して特産の黒枝豆を楽しめるよう冷凍で販売したいという提案があった。当社は40年以上丹波篠山で冷凍商品を製造している。その縁もあり、枝豆事業を始めた」と経緯を説明し、「丹波篠山の食文化を発信する場にしたい」とあいさつ。

小田垣社長は「今年は新型コロナウイルスの影響で冷凍食品が売れており、ケンミン食品の工場の稼働はいっぱいいっぱい。冷凍枝豆事業を今年は取り止めるのが本来だろう。しかし、黒枝豆をアピールして地域に貢献したいと高村社長が言ってくれたので、2日間工場のラインを切り替えて枝豆を作ってもらった」と感謝の意を述べた。

今年の黒枝豆の出来について、「久しぶりに作柄が良く、味が乗っていておいしいという評価をもらっている。日本全国、世界中の人々に世界一の枝豆だと知ってほしい。冷凍枝豆は毎年1〜2tずつ、着実に生産を増やしていきたい」とアピールした。

試食会では、鳳鳴酒造の西尾和磨社長(丹波篠山観光協会元会長)が「丹波黒枝豆と日本酒」をテーマに、黒枝豆と相性の良い日本酒について解説。黒まめ大使で栄養士の本莊賀寿美氏は、ちょっと贅沢な家飲みレシピとして、黒枝豆をにんにくと鷹の爪で和えた「丹波黒枝豆ペペロンチーノ仕立て」を提案した。

同じく黒まめ大使の料理研究家東内恵子氏は、ちょっと贅沢なデザートとして「丹波黒枝豆のジェラート」を披露。生クリームやはちみつと合わせた、枝豆の新たな楽しみ方をアピールした。

〈冷凍商品製造向け工場の拡充を検討〉
ケンミン食品の市販用冷凍食品は上期で20%増と大幅に売り上げを伸ばしている。同社の主力商品であるドライの「ケンミン焼ビーフン」は配荷率が90%を超えているが、冷凍の市販用製品は50%程度であることから、今後はいっそう冷凍商品に注力していく。

ただし、現在市販用冷凍商品を製造しているフジケンミンフーズ(静岡県藤枝市)と生協向けを主に製造している篠山工場は共に稼働状況が限界に近いため、M&Aや新工場の設立など、生産拠点の拡充を検討しているという。

篠山工場は1980年設立。2つの製造ラインを有し、主に生協向けの冷凍商品を製造している。製造量は年間3,500t、2,000万食で、上期は前年比で生産量は2.7%増となったが、「現状ではこれで精一杯」(成瀬良夫篠山工場工場長製造部長)だとし、人員の確保が課題だ。

10月15日〜16日の2日間は1ラインをビーフンから冷凍黒枝豆に切り替え、同社と小田垣商店で販売する商品2t分の枝豆を冷凍加工した。黒枝豆の冷凍加工は、まず1袋あたり5kg入っている生の枝豆を6分間ボイル、その後ホースの水で冷却しつつ、枝豆の表面に付着している産毛などを洗い流す。目視とX線で虫食いや変形、異物などを駆使して取り除き、150gまたは200gに計量、それぞれの商品を包装、検品しトンネルフリーザーで40分間冷却。同工場で箱詰めまで行っている。

〈冷食日報2020年10月26日付〉