2020年4月1日から子どもへの体罰を禁止する法律・改正児童虐待防止法が施行されました。
しつけで子どもをたたいたり、怒鳴りつけたりすることも禁止に。この法律により、子育てはどう変わるのでしょうか?

子どもの権利を守るための法律。 そのためにはまず、親への支援を

子どもへの体罰を禁止する法律・改正児童虐待防止法が施行されました。この法律は体罰する親を取り締まることを目的とするものではなく、子どもの権利を守るためのものです。しかし何が体罰に当たるのか、しつけとの境目に悩むママ・パパは多いようです。子育ての悩みや虐待の電話相談窓口を設けている、社会福祉法人子どもの虐待防止センターのアドバイザー・高田真規子さんと相談員さんにお話を聞きました。

「”しつけの名を借りた体罰が法律で禁止される“という報道がなされるや、どのようにしつけをしたらいいかわからないという電話相談を多くいただきました。体罰で逮捕されるのか、体罰なしでのしつけを教えてほしいという声が多かったです」

体罰は禁止と頭ではわかっていても、精神的に追い詰められたときに、いちばん近くにいる子どもに当たってしまうと悩む人も多くいます。もしたたきそうになったときは、どうしたらいいのでしょうか?

「親は”ちゃんと育てなきゃ“という責任感から、厳しいしつけがしだいに体罰へとエスカレートする場合があります。子どもに当たりそうになったら、まずは市区町村の子育て支援の窓口や保健センターなどへ相談することをおすすめします。適切なサポートを受けましょう」

中には個人を特定されることを恐れ、相談をためらう親もいるとのこと。

「虐待した親とか子育てできない親と見られてしまうのではないか、児童相談所に子どもを取り上げられてしまうのではないかという恐怖で、相談に行けないという声もあります。私たちが行っている電話相談は匿名で受け付けているので、相談しやすいようです。匿名で話せる電話相談で、気持ちを話すところから始める手もあります。子どもをたたかないでいられるように頼れる場所を見つけて、一緒に子育てをしていきましょう」

厚生労働省は20年2月に、「体罰等によらない子育てのために〜みんなで育児を支える社会に〜」という、体罰の範囲などを示した指針を出しました。「言葉で3回注意したけど言うことを聞かないので、頰をたたいた」「悪いことをしたので、夕ごはんを与えなかった」など、具体的な体罰の例が示されています。どのような行為が体罰に当たるのか、知っておきましょう。また、体罰等は子どもの健やかな成長・発達に悪影響を及ぼすことがわかっています。社会から虐待をなくすことは、親の努力だけでは実現できません。社会全体で子育てを支援していくことが、必要になります。

知っておこう 体罰を含む虐待の種類は大きく4つ

身体的虐待 
打撲傷・あざ・骨折など外傷が生じるような 行為、首を絞める・たたく・おぼれさせる・戸外に閉め出すなどの行為、意図的に子どもを病気にさせるなど

性的虐待
子どもへの性交、性行 為、子どもの性器を触る、触らせるなどの性的行為、子どもに性器 や性交を見せる、子どもをポルノグラフィーの被写体にするなど

ネグレクト
子どもの健康・安全へ の配慮を怠る、子ども にとって必要な情緒的欲求にこたえていない、子どもを置き去りにす る、第三者が虐待して いるのを放置するなど

心理的虐待
言葉による脅かし、無視、心を傷つけること を繰り返し言う、きょうだい間で著しく差別的 な扱いをする、家族な どに対する暴力や暴 言など

どのような行為が体罰に当たるか
詳しくはこちらへ

厚生労働省 体罰等によらない子育てのために 〜みんなで育児を支える社会に(https://www.mhlw.go.jp/%20content/000598146.pdf)


出典・参考/厚生労働省「子どもの虐待対応の手引き」

取材・文/ひよこクラブ編集部

「子育ての責任感からしつけがエスカレート」しがちなケースは多いようです。体罰にならずに、目と目を合わせて言葉で説明するように心がけてみましょう。

参考/『ひよこクラブ』2020年5月号子育てトピックス」より