今季から新天地ニューオリンズ・ペリカンズでプレーするブランドン・イングラムは、キャリア4年目で自己最高のシーズンを送っている。

 ここまで全試合でスターターとして56試合に出場し、いずれもキャリアハイとなる平均24.3点、6.3リバウンド、4.3アシストをマーク。12月末には自身初の週間最優秀選手に選ばれ、2月には念願のオールスター出場も果たした。

 昨年の11〜12月にはフランチャイズ史上ワーストとなる13連敗を喫したチームも、イングラムやドリュー・ホリデーといった主力はポジティブな姿勢を貫き、徐々に巻き返しに成功。1月下旬に大型ルーキーのザイオン・ウィリアムソンがデビューを飾ってからは20試合で11勝9敗と勝ち越しており、シーズン中断時点で28勝36敗(勝率43.8%)、8位のメンフィス・グリズリーズ(32勝33敗/勝率49.2%)に3.5ゲーム差まで迫って、7月30日(日本時間31日、日付は以下同)から始まる今季の第二幕を迎える。
  今季終了後に制限付きフリーエージェント(FA)となるイングラムに関しては、その去就についても注目されるところ。昨年12月に『ESPN』のザック・ロウ記者が「彼はMAX契約を狙いにいくだろうね。私はそのことについて疑問に思うことはない」と話しており、22歳のフォワードはキャリアの中で重要な時期を迎えていることは間違いない。

 フロリダ州オーランドの“バブル”(リーグによって隔離された空間)でプレーすることにより、新型コロナウイルスの感染や故障のリスクもあるが、7月6日に行なわれたメディア会見で、イングラムは「ウイルスについて俺は心配していない」と語っている。

「チームメイトたちは俺が(プレーすることを)疑問に思ったりはしていないと知ってるからね。結局のところ、俺はバスケットボールがプレーしたかったのさ。コートに出て、チームメイトたちに自分が110%の状態なんだと知らせるだけ。俺はバブルにいなきゃならないんだ。それを疑問に思うことはなかったね」
  2年ぶりのプレーオフ進出に向けて、8試合のシーディングゲーム(順位決定戦)へと挑むペリカンズ。イートワン・モアが「オーランドで行なわれる試合は、どれもプレーオフのように感じるだろうね」と語れば、インサイドの守備を牽引するデリック・フェイバーズも「チームメイトたちはディフェンスで俺とドリューに目を向けてくれる。俺たちは互いにコミュニケーションを取ることが大事になる。そこで俺たちは自分たちの経験を共有しようとしているんだ。このチームには有能なディフェンダーが揃ってるからね」と意気込む。

 シーズン中断期間もチームのトレーニング施設でリハビリを続けたザイオンは、身体のシェイプアップに成功。司令塔のロンゾ・ボールも良好なコンディションをキープしており、イングラムとの連携も大いに期待できる。

「俺たちはすごくワクワクしてるんだ。チームとして流れを作り出し、毎日向上することができていると思う。もちろん、俺たちはまだ望んでる位置には達していないし、そこまでの道のりは長い。でもちょっとずつでも近づいて、自分たちが望む場所まで上り詰めたいね」
  ペリカンズは再開後初戦となる30日にユタ・ジャズ、8月1日にロサンゼルス・クリッパーズと、すでにプレーオフ出場を決めている上位チームと戦うものの、残りの6試合の相手はいずれも勝率5割未満で、プレーオフを争うライバルとの直接対決が待ち構えている。

 イングラムやザイオン、ホリデーら有望なタレントを擁するペリカンズが万全の状態でシーディングゲームを迎えることができれば、ウエスト8位へ浮上、あるいは2戦必勝のプレーイン・トーナメント(8位と9位が4.0ゲーム差以内であれば開催)の出場権を勝ち取る可能性は十分あるのではないだろうか。

 今季ブレイクを果たしたイングラムにとっても、キャリア初のプレーオフ出場を果たして、気持ちよくオフシーズンを迎えたいところだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

【PHOTO】NBA最強の選手は誰だ?識者8人が選んだ21世紀の「ベストプレーヤートップ10」を厳選ショットで紹介!