フランスの履歴書は自由形式

まず、フランスでは、日本のようにコンビニやスーパーで履歴書の用紙が販売されておらず、個人で作成しなければなりません。項目は大体決まっているものの、フォーマットは自由形式で、多くのフランス人はワードなどで好きなように1枚の履歴書を作成します。

そしてフランスの履歴書の特筆すべき点は、何と言っても「履歴書で個性を主張すること」。日本の履歴書とは反対で、白黒の履歴書は人事の目をあまり引きません。色などを使いながらセンスの良く簡潔に、自分の個性を主張できる履歴書を作成することが重要と言われています。


また、フランスでは履歴書を手書きすることはご法度。日本のように手書きで丁寧さをアピールする習慣はなく、パソコンで作成することで、読みやすさが重視されます。



こんな個性的な履歴書も

近年フランスでは「これは本当に履歴書?」と、驚くような履歴書があります。新聞風だったり、自分の能力をグラフを使って履歴書の中に描いてみたりと、実に個性的です。

個性的な履歴書は、時には何百も送られてくる履歴書を見なければならない担当採用者の目に留まりやすいと言われています。履歴書は個性だけでなく、独創性や技術力をアピールできるので、履歴書作りには時間を掛けて丁寧に行うように就活のサイトなどでは推奨されています。

基本的に逆時系列から書く

フランスの履歴書は日本のように最初の学歴から時系列に記入するのではなく、直近の職歴もしくは学歴から書き始めます。また、履歴書は先に書かれた内容ほど印象に残ると言われており、再就職にあたっては、人事に見せたい順に書くこともあります。

履歴書の職種においては、配属先、業務内容や実績などの職務内容を簡潔に書きます。学歴は大学、学科名だけではなく、職種に有利に働くなら、論文や成績などを記入することもあります。

志望するポストに関係することは全てアピールする

フランスの履歴書は、単に学歴、職歴を記載するだけではありません。志望するポストに関係することなら全て記入します。例えば、国際分野の仕事に就きたいのであれば、英語などの語学力だけではなく、旅行履歴などを記入することで、いかに海外体験があるかということのアピールになります。

また、出版社に勤めたいのであれば、好きな作家や本、大学院の論文内容など事細かに記入することで、文学の知識があることを主張することができるのです。

志望動機書も一緒に送るのがフランス式

日本の履歴書とのもうひとつの大きな違いは、志望動機書を履歴書と一緒に送る点です。

日本の履歴書の中にも志望動機欄はありますが、フランスでは志望動機書として、A4の用紙にレター形式で作成します。なぜこのポストを志望するのか、現在までの職歴、この仕事でいかに自分の能力を発揮できるのかを論理的に文章にしなければなりません。履歴書と同様に志望動機書は大変重要であり、履歴書同様、採用担当者の目を引く構成で書かなければならないのです。

また、フランスでは年齢や結婚歴、国籍は履歴書には記載しません。就職において、年齢や結婚歴などで差別をすることは禁止されているからです。

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日本人からするとフランスの履歴書は少し奇抜に映るかもしれませんが、そもそも履歴書や経歴書の役割は、自分の個性や強みをアピールするためのもの。やりたい仕事に就くために履歴書を最大限に活用する方法を、フランスの履歴書から学んでみるべきかもしれません。


文=北川 菜々子