ノー残業に人材不足…「いい会社」を蝕む五重苦は人事評価で改善/ウチっていい会社?(4)








中小企業をむしばむ「五重苦」

日本の企業の99.7%は中小企業であり、その多くが今、「五重苦」に苦しめられています。ここでは経営者の視点から見てみましょう。

会社で働く社員は日本という国を動かすための血液であり、大事な存在です。しかし、中小企業では、「五重苦」によって会社の体力が奪われ、そこで社員から活気を奪っているのです。「五重苦」を打破できない会社は生産性を上げることができず、いずれは淘汰されていくでしょう。

そのような会社は、働く社員にとって「いい会社」といえるでしょうか。まずは自分の会社が「五重苦」にどれほど苦しめられているのか、知ることが大切です。

「五重苦」の改善に人事評価制度が役に立つ

「五重苦」から抜け出すためには、人材を定着させ、生産性を向上させなければなりません。つまり、社員がいきいきと働ける環境を整える必要があり、その改善策として人事評価制度が役立つのです。

「五重苦」と「人事評価制度」の関連性については、次項で詳しく紹介したいと思います。

◇ ◇ ◇

【五重苦とは】

次の5つの問題のことを五重苦と呼びます。

1  人材不足の状況にあっても、超売り手市場によって人材採用がうまく進まない

2 最低賃金が上昇している

3  行政による労働者保護の方針により、残業をさせられない

4  労使紛争の増加による、訴訟リスクが高まっている

5  社会保険料の上昇により、企業の負担も大きくなっている


「五重苦」の中でも「人材採用の困難」「最低賃金の上昇」「残業禁止」「訴訟リスクの高まり」は人事評価制度によって解消することができます。ここではその理由をご説明します。

超売り手市場は、人材流出を促進させる

日本の有効求人倍率は、2017年2月にバブル期と同じ水準になって以降、現在まで右肩上がりの状況で、超売り手市場となっています。こうした状況は、企業にとって新たな人材確保を困難にするだけでなく、優秀な人材の流出にもつながっています。

正当な人事評価制度を導入している会社であれば、前の会社にいるよりも高い評価が得られる可能性がある会社だとして、優秀な人材が転職してきやすい環境だといえます。



最低賃金上昇によって生産性の向上が急務に

政府は、2022年までに毎年、最低賃金を3%ずつ上昇させていくという方針を打ち出しています。そのため、会社は今よりも生産性を向上させなければ、人件費の高騰により経営が圧迫されていきます。「なんとなくの目標設定のもと、なんとなくの評価をして、なんとなく給与額を決める」という形では生産性は向上しません。ここでも大事になるのが、正当な人事評価制度なのです。

ブラック企業といわれないための方策が必要

働き方改革によって労働基準監督局の立ち入り検査対象が、「月100時間以上」の残業が疑われる事業場から、「月80時間以上」に変更されました。これによって対象事業場は約2倍となります。

立ち入り検査のきっかけとなるのは、基本的に「内部からの告発」です。正当な目標設定と従業員に納得感を与える評価制度を導入し、過度な残業させるのではなく、生産性を向上させることを目指す会社ほど、働きやすいといえます。

訴訟リスクから会社を守る

会社で働く従業員の権利主張の意識が強まっており、労使紛争による訴訟件数は増加の一途をたどっています。明確かつ合理的な評価項目・評価基準のもと、人事評価を実施している会社ほど、不平不満が少ない会社といえます。





著=高橋 恭介


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