東京都内で再び増えている新型コロナウイルスの新規感染者は、若い世代が目立つ。学校や保育園でも感染者が相次ぎ、一部では休校を余儀なくされた小学校も。子どもたちを守るための「新しい教育の形」が試されている。

緊急事態宣言が解除され、授業が再開された東京都江戸川区立の小学校。「新しい教育」の模索が続いている


保育園はどうしても濃厚接触の可能性 

 世田谷区は5日、区立小の児童1人の感染が判明。6日から3日間休校し、児童のクラスは10日間学級閉鎖した。世田谷区内では8日、私立幼稚園の職員1人の感染もわかり、濃厚接触者の検査で園児4人、職員2人から陽性反応が出た。世田谷区の担当者は「職員はマスクを着け、手洗いやうがい、園内の消毒などの予防策もちゃんとしている園だった」と話す。

 文京区では、区立保育園で園児25人、保育士6人の集団感染が起きた。園は、施設の換気やドアノブなど手に触れる場所の消毒を徹底、園児の登園前の検温を義務付けていた。ただ、熱中症などの心配から園児にマスクはさせていなかった。

 文京区の担当者は「できるだけのことはしているが、保育園ではどうしても濃厚接触の可能性がある」と対策の難しさを語る。別の保育園に子どもを通わせる30代の母親は「子どもでも感染することが分かり、怖くなった。公園に不特定多数の子どもが集まるのも不安になる」と話した。

お昼寝は隣の子と顔を向き合わせない

 園児1人が感染した荒川区の区立保育園は、保育室に保護者を入れないようにした。園児2人の感染が分かった墨田区の区立保育園は、園児が横に並んで昼寝するときの枕の位置を変えた。隣の子と顔が向き合わないようにして、飛沫(ひまつ)感染を防止するためだ。

 板橋区は今月、2つの認可保育所で園児と職員の計4人が感染したと発表。区内の施設に勤務する50代の保育士は「友達と集まることは人間関係を学ぶ大切な機会で、密にさせないことは難しい。誰が感染しているかも分からない。常にドキドキしている」と話す。板橋区の担当者も「密を100パーセント排除することはできない、と保護者には伝えている。現場は難しい思いを抱えている」と打ち明けた。

また通園自粛になったらどうしたら…

 区立小学校の教員1人が感染した練馬区は、教職員やPTA、地域のボランティアが児童が帰宅した後に校内を消毒。新たな作業の発生で、練馬区教委には負担感を訴える声も寄せられているという。

 IT会社に勤務する大田区の女性(42)は、コロナ禍で在宅ワークになった。2人の女児を預ける保育園から通園自粛を求められた3月下旬から5月の連休明けまでは、家で面倒を見ながら仕事をした。「感染が広がり、また『自粛を』となったらどうしたらいいだろうか」と心配している。

[元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年7月15日]