7月30日(日本時間31日、日付は以下同)からシーズンが再開されるNBA。6月26日には“シーディングゲーム”(順位決定戦)の日程が発表されたが、各チームは6月23〜30日までの間、ケガや健康面などを理由に今季の第2幕へ参戦しない選手の代役として、フリーエージェント(FA)の選手と本契約または2WAY契約を結び、ロースターに加えることができる。

 ここでは27日に現地メディア『Sports Illustrated』へ掲載された、再開後のシーズンを戦うウエスタン・カンファレンス13球団の“最も重要な選手”をそれぞれ紹介していきたい。まずはプレーオフ進出をすでに決めている6チームから見ていこう(球団名は略称)。

■ウエスト13チームの最も重要な選手(プレーオフ出場決定チーム編)
1位/レイカーズ:ドワイト・ハワード&ジャベール・マギー

2位/クリッパーズ:ポール・ジョージ

3位/ナゲッツ:ジャマール・マレー

4位/ジャズ:マイク・コンリー&ジョーダン・クラークソン

5位/サンダー:デニス・シュルーダー

6位/ロケッツ:PJ・タッカー
  現在も収束していない新型コロナウイルスの猛威と、人種差別問題を理由に、先日ハワードは「世界は今、大きく傷ついている。日々さまざまなことが起こっていて、ほかのことに気を取られている場合ではないんだ」と『CNN』へ語り、シーズン再開後にチームへ合流しない可能性を示唆。もっとも、レイカーズ側はハワードへ第2幕にも参戦してほしいと説得する構えで、スーパースターからロールプレーヤーへ転身した献身的ビッグマンの合流を求めている。

 そう望むのも当然だろう。ハワードは平均19.2分出場し7.5点、7.4リバウンド、1.2ブロックをマークしているが、それ以上にディフェンシブレーティング(100ポゼッションあたりの失点)は勝利した試合で99、敗れた試合では117と、守備面でチームに大きな影響を与えているからだ。

 レブロン・ジェームズとともに出場した時間帯は100ポゼッションあたり+8.7、アンソニー・デイビスとも+5.7と相手チームを圧倒。ハワードとマギーがコートにいることで、レイカーズはデイビスを本来のパワーフォワードに置くことができるだけに、両センターの活躍は7年ぶりのプレーオフ出場となるレイカーズにとって欠かせない存在なのだ。
  ウエスト2位に位置するクリッパーズにおいて、カワイ・レナードに次ぐチーム2位の平均21.0点を記録するジョージだが、主要成績は軒並みここ5シーズンのワーストに近い数字となっている。しかしプレーオフとなれば話は別だ。ペイサーズ時代にはカンファレンス・ファイナルを2度経験しており、直近4年のポストシーズンではいずれも平均24.0点以上をマーク。対戦相手にとって、レナードとともに危険なスコアラーと化すだろう。

 マレーはニコラ・ヨキッチに次ぐナゲッツ第2のスコアラー。プレーオフデビューとなった昨年は14試合中13試合で2桁得点を奪い、平均21.3点と好成績を残した。だが好不調の波が激しく、ゲーム中に突如スランプに陥り存在感を消失することがあるだけに、ナゲッツが強敵揃いのウエストを勝ち上がるためには、この男の高位安定した活躍がマストとなる。
  ウエスト4位と上位シードに位置するジャズだが、チーム2位の平均20.2点をマークするボーヤン・ボグダノビッチが右手首の手術に踏み切ったため、戦力がダウンした状態で再開を迎えることとなった。もしオフェンス面でコンリー、クラークソンがステップアップできなければ、昨季のように主砲ドノバン・ミッチェルの負担が増してしまうため、1回戦突破も厳しいだろう。特にオールスター後は平均14.9点、フィールドゴール(FG)成功率45.3%、3ポイント成功率41.8%と調子を上げていたコンリーの働きに期待したい。

 今季予想外の好成績を収めたサンダーにおいて、最も強力な布陣は3人のポイントガード(クリス・ポール、シャイ・ギルジャス・アレキサンダー、シュルーダー)を同時起用した時間帯だ。彼らがコートにいた場面で、サンダーは100ポゼッションあたり26.6点も相手チームを上回っている。特にシックスマンのシュルーダーが25得点以上を奪った12試合では9勝3敗と大きく勝ち越しているため、プレーオフではより重要な存在となるだろう。

 ローテーション選手がいずれも203cm以下というロケッツで、先発センターを務めるのが196cm・111kgのタッカーだ。屈強な肉体とメンタルタフネスを武器に、ビッグマン相手に奮戦する35歳のベテランはロケッツに不可欠な名脇役。オフェンスでは得意のコーナースリーを高確率で沈め、フロアにスペースを作り出せるかがカギとなる。
  ここからは、プレーオフ出場をかけて“シーディングゲーム”に臨む7チームの最も重要な選手たちを見ていこう。

