女子ウエイトリフティング界で大きな期待を集めている宮城県農業高校の佐藤和花さんです。5月、ペルーで開催される世界ユース選手権に日本代表として出場することが決まっています。初めて世界に挑戦する彼女に密着しました。

アスリートのサラブレット「和花さん」

女子ウエイトリフティング界の新星として注目されているのが、宮城農業2年の佐藤和花さん(17)です。

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監督で父親でもある佐藤和夫さんは元オリンピック選手。さらに母親も高校の柔道部顧問と、いわばサラブレッドの和花さん。

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4月開催された大学生や社会人も出場する全日本選手権で高校生ながら3位になるなどいまや日本のトップ争いに食い込む選手に成長しています。和花さんは、この大会で高校記録であるクリーン&ジャーク106キロを上回る107キロに挑戦しました。しかし、惜しくも失敗。

宮城県農業高校2年 佐藤和花さん:
「3本目高校新を狙いにいったが、ほぼとって落とした感じ。悔しかった。うわ、とったと思って焦りすぎて上半身突っ込んで腰が抜けた」

宮城県農業高校2年 佐藤和花さん

記録更新まであと一歩のところに迫るなど目覚ましい成長を遂げている理由のひとつに、昨年末から重点的に筋力強化に取り組んでいました。

スクワットで筋力強化、太ももが「硬く」なった

床からバーベルを引き上げる際に、おもに太ももの筋肉が必要になるためスクワットなどで下半身を強化することが、競技の成功率アップにつながります。

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その太ももの筋肉を女性カメラマンがチェックしてみると。

渡辺紗彩カメラマン:
「失礼します。すごい、硬い」
佐藤和花さん:
「去年から比べるとスクワットベストもかなり伸びているが、まだ全然弱い」

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また、こんなトレーニング、懸垂です。

佐藤和花さん:
「懸垂で手幅を広めにして広背筋を鍛えていました。(バーベルを)引く時に軽くなるので重要です」

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そんな和花さんの授業風景をのぞいてみました。

普段の和花さんは・・・

佐藤和花さん:
「化学式教えて!CLです〜」

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競技以外の時間は普通の高校2年生。ウエイトリフティングとは裏腹に勉強の方は・・・。

佐藤和花さん:
「(勉強は)苦手です。全部苦手です」

学校では、クラスの盛り上げ役だという和花さん。

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和花さんの友人:
「ウエイトリフティングで頑張って成績も残していてめっちゃかっこいいと思う」「何かあっても絶対部活優先だから凄いなと思う、ポジティブなので尊敬する」

お昼ご飯は、毎日母親が作ったお弁当。野菜が多く栄養バランスが考えられています。時には大幅な減量も必要になるため食事の管理も重要です。

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佐藤和花さん:
「今回はあまり減量していないが、野菜とか緑が多め。お肉の方が好き」

世界ユース選手権に向け減量中

和花さんが、いま減量しているのは、世界ユース選手権に出場するためです。ペルーで現地時間の5月23日に開催され、日本代表として初めて世界の強豪を相手に戦います。

5月11日に行われた県の大会。世界選手権を目前に控えた和花さんの姿もありました。

佐藤和花さん:
「(スナッチ)75キロ(C&J)100キロスタートで、世界ユースもこれくらいのスタートから出られれば良いかなと思っているので、とりあえず1本目はしっかり取れたらと思う」

ついに和花さんの出番。スナッチの1本目は失敗。続いて、クリーン&ジャークその1本目もブザーが鳴りました。それぞれ最初で失敗してしまいます。

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世界選手権の弾みにしようと臨んだこの大会。結果的に、両方とも2本目で成功しほかの選手と大差をつけて優勝。しかし、そこに彼女の笑顔はありませんでした。

佐藤和花さん:
「重くはなかったが、脚が動いてなかったらしく、ダメだなみたいな。やっぱり1本目をとらないと順位争いもできないので」

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この結果に父親で監督でもある和夫さんは・・・。

和花さんの父 佐藤和夫監督:
「ウエイトリフティングは3回しか試技がないので、1回でも失敗してしまうとそれだけ出遅れてしまう。試合の組み立ても変わってきてしまうし、勝負にならなくなってしまう。1本目はすごく大事」

和花さんの父 佐藤和夫監督

初の世界への挑戦、目指すのは・・・

大会から2日後同じ失敗を繰り返さないために彼女は、休む間もなく練習に励んでいました。和夫さんは、この日も多くを口にすることなく練習を見守りました。

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佐藤和夫さん:
「自分の満足する試合ができればいいと思うので応援していきたい」

初めてとなる世界への挑戦。彼女が見据える景色とは・・・。

佐藤和花さん:
「まずは、6本成功を目指して高校新記録も取って表彰台に上がれれば良いかなと思っている。(目指すは)1番ですね」

佐藤和花さん

ウエイトリフティングではスナッチとクリーン&ジャークそれぞれ3回行うことができ、和花さんは、すべて成功させることを目標としています。今回初の海外での試合ということで、世界ユース選手権が行われるペルーと日本は時差が14時間あるため、体調などのコンディションを維持できるかも重要になってくるということです。世界の舞台で1番高い景色を見てきてほしいと思います。