“全然OK”は使ってOK!? 日本語学者が解説

高橋みなみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「高橋みなみのこれから、何する?」。11月21日(火)の放送には、国語辞典編纂者で日本語学者の飯間浩明さんが出演。辞書の作り方について教えてもらいました。



以前、番組で来年1月に広辞苑の第7版が出版されるというニュースを紹介して以来、辞書の作り方に興味を持ったたかみな。三省堂国語辞典の編集委員でもある飯間さんに辞書がどんなふうに作られているのか尋ねてみると、広辞苑と国語辞典は違うと前置きしつつ、「共通しているのは言葉を集めること」だとか。

言葉を集めるという作業は、例えるなら昆虫学者が虫を採集するようなもの。飯間さんは日常生活の中で気になる言葉や用例があれば採集=写真を撮っているそうです。
この日もスタジオに来るまでにいくつか採集したそうで、そのひとつが“温玉”。カレー屋さんで見かけたこの言葉は辞書には載っていないとか。なぜなら昔からある言葉ではなく、すでにある「温泉玉子」でいいというのが理由のようで、一般的に広まっているところを見て「注意が欠けていた」と飯間さん。
その他にも、電車で見かけたという学校のキャッチフレーズに使われていた「攻める」という言葉。このワードは辞書に掲載されていますが、それはあくまで「敵を攻める、攻撃する」という意味。ここで使われているような「チャレンジする」という意味合いはないそうで、そういった時代によって違った意味が備わった言葉も飯間さんは探しています。

ちなみに、飯間さんによると辞書を作るにあたってかかる時間は、三省堂国語辞典の場合、およそ6年。そして、そこに関わるスタッフは編集委員と若干の外部執筆者のあわせて約10人。この少なさにはたかみなも驚いていましたが、国語辞典のような小型辞典は統一感が必要なため、少人数で作っているそうです(広辞苑は1冊10年、数百名で執筆するとか)。

そんな飯間さんが辞書を作る上でのこだわり、それは“わかりやすいこと”“ポイントがわかるように書くこと”“この言い方は間違いと決めつけないこと”の3つ。

辞書は大人だけでなく、子どもも使うとあってわかりやすさは重要。小・中学生にもわかりやすく書くというのが大前提。そして、紹介している言葉が示す内容の具体性も当然大事。それも長々と書くわけではなく、1〜2行でまとめるのが必須です。

さらには、間違い=誤用にも要注意だと飯間さん。よく有識者の方が「この言い方(使い方)は誤用だ」と言うことがありますが、飯間さんとしては「そもそも誤用は証明できない、むしろ、どの言葉にも生まれてきた理由がある」と指摘。
例えば、“全然いいです”“全然OK”。本来は“全然良くない”“全然知らない”と否定で終わらなければいけないと言われていますが、飯間さんによると昔からそうじゃないケースがたくさんあったとか。かの芥川龍之介も著書の中で「全然同じ話」と書いていたり、夏目漱石も「坊ちゃん」で「生徒が全然悪いです」と書いており、否定で終わらないといけないという決めつけは違うと飯間さん。
さらには、“違和感を感じる”もそう。(重言ではないかという指摘もありますが)そもそも違和感とは「嫌な気分、ムード」のことで、つまり“嫌な気分を感じる”、それは日本語としてはおかしくないそうです。

しかも、そういったことは特に若者世代が使う言葉に多く、その代表的なものが“ら抜き言葉”。たかみなも「気になる世代とそうじゃない世代がありますよね……」とつぶやいていました。これも飯間さん曰く、昔から方言には、ら抜き言葉があり、さらには“見られない”と“見れない”では意味が違い、明確に分ける理由があると言います。

飯間さんの話を聞き、「言葉って生きている、変わっていくんですね……言葉の歴史って面白い!」とたかみな。飯間さんが「間違った言葉があるとしたら、相手に気持ちが伝わらない言葉。ただ、それも間違っているというか、もっと違う(ふさわしい)言葉があるのかなと思います」と話すと、これにも大きく頷くたかみなでした。

また、たかみながとても感心していたのが、飯間さんが辞書作りで最も気を使っている「少人数、弱い立場の側に立って考える」ということ。これは、例えば「筆談器」について紹介をする際、「耳の不自由な人とやりとりする」と書いてしまうと健常者目線になってしまうと飯間さん。立場によって言葉も変わるため、説明するときも細部にまで気をつけ、そこには思いやりや気遣いが必要だそうです。

この日は普段なにげなく使っている言葉について、いろいろと学び、改めてその重要性に気付いたたかみなでした。


----------------------------------------------------
【▷▷この記事の放送回をradikoタイムフリーで聴く◁◁】
聴取期限 2017年11月29日(水) AM 4:59 まで
スマートフォンは「radiko」アプリ(無料)が必要です。⇒詳しくはコチラ)
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用頂けます。
----------------------------------------------------


【番組概要】
番組名:高橋みなみの「これから、何する?」
放送日時:毎週月〜木曜 13:00〜14:55
パーソナリティ:高橋みなみ
番組ホームページ:http://www.tfm.co.jp/korenani
番組SNS:
LINE=@korenani
Twitter=@KoreNaniTFM
Instagram=korenanitfm

関連記事

おすすめ情報

TOKYO FM+の他の記事もみる
主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

いまトピランキング

powered by goo いまトピランキングの続きを見る

エンタメ アクセスランキング

ランキングの続きを見る

エンタメ 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る

記事検索