朝晩はしっかりと気温が下がり、肌寒く感じる日も増えてきました。いよいよ秋が深まりますが、秋といえばやはり「食欲の秋」ですよね。秋刀魚や松茸、栗、ぶどうなど、秋を代表する味覚がいっぱいあり、さらには夏に弱っていた胃腸も元気になり、お肉も食べたくなりますよね。
そうなると気になるのが体重です。体重増を回避するためにランニングを始めようという人もいるかも知れませんが、残念ながらランニングだけでは食欲の秋の体重増加を食い止めることができません。そこで、ここでは秋の体重増加とどう向き合えばいいのかについてお話しします。

30分のランニングで消費するカロリー

私たちの体は運動をするときにエネルギーを消費します。消費カロリーは運動強度や運動時間、そして体重によって決まります。具体的には下記計算式によって求めることができます。
消費カロリー(kcal)= メッツ × 体重(kg) × 運動時間(h) × 1.05
メッツというのは運動時のエネルギー消費量が、安静にしているときの何倍になるかを示したもので、国立健康・栄養研究所のホームページに掲載されている『身体活動のメッツ(METs)表』で確認できます。
時速9.7kmで走ったときのメッツが10で、体重が60kgの人が30分間そのペースでランニングしたとします。そのときの消費カロリーは次のように計算できます。
10(メッツ) × 60(kg) × 0.5(h) × 1.05 = 315kcal
上記の条件なら30分のランニングで、315kcal消費することになります。それでは315kcalの消費カロリーでどれくらい体重が落ちるのでしょう。体脂肪1g(水分を含む)を減らすのには7.2kcal必要とされていますので、30分のランニングでは約44gの脂肪が落ちる計算になります。
思ったよりも少ないですよね。ランニング後には1〜2kgほど体重が落ちるという人もいますが、そのほとんどは汗によるもので、体脂肪はあまり落ちていません。もちろん、継続することで体脂肪は落ちていき、単純計算で1ヶ月ランニングを続けると約1.3kg痩せられます。
ところが現実には痩せるどころか、太ってしまうケースもあります。なぜそんなことが起きるのか、詳しく解説していきます。
【参考】
身体活動のメッツ(METs)表|国立健康・栄養研究所

1回のランニングの消費カロリーは思ったよりも少ない
1回のランニングの消費カロリーは思ったよりも少ない


ランニングでは痩せにくい理由

30分のランニングを毎日行うと、1ヶ月で約1.3kg減るとお伝えしましたが、これは摂取カロリーが増えないことが前提になります。ランニングで315kcal消費しても、「運動したから」といって320kcalのあんぱんを1つ食べてしまうと、カロリー収支が5kcalプラスになります。
食べなければいいのでは?と思うかもしれませんが、ランニングをすると食べ物が美味しく感じるので、ついつい多めに食べてしまいます。さらに「走っているから大丈夫」という思いが、食べることへの罪悪感を薄れさせるので、間食の量も増えてしまいがちです。
痩せにくい理由はもうひとつあります。それは走ることによって筋肉がついてしまい、脂肪は落ちても体重が増えてしまうというケースです。運動経験が浅く、筋肉が少ない人ほどこの傾向にあります。ランニングによって足が鍛えられて、筋肉が太くなり体重が増えるというわけです。
私たちは体重ばかり気にする傾向にあり、体重が減っていないと不安になりがちです。でも実際には体脂肪が減っていれば問題ありません。ただし、実際には体脂肪が減っていなくてもそれほど気にする必要はありません。
なぜ気にしなくてもいいのか、その理由をチェックしていきましょう。

ランニングをすると食欲が増してしまうので、ついつい食べ過ぎに
ランニングをすると食欲が増してしまうので、ついつい食べ過ぎに

BMIが18.5以上25未満なら体重増加は気にしない

どうしても体重を落としたいなら、ランニングの距離を延ばしたり、脂肪燃焼を促す12時間のプチ断食をしたりと、できることはいくつかあります。基本的には摂取カロリーよりも消費カロリーが大きくなれば体重は落ちていきます。
でも、ランニングの距離を延ばすとケガのリスクが上がりますし、プチ断食は空腹によってストレスが溜まってしまいます。健康な体を手に入れるために痩せようとしているはずなのに、体にも心にも負荷がかかってしまったのでは意味がないですよね。
30分のジョギングを継続できているなら、秋の体重増加はそれほど気にする必要はありません。もちろん健康診断などでお医者さんに指示されている場合は、食事管理も含めて痩せるための努力は必要ですが、そうでないなら「よく食べて、よく運動する」を心掛けましょう。
日本では肥満と同じくらい「やせ」も問題になっています。厚生労働省も「誤ったダイエットなどによる偏った食生活は、鉄欠乏など潜在的な栄養不良のリスクを高めます。」と注意喚起しています。BMIが18.5以上25未満に収まっているのであれば、体重増加はそれほど気にしなくてもOKです。
とはいえ「よく食べる」だけを実行することのないように気をつけましょう。優先すべきは「よく運動する」ことです。まずは、ランニングなどの運動を習慣化させてください。そうすれば、食欲の秋に少しくらい体重が増えても気にする必要はありません。
この季節だから食べられるものを楽しむ。そのために適度な運動(30分程度のランニング)を継続しましょう。ただし、食事は腹八分目で、秋の夜長の間食はできるだけ避けるようにしてくださいね。過ぎたるは猶及ばざるが如し。何事も程々が肝心です。
【参考】
若い女性の「やせ」や無理なダイエットが引き起こす栄養問題|厚生労働省

多少の体重増加を気にする必要はありません
多少の体重増加を気にする必要はありません