「赤ちゃんがなかなか寝てくれない」「成長のためには睡眠が大切だというけれど、うちの子ちゃんと眠れてる?」「夜泣きがひどくて私が眠れない」など、赤ちゃんの睡眠について気がかりがあるママ・パパは多いことでしょう。11月上旬、「赤ちゃんの眠り」をテーマに、「子どもの早起きをすすめる会」発起人である小児神経科医の星野恭子先生の講演会がありました。講演のあとは先生を囲んだ相談会も。その様子を前編・後編の2回でリポートします。

子どもの成長に大切な早起き・早寝のリズム

11月上旬の平日午前中に開催された講演会は「たまひよのオンラインサロン」の会員限定イベント。イベントに参加したほとんどのママが赤ちゃん連れ。今後の夜泣き対策を見据えてか生後2〜3カ月ごろの赤ちゃんも多く、講演中はおっぱいを飲む子がいればお昼寝をしている子もいて、リラックスした雰囲気のなかで行われました。

星野先生は、睡眠は子どもの発育・発達に影響することから赤ちゃん時代からの「早起き・早寝」を提唱。生後3〜4カ月ごろまでに、6時〜7時起床、19時〜21時就寝の睡眠リズムを身に着けることを目安として推奨しています。

「新生児のころは3〜4時間おきに目が覚めますが、4カ月ごろには昼と夜の区別がつくようになります。1才になるとお昼寝が午前と午後の1回ずつになり、夜も深く寝る子が多いですね。心身の成長と同じように、睡眠も1才までの間に劇的に変化します」(星野先生)

赤ちゃんの眠りの悩みは、成長とともにどんどん解決すると星野先生。頼もしい言葉にママたちも安堵の表情でうなずいていました。

「早起きのリズムは大切」と星野先生


泣いたら授乳はNG。正しい夜泣きの対応とは?

そして話題は、多くのママが気になる「夜泣き」へ。夜泣きは5〜6カ月ごろから始まるそうで、間違った対応をすると赤ちゃんの睡眠リズムが崩れることがあるのだそう。
「夜、赤ちゃんが泣く理由はなんだと思いますか? おなかが空いている? おむつがぬれて目を覚ました?これらを含むいろいろな理由があります。ですが 月齢にもよりますが、赤ちゃんが泣くたびに授乳したり電気をつけておむつ替えをしなくてもいいんですよ」(星野先生)
夜グズグズしているのは単に寝ぼけているだけかもしれないと、星野先生は言います。そのため、赤ちゃんのためと思ってした授乳やおむつ替えでかえってレム睡眠(浅い眠り)時に目を覚まさせてしまうことも少なくないそうです。
「私たち大人にだって、浅い眠りのときになんらかの刺激で起きることがあるとでしょう? それなのにママが赤ちゃんのグズグズに対応すると、かえって眠りを妨げたり夜泣きが悪化することもあります」(星野先生)
実証データをもとに、夜泣きをしたときはある程度は泣かせたまま、様子見をするほうが改善に効果的との解説でした。

3才時の睡眠時間が10年後の肥満に影響

睡眠は自律神経やホルモンの分泌にも作用することから「早起きリズムは命のリズム」だと星野先生は伝えます。
「すべての原因が睡眠にあるわけではないですが、3歳の時に睡眠時間が短い子は長い子よりも中学1年生時の肥満の率が高くなっています」睡眠は心、体、情緒の土台となるもの。まだ赤ちゃんだから遅く寝ても構わないよね、ということではないんです」(星野先生)

それでは夜、赤ちゃんがぐっすり眠るためにはどうすればいいのでしょうか。
「朝早い時間に起こして、昼間は活動的に過ごす状況を作ってください。赤ちゃんは赤ちゃんのことが好きなので、児童館などの子育て支援施設で育児サークルなどに参加して、ほかの赤ちゃんと触れ合ってもいいですね」(星野先生)

夜泣きのかかわり方は「ざっくりいうと昼間の赤ちゃんが泣いたら抱っこ」とは真逆を心がけて、と星野先生。「何もしないで無視すること」、一見、塩対応のようですが、睡眠のメカニズムを知るとママたちも納得の表情でした。後編では相談会で寄せられた眠りの悩みや疑問を紹介します。
(取材・文/中澤夕美恵、ひよこクラブ編集部)

■お話/星野恭子先生
(小児神経科医)
昌仁醫修会 瀬川記念小児神経学クリニック理事長。医学博士。子どもの早起きをすすめる会発起人。2017年より現職、医学的根拠に基づき子どもの睡眠啓発を行う。専門は脳の発達、睡眠障害、チック症など。

記事の内容は11月8日に行われた動画サロン「たまひよのオンラインサロン 夜泣きのメカニズムから小学校入学までの睡眠の変化について」の会員限定イベント講演会からの抜粋です。
「たまひよのオンラインサロン」では、「眠り」「おっぱい・ミルク」の2大テーマを中心に、育児を一緒に学び、解決し、楽しむあたらしいオンラインコミュニティです。