近年は深刻なコントロール難に苦しみ、今季開幕前には練習への遅刻で二軍降格処分となってしまった阪神の藤浪晋太郎。最近は「トレードで環境を変えるべき」との声もよく聞かれるようになった。そこで、「もし藤浪がトレードされるとしたら、どこの球団がマッチするのか」を具体的に考察してみた。

▼西武
交換要員
愛斗(外野手/23歳)+永江恭平(内野手/27歳)

 西武は藤浪本人にとっても阪神にとっても理想的なトレード相手と言っていいだろう。藤浪の出身校である大阪桐蔭高出身の選手が多く、特に正捕手の森友哉は2012年に甲子園春夏連覇を達成した時にバッテリーを組んだ間柄。環境を変えて心機一転、巻き返しを図るには理想的な環境と言っていい。

 阪神もこのトレードで外野の世代交代と二遊間守備の向上という2つの課題解決につながる選手を獲得できる。愛斗は昨季、イースタン・リーグでの51試合で打率.302、8本塁打、OPS.850の好成績を残した強打が魅力。阪神が求めてやまない大砲候補の選手である。西武では他にも鈴木将平、高木渉ら有望株外野手がいることから、絶対に放出できないというわけでないだろう。永江は打撃こそサッパリだが、堅実な遊撃守備が大きな魅力。レギュラーは無理でも、試合終盤の守備固めとして十分チームに貢献できる。
 ▼日本ハム
交換要員
横尾俊建(内野手/27歳)+淺間大基(外野手/24歳)

 日本ハムは巨人でスター候補と期待されながらくすぶっていた大田泰示をトレードで獲得してブレイクさせた前例がある。有原航平と上沢直之に次ぐ先発投手がやや心許ない点も、藤浪を補強する理由になるだろう。

 交換要員候補としてまず挙がるのは横尾。和製大砲として期待されてきたが、一軍で確固たる地位を確立しきれないまま年下の野村佑希に先を越されようとしている。それでも広い甲子園をものともしないパワーは魅力で、三塁・一塁・二塁・レフトをこなせる器用さもある。ファームでコンスタントに打率3割を残す確実性とパワーを兼ね備えている淺間も、打線の強化につながるだろう。藤浪1人でこの2人を獲得するのは難しい可能性もあり、その場合は阪神側がもう1人追加する形ならまとまるのではないか。
 ▼DeNA
交換要員
桑原将志(外野手/27歳)

 同一リーグ間のトレードは避けられがちなので実際に実現する可能性は低いが、これも双方にとって理に適った取引だろう。17年に全143試合でリードオフを務めた桑原だが、過去2年は神里和毅らの台頭もあって出番が激減。藤浪と同じようにチーム内での立場を失いつつある。

 それでも、17年にゴールデン・グラブを受賞した守備力は広い甲子園を本拠とする阪神にとって大きな魅力のはず。また、近本光司、糸井嘉男、福留孝介、高山俊と左打者が多い外野陣で右打ちの桑原はアクセントにもなる。
  日本ではトレードはネガティブな印象が持たれがちだが、藤浪ほどの投手がくすぶったままで終わってしまうとすれば、球界全体にとっても大きな損失だ。もちろん阪神で復活するに越したことはないだろうが、新天地で心機一転することが、再ブレイクの契機になるかもしれない。トレードは本来、お互いのチームに足りないところを埋めるためのもの。阪神は打線や守備に課題を抱える一方で、先発投手のコマは比較的揃っている。球団にとっても藤浪にとっても、トレードという選択肢はウィン・ウィンな選択かもしれない。

構成●SLUGGER編集部

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