不妊治療へ踏み出せないハードル「 お金の心配・男性の理解」編



行くべきか、行かざるべきか…そろそろ、「治療」を考えようかな…と思った2人へ。
不妊治療を始めるときに、クリニックはどう選ぶのか、どう戸惑いを解消したらいいのか。妊活コーチの松本亜樹子さんと先輩たちにアドバイスしてもらいましょう。

あなたと彼が不妊治療に踏み出せないのには4つのハードルがある…

「不妊治療を始めるならあの病院」と、めどは立ったけれど、その扉を実際に開けるにはなかなか勇気がいるもの。その勇気が必要なのはなぜ?
2人の心の中にある「4つのハードル」のうち、今回は「ハードル3・お金の心配」「ハードル4・パートナーの説得」について分析してみました。

【あなたと彼のハードル3】お金のことが心配

検査や治療にかかるお金のこと、不安になると思います。でも、初めから数十万円もかかるようなことはありませんし、きちんとした病院では料金についての説明があります。

お金のことはストレートに聞いてOK

大事なことは、治療も検査もどのくらいの費用がかかるか、はっきりと聞いて構わないということ。治療費の一覧表を提示してくれる病院もあります。さらに、保険診療なのか自由診療なのかなども遠慮しないで聞いてOKです。
もし、一覧表などでもわかりづらかったら、「自分のこの検査(治療)は、全額でいくらくらいかかりますか」と確認してみるといいでしょう。

施設によって異なるのが不妊治療の料金体系

ほとんどが自由診療なので、施設によって違いはあります。とはいえ、おおよその相場は知りたいですね。初診では血液検査、超音波検査(しないことも)、卵管造影検査などでだいたい1〜2万円くらい。なんらかの疾患があり、保険でカバーできる部分があると、もっと安くなることもあります。

納得して治療を受けることにお金も含まれている

不妊治療は通院の回数も多く、治療内容も保険適用の扱いにならない自由診療での治療ケースがほとんどです。治療ステップが進むにつれて、トータルの治療費が高額になることは、やはりある程度の覚悟は必要です。そのためにも、不妊治療を始めるとき、どの治療を何回まで、どのステップまで進めるのか、夫婦同士も、医師ともよく話し合って、その都度納得して決めていくことがとても大切です。これにはお金のことも含まれています。

ここだけは要注意!気がついたら治療費1000万円超えも!

1回ごとの費用が高額な不妊治療ですが、何度も繰り返し受けていくうちに「だんだん金銭感覚がにぶってきて、そのうちすべてを治療につぎ込んでしまう」という声をよく聞きます。
また、「ここまで治療費をかけたのだから、出産するまでやめられない」というのもよく聞かれることです。さらには、「気がつくと治療費が1000万円を超えていた」というケースもしばしば見受けられます。

予算の上限も2人で話し合って計画を

そうならないためには、2人で話し合って、治療費の上限をいったん決めておくことが必要です。その限度に達したら、再び話し合って、今後どうするかを決めようなど、あらかじめ計画しておくことをおすすめします。

いまどき不妊治療の「相場」って?

●初診:5千円〜
●検査:1万〜2万円

※血液検査、超音波検査などですが、総合病院などで病気とみなして保険適応となれば、安くなる場合もあります

●タイミング法:1回/3千〜8千円
●人工授精:1回/1万〜2万円
●体外受精:1回/30万〜50万円
●顕微授精:1回/35万〜60万円

体外受精で1児が出生するためにかかる一般的なトータル金額は、女性が30代前半であれば約150万円といわれ、40才以上では平均して約372万円。
これは年齢が高くなるほど妊娠しにくくなり、治療の回数が増えることが原因です。(国立成育医療研究センター不妊治療科診療部長 齊藤英知先生)

【あなたと彼のハードル4】パートナーの説得

男性不妊については、だいぶ浸透はしてきているけれど、まだどこかで「ひとごと」だと思っている男性が多く見受けられます。男性不妊が一定数あるということを頭では理解していても、顔や体のどこかに「オレハチガウ」とマークを張り付けている感じがします。

「オレハチガウ」マークの男性に理解を!


不妊治療だけでなく、さまざまな場面で言われることでもありますが、男性は女性よりもはるかに傷つきやすいものです。不妊治療患者ということを知られてしまうと立ち直れないようなところもあります。
これも、ハードル1と同じで、自己肯定感を脅かされることが恐いんですね。とくに男性は、妊娠させる力について男のプライドを感じていることが多いので、自分に原因があるかもしれないことを認められない。なかなか病院に行こうという説得に応じないことが多いのです。

不妊の原因は男性にもある可能性が半分

検査も夫婦でスタートしてという医療機関がスタンダードになりつつあります。実際に検査から一緒にスタートすることは必要なことなので、とにかく一度クリニックに連れていきましょう。
最近では、土曜日などは特にカップルで通うかたたちも多いので、そんな現状をまのあたりにすれば、あとは安心して通うというケースも。通院が習慣になってしまえば意外と大丈夫だったりもします。
まずは夫婦で気軽に第一歩を、なのです。

その気にさせる決め文句


2人で検査を受けることは「そう決まっている」こととして話してみましょう。私の力だけではどうにもならない、あなたが頼りという感じをアピールしてみて。
素直にお願いすることが大事。男性はプライドが高いものです。「おれがいなくちゃ駄目なんだ」という気持ちを上手にくすぐって。

これだけは言っちゃダメ!NGワード

「男の人にも原因があることがあるんだって」
“男性不妊”という言葉そのものがNG。彼はわかっているんです。だから、言わないでおいてあげましょう。

男性不妊とは?不妊の半分の原因は男性側に

精子と卵子の結合によって妊娠は起こるので、不妊症の原因の半分は男性にもあります。男性不妊には、精子の数の問題、精子の動きの問題、射精するまでの問題(勃起障害も含む)などがあります。
女性と異なるのは、月経周期のように時期を待たずに検査も治療も進められることです。男性不妊が早くわかれば、遠回りせずに、妊娠する確率の高い治療法(体外受精、顕微授精)にダイレクトに進むという選択肢もあります。

初めての不妊治療クリニック選び

「夫婦で、自分たちの30年後の未来を話してほしい」という言葉を私は必ずかけます。将来どんな生活をしたいんだろう、2人のゴールはどこ? 子どもが欲しいと思った本当の理由は? そのことを2人でじっくり話して、じゃあ今どうするのかを一つ一つ決めていきましょう。きっと、まず病院に行って検査だけでもすることは、早いほうがいいとわかると思います。不妊治療が長くなって途中で迷ったら、立ち止まって考えてもいいんです。

病院に行くか行かないか、決めるのは最終的にあなたと彼です

自分たちの選択意思をはっきりさせましょう。未来を見据えて2人で「妊活みらい会議」をしてください。自主性があるかないかで、1〜2年後の未来が本当に変わってしまいます。夫婦でそろって、今どうするかを決めてください。

【監修】松本亜樹子さん
NPO Fine代表理事
アナウンサー時代から人材育成に携わったのがきかっけでコーチングを学び、現在は国際コーチ連盟認定プロフェッショナルサ―ティファイドコーチ(ICF PCC)として活躍。その一方で自身の経験を生かし、「NPO法人Fine〜現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会〜」を設立。

■イラスト/Boojil
■文/関川香織
■取材協力/NPO法人 Fine


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