幌加内町のダイヤモンドダストは、まるで「天使の囁(ささや)き」!

幌加内町のダイヤモンドダストは、まるで「天使の囁(ささや)き」!

気象庁の公式記録では、日本の最低気温は旭川市で観測された−41℃ですが、北海道の多くの観測所では今までに、公式とはされないものの、−41℃を下回る気温が観測されています。
北海道の北部に位置する幌加内町(ほろかないちょう)の母子里(もしり)では昭和53年の2月17日に、−41.2℃という気温が観測されました。今から41年前のことです。町ではこの日を「天使の囁き記念日」とし、まるで天使の囁きのようなダイヤモンドダストを見たり、極寒の気温を体験してもらおうというイベントを開催しています。

−10℃以下、無風、快晴でしか見られないダイヤモンドダスト。

2月の3連休は日本に強い寒気が流れ込み、北海道の陸別町では−31.8℃を記録しました。このような寒い時期になると見られるのがダイヤモンドダスト。
ダイヤモンドダストは、空気中の水蒸気が急速に冷却されると発生しますが、いくつもの気象条件がそろわないと見ることができません。気温は−10℃以下。天気は快晴。そして、風がないことが必須です。
水蒸気が雲になる前に氷の粒になり、空中で舞い散ります。この氷の粒が日光に反射してキラキラと輝くことから、ダイヤモンドダストと命名されました。
北海道の幌加内町では、このダイヤモンドダストを「天使の囁き」にたとえています。雪と氷で閉ざされた世界。シンと静まりかえった明け方、日が昇るとともに見えてくるダイヤモンドダストが、雪の上にサラサラと落ちてくる様子に音があるとしたら、まるで天使の囁きのようだ、ということでこの名がつけられました。極寒の地ならではのロマンチックなたとえです。


昭和53年2月17日、幌加内で最低気温−41.2℃。しかし、気象庁の公式記録にはならず。

昭和53年(1978年)2月17日、北海道の北部に位置する雨竜郡幌加内町の母子里で、−41.2℃が観測されました。戦後では国内最低の気温です。記録が出たのは日本最大の人造湖である朱鞠内湖(しゅまりないこ)付近。ここの北東にある北大演習林で、当時は気象庁の委託観測所でもありました。
気象庁の最低気温ランキング10位の中に、5つがこの日に記録されています。つまり、昭和53年2月17日は戦後最も気温が低かった日だったと言えるかもしれません。
現在、公式の日本最低気温は、明治35年(1902年)1月25日に旭川市で記録された−41.0℃。しかし、非公式ながら戦前の道内の観測所の資料によると、昭和6年(1931年)1月27日に、歌登で−44.0℃、美深で−41.5℃、音威子府(おといねっぷ)で−41.3℃という記録が残っています。いずれにしても、−40℃を下回る気温など想像もつきませんね。
〈参考:北海道新聞2019年1月27日 日曜版「時を訪ねて 史上最低気温」〉

2月17日は「天使の囁き記念日」。毎年、集いが開かれる。

今から41年前の昭和53年2月17日に、幌加内町母子里で―41.2℃を記録したことを記念して、平成6年(1994年)、極寒を体験してもらおうと、幌加内町の若者が中心となって「天使の囁きを聴く会」が制定され、この日が「天使の囁き記念日」となりました。
最も寒い町ということを逆手にとり、マイナスのイメージをプラスに変えようという試みで、毎年、最寒の地記念公園「クリスタルパーク」がライトアップされ、厳冬の一夜が体験できる「天使の囁きを聴く集い」が開かれます(今年は2月16日にライトアップされました)。

サンピラー(太陽柱)
サンピラー(太陽柱)

日本一が三つある幌加内町

戦後、日本で最も低い気温を観測した幌加内町ですが、日本一と名のつくものが、最低気温を含め、三つもあります。
・戦後日本の最寒記録「−41.2℃」
気象庁の公式記録では明治35年(1902年)の旭川市の記録、−41℃が日本の最低気温ですが、その76年後の昭和53年2月17日に、幌加内町母子里で−41.2℃を記録しました。母子里には、この最低記録を記念して母子里クリスタルパークが建設され、つららをモチーフとしたモニュメント「クリスタルピークス」が建てられました。また、公園の管理棟では「日本最寒地到達証明書」を発行しています。
・そばの作付面積日本一。「幌加内そば」
昭和40年ころから米の減反政策が始まり、幌加内では米の代替として、そばが栽培されるようになりました。冷涼な気候と、昼夜の寒暖の差、日中の気温上昇を穏やかにする朝霧など、自然条件がそばの栽培に適しており、そばの作付面積は昭和55年で日本一になりました。「幌加内そば」はそばの有名ブランドとなり、「天使の囁き」という商品名のそばも販売されています。
・日本最大の人造湖「朱鞠内湖」
朱鞠内湖は16年の歳月をかけ、昭和18年に完成しました。雨竜第一ダムに堰き止められたダム湖である朱鞠内湖は、人造湖としては日本一の広さを誇り、湖周は約40km、水深は40mもあります。周囲が自然の姿そのままで、湖内には大小13の島々が浮かび、まるで北欧の湖畔のようなたたずまい。幻の魚として知られているイトウが生息し、神秘の湖とも呼ばれています。
2月の3連休は最大級の寒気が流れ込み、北海道をはじめ日本中で最低気温が記録されました。特に陸別町では−31.8℃となり、日本中から報道陣や観光客が訪れました。しかし、日本の最低気温は−40℃以下。いったいどんな外気なのでしょう。
幌加内のような極寒の地で、キンと冷えた朝に見るダイヤモンドダストは、さぞかし美しいことでしょう。2月17日は天使の囁き記念日。北海道に春が訪れるのは、まだまだ先の話です。

日本最大の人造湖「朱鞠内湖」
日本最大の人造湖「朱鞠内湖」


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