■ウエスト13チームの最も重要な選手(プレーオフ出場未決定チーム編)
7位/マーベリックス:クリスタプス・ポルジンギス

8位/グリズリーズ:ジャ・モラント

9位/ブレイザーズ:ユスフ・ヌルキッチ

10位/ペリカンズ:ザイオン・ウィリアムソン

11位/キングス:バディ・ヒールド

12位/スパーズ:デジャンテ・マレー

13位/サンズ:ディアンドレ・エイトン
  昨季の新人王ルカ・ドンチッチとともに、自身初のプレーオフへと臨むことが濃厚なポルジンギスは、一昨年に負った左ヒザ前十字靭帯断裂から復活を遂げたものの、今季もヒザの痛みなどで16試合を欠場。ドワイト・パウエルに加えてウィリー・コーリー・スタインも不在のため、マブズのフロントラインはポルジンギスへの負担が増大することが予想される。

 だが名物オーナーのマーク・キューバンは「彼はベストプレーヤーの1人になりたがっている。だが最も重要なのは、彼が勝ちたがっているということ。彼は個人成績よりも、勝利への手助けにこだわっている。私がKP(ポルジンギスの愛称)についてベストだと思うのは、偉大な選手たちのように、クラッチタイムでさらにレベルを引き上げられる点だね」と『The New York Post』へ話しており、221cmのビッグマンに大きな期待を寄せている。

 6.0ゲーム差以内で5チームに追われるなか、現在8位のグリズリーズがプレーオフ出場権を手にするためには、新人王候補筆頭のモラントの活躍が不可欠。彼が10アシスト以上をマークした12試合では8勝4敗を記録した一方で、モラント欠場時の6試合は1勝5敗というデータが示すとおり、20歳の司令塔がこのチームの命運を握っているのは間違いない。

 ブレイザーズには昨夏加入したリムプロテクターのハッサン・ホワイトサイドがいるものの、本来の先発センターはヌルキッチ。昨年3月末に左足に大ケガを負ったビッグマンが、第2幕で満を持してコートへ戻ってくる。肩のケガから復帰するザック・コリンズとともに、守備難に苦しむチームを手助けすることができるはずだ。
  新型コロナウイルスの影響による3月のシーズン中断後、選手たちは5月上旬までチームのトレーニング施設でワークアウトができなかった。だがザイオンはペリカンズの粋な計らいもあり、自宅待機期間もトレーニング施設でワークアウトを継続。その甲斐あって、素晴らしいコンディションを維持できたと報じられている。大一番で超大物ルーキーのスーパープレーが観られるか注目だ。

 ブレイザーズ、ペリカンズと同率の3.5ゲーム差でグリズリーズを追うキングスには、ディアロン・フォックスやボグダン・ボグダノビッチ、ハリソン・バーンズといった好選手がいるのだが、このチームにおいて最高の起爆剤となるのがシックスマンのヒールドだ。1月27日のウルブズ戦では、9本の3ポイントを含むキャリアハイの42得点と大暴れ。第4クォーター残り約3分時点の17点ビハインドをひっくり返す大逆転劇の主役を演じてみせた。この超絶パフォーマンスの再演を期待したい。
  名将グレッグ・ポポビッチ・ヘッドコーチの下、NBA史上最長となる23年連続のプレーオフ進出を狙うスパーズだが、ラマーカス・オルドリッジの欠場により、その可能性は限りなく低くなった。そのなかで、ステップアップを期待されているのがマレーだ。右ヒザの前十字靭帯断裂により昨季を全休した193cmのガードは、208cmのウイングスパンを生かしたディフェンスに定評がある。攻撃面はアウトサイドショットの精度こそ要改善ながら、デマー・デローザンとともにスラッシャーとして相手守備陣をかき乱し、チームメイトたちの得点機会を作り出せるか。

 グリズリーズを6.0ゲーム差で追うサンズは、2010年以来となるプレーオフ進出のチャンスこそあるものの、そのためには全勝する勢いで勝ち進む必要がある。しかし3番手スコアラーのケリー・ウーブレイJr.の欠場が決まったことで、エースのデビン・ブッカーは相手チームから終始徹底マークを受けるだろう。そこで期待がかかるのは2年目のエイトン。2018年のドラ1ビッグマンは昨季から着実に成績を伸ばしており、彼がオーランドでもペイントエリアを制圧できるかが逆転プレーオフ出場のカギを握っている。

文●秋山裕之(フリーライター)

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