新型コロナウイルスの影響で、小中学校の最終学年で行う修学旅行などの宿泊行事を取りやめる自治体が相次いでいる。東京23区と首都圏の政令5市の教育委員会への東京新聞の取材で、中学3年は10市区、小学6年は20市区が中止としたことが分かった。実施や延期の場合も宿泊日数や行き先を変更するなど、収束が見通せない中で難しい対応を迫られている。

目黒区は中止「休校で時間が減った授業を充実させたい」

 各教育委員会には原則9月10、11日時点の対応状況を電話で聞いた。小中のいずれか、または小中ともに中止を決めたのは、新宿区や中央区、中野区など21市区。理由は「休校で授業時間が減った中、学校の授業を充実させたい」(目黒区)「旅先で全員の安全確保や健康管理が難しい」(大田区)などの声が聞かれた。

 「中止となった小学生に、宿泊のない遠足のような校外行事を相談している」(文京区)など、代替行事を検討している自治体も多かった。小6の宿泊行事を中止した川崎市は、来年3月に市と東京都稲城市にまたがる遊園地「よみうりランド」を借り切り、児童1万2000人を招待する計画だ。

学校ごとに対応が分かれる千葉市 行き先は県内を推奨

 小中いずれかか、小中ともに実施、あるいは延期の方針なのは、千代田区や渋谷区など13市区あった。墨田区は中3の修学旅行で「生徒同士が向かい合わないで食事をするなどの対策を取る」という。

 学校ごとに対応が分かれる千葉市は、行き先を千葉県内とすることを推奨。横浜市も学校ごとの判断だが、実施校の児童生徒の体調不良などに対応できるよう、看護師の同伴費用を公費で負担する方針だ。

文科省は「可能な限り中止せず、延期や実施方法の変更を」

 各教委には運動会や文化祭など秋以降の行事をどうするかも聞いた。宿泊を伴わないものは学校ごとに各校長の判断で、感染防止対策をしながら規模を縮小したり、中止したりする例が多かった。

 文部科学省によると、修学旅行や宿泊行事を実施するかどうかの判断は各学校に権限があるが、実際には教委からの指導や近隣校との協議を通じ、教委ごとに方針を決める場合が多い。国は7月、修学旅行などは可能な限り中止せず、延期や実施方法の変更を検討するよう各教委に求めた。

[元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年9月21日]