ヨーロッパの街並みでは、窓辺に花を飾っている住宅をよく見かけます。飾られている花の中で多いのがゼラニウム。ゼラニウムは丈夫で育てやすく、見た目も華やかでかわいらしい花です。窓辺にゼラニウムを置くのには、見た目だけではなく、もう一つの理由があります。それは、ゼラニウムの香りには虫除けの効果があるということ。ヨーロッパでは網戸がない住宅が多いので、虫除けがわりに、窓辺にゼラニウムを置いている家が多いようです。

ゼラニウムの香りは人にとってはいい香りだけど、蚊にはイヤな香り

ゼラニウムはバラに似た香りがします。精油の成分で見ると、どちらにも、シトロネロールとゲラニオールという成分が多く含まれているため、香りが似ているのです。精油について詳しい方なら耳にしたことがあると思いますが、ゼラニウムは「貧乏人のバラ」ともよばれます。ローズと同じような香りなのに、ローズよりもずっと安価で手に入るからです。
ゼラニウムとローズに共通して含まれるシトロネロールという香りの成分は、人にとってはとてもいい香りですが、実は蚊にとってはとても苦手な香りです。
シトロネロールはゼラニウムやローズ以外にも、ユーカリ・シトリオドラ(レモンユーカリ)、メリッサ(レモンバーム)にも含まれていて、これらの精油にも虫除け効果があるといわれています。市販の虫除けスプレーの中には、ゼラニウムやレモンユーカリが配合されているものもありますね。
ゼラニウムの花は丈夫なので初心者でも育てやすく、しかも開花時期が長いのが特徴です。見た目も華やか、香りがよく、育てやすく、しかも虫除けにもなるので、ヨーロッパでは古くから窓辺に飾られていたのでしょう。


日本では蚊取り線香に「除虫菊」が使われていた

日本で虫除けといえば、蚊取り線香を思い浮かべるのではないでしょうか。
戦前まで作られていた蚊取り線香には、「除虫菊」という白い菊の花が使われていました。除虫菊の和名は「シロバナムシヨケギク」。その名の通り、虫除け効果がある白い菊で、ピレトリンという殺虫成分が含まれています。
明治時代に金鳥(KINCHO)の創業者が、この除虫菊を使った渦巻型の蚊取り線香を発明しました。
戦後は蚊取り線香の成分は、除虫菊の殺虫成分ピレトリンに似た、ピレスロイドという化合物が主流となり、これによって蚊を退治します。ただ、金鳥では、天然除虫菊と天然原料のみで作った純植物性の蚊取り線香も販売しています。どんな香りがするのでしょうね。
参考
金鳥:除虫菊ってなに?
金鳥:天然除虫菊 金鳥の渦巻 ミニサイズ

除虫菊。和名は「シロバナムシヨケギク」
除虫菊。和名は「シロバナムシヨケギク」

ゼラニウムの精油を配合した虫除けスプレーを作ってみよう

ゼラニウムの精油を使って、オリジナルの虫除けスプレーを作ってみませんか。化学薬品配合のスプレーよりも効き目はよくないかもしれませんが、天然成分だけで作るので、香りがよく、気分が癒されるかもしれませんね。
〈用意するもの〉
無水エタノール:5〜10ml
精製水(ミネラルウォーターでも可):40〜45ml(全体で50mlにする)
ゼラニウム:全部で10滴
(ほかに虫よけ効果があるレモンユーカリ、レモングラス、シトロネラなどを混ぜて、合計10滴にしても可)
スプレー容器(ガラス製がのぞましい)
〈作り方〉
1. スプレー容器に無水エタノールを入れる。
2. ゼラニウムを加えてよく混ぜる。
3. 精製水を加えてよく振ったら出来上がり。
出来上がった虫除けスプレーは、カーテンや網戸に吹きつけて、蚊の侵入をブロックしましょう。
参考
『アロマテラピーバイブル』成美堂出版
※精油は天然成分100%のものを使用してください。
※使用して皮膚に異常があらわれたときは、すぐに使用を中止し、医師に相談してください。

日本の住宅ではほとんどの窓に網戸があるので、ゼラニウムの香りで蚊の侵入をブロックする必要性はほとんどありませんが、ヨーロッパのきれいな街並みを見ていると、かわいくて育てやすいゼラニウムを窓辺に飾ってみたくなりますね。