子ども食堂で提供するタコライスを手にする店長の殿岡さん


 おなかがすいてるのが続くとつらいよね。おいしいご飯で、おなかも心も満たして―。こんな温かい呼びかけのチラシを作り、東京都文京区の「タコライス専門店 tonocafe(トノカフェ)ガレージキッチン」(水道2)が、月1回の子ども食堂を店で始める。緊急事態宣言再発令で店の経営は厳しいが、コロナ禍でギリギリで踏ん張る家庭のために立ち上がった。初回は23日で、高校生以下に無料でタコライスをテイクアウトで提供する。 

カップ麺を2日に分ける家庭がある

 店長の殿岡賢人さん(38)は、12年前に店をオープン。ご飯にひき肉やキャベツ、卵などを盛り合わせた自信のタコライスを、日中はキッチンカー、夜間は店で販売している。

 支援するフードバンクなどを通じて、ガスや電気が止まったり、カップ麺を2日に分けて食べたりと、コロナ禍で収入が減り、困窮する家庭が増加している現状を知った。飲食業の自分にできるのは、「温かいご飯を一人でも多くの子どもに届けること」と考えた。

「うちなんか…」とためらわないで

 殿岡さんの店も「売り上げの減少が止まらない状況」という。再びの緊急事態宣言を受け、直近の1週間は「コロナ前から5割減」という。それでも、「明日食べるものに困っている人のために」と、賛同者から支援を募って開催にこぎ着けた。

 心配なのは「うちなんかがまだ甘えちゃいけない」「もっと苦しんでいる人は世の中にたくさんいる」と、苦しくても援助を受けることをためらう家庭があること。だから「気軽に誰でも食べに来て」と、ハードルを低くして来店を呼びかける。「コロナばかりでつらい思いや我慢することが多い。おいしいご飯を食べて、一人でも元気になってもらえれば」と殿岡さんは願っている。

 「tonocafe ガレージキッチン」は、東京メトロ有楽町線の江戸川橋駅から徒歩2分。子ども食堂は午前10時〜午後2時。大人には通常料金750円(税込み)で提供。来月以降は第3日曜に開催予定。問い合わせは同店=電話03(6902)9596=へ。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年1月22日]