ダウン症があり、俳優として活躍する都内在住の吉田葵(あおい)さん(17)が、米ニューヨークで開かれた国際ダウン症連合の会合でスピーチし「世界中のみんながハッピーになってほしい」と思いを語った。

世界ダウン症の日にスピーチをする吉田葵さん(左)=吉田佐知子さん提供


大切な心臓 寝る前に「今日もありがとう」

 ニューヨークでの会合は、世界ダウン症の日(3月21日)に開かれ、ダウン症のある人や家族、支援者などが世界中から集まった。

 吉田さんは、日本で活動する俳優でタレントのジェイソン・ハンコックさんと登壇し、日本語と英語で「健康の公平性」についてスピーチ。昨年出演したテレビドラマの撮影で、食事など体調管理に気をつけた経験を振り返った。他の出演者や撮影スタッフとも仲良くいられたと話し、「いつも心がハッピーだったから、風邪をひかなかったんだと思います。心と体はつながっている」と強調した。

 自身には軽い心臓病があるとし、「大切な心臓だから、寝る時に『今日もありがとう』と胸に手を当てて、心臓に感謝しています。周りのダウン症の先輩や友達も、障害のない人たちより健康に不安を持っている人が多い」と説明。「みんなが自分の体と仲良くして、元気でいられたら最高。(ハリウッドスターになり、世界中にハッピーを届ける)夢をかなえるため、健康に気をつけて、これからも頑張ります」と話した。

 スピーチを終え、帰国した吉田さんは「練習したことをたくさんの人に聞いてもらい、うれしかった」と笑顔。米国やブラジル、エジプト、フランス、中国など世界中の人と友達になったとし、「英語をもっと勉強して話せるようになりたい」と、新たな期待に胸を膨らませている。

 吉田さんは、役所広司さん主演の映画「PERFECT DAYS」や、家族像を描いたNHKのドラマなどに出演している。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2024年4月1日