7月12日、高卒ルーキーの石川昂弥(中日)が一軍デビューを果たした。初打席で初安打を放ったものの、その後は16打席連続無安打と苦戦が続いている。だが、そもそも高卒新人が1年目でいきなり実績を残すのは、現代プロ野球では特に至難の業。今回は、ドラフト制度が導入された1965年以降で、1年目から主力として活躍した高卒ルーキーをランキング形式で紹介しよう。

10位 近藤真一(1987年/中日)
11登板 4勝5敗 58.2回 44奪三振 防御率4.45

 1987年8月9日にプロ初登板を果たした近藤は、この年リーグ優勝を果たす巨人を相手に、何といきなりノーヒットノーランを達成する衝撃のデビューを飾る。デビューがシーズン後半だったこともあって成績は飛び抜けたものではないが、史上唯一の「プロ初登板ノーヒッター」を高卒新人として成し遂げたインパクトの大きさは計り知れない。

9位 大谷翔平(2013年/日本ハム)
13登板 3勝0敗 61.2回 46奪三振 防御率4.23
77試合 打率.238 45安打 3本塁打 20打点 4盗塁 OPS.660

 投打ともに圧倒的な成績ではないが、投手としても打者としても、それ以降の高卒新人でこの年の大谷並みの成績を残した選手は数えるほど。何より、「できるわけがない」との声も少なくなかった投打二刀流を高卒1年目からこのレベルでやってのけたことがすごい。翌年、大谷は投げては10勝、打っては10本塁打を達成する。
 8位 藤浪晋太郎(2013年/阪神)
24登板 10勝6敗 137.2回 126奪三振 防御率2.75

 高卒ルーキーが2ケタ勝利を記録したのは、現時点で藤浪が最後。セ・リーグ高卒新人の2ケタ勝利は、江夏以来46年ぶりの快挙だった。チーム方針もあって規定投球回には届かず、新人王は最多勝の小川泰弘(ヤクルト)にさらわれたが、新人特別賞を受賞。ちなみにこの年の与四球率は2.88で、今に至るまでキャリアベストの数字である。

7位 松井秀喜(1993年/巨人)
57試合 打率.223 41安打 11本塁打 27打点 1盗塁 OPS.747

 前年の甲子園大会で5打席連続敬遠された怪物の片りんを存分に発揮。出場わずか57試合にもかからわず11本塁打を放ち、これはセ・リーグの高卒新人記録だった。初本塁打がこの年たった3被弾の高津臣吾(ヤクルト)からだったのもポイントが高い。とはいえ、打率は2割台前半とまだまだ粗削りな部分も多かった。

6位 立浪和義(1988年/中日)
110試合 打率.223 75安打 4本塁打 18打点 22盗塁 OPS.626 

 高卒新人ながら開幕スタメン出場を果たすと、1年間ショートのレギュラーを務めて規定打席にも到達。打率はリーグ最低ながら高卒新人では史上初のゴールデン・グラブ賞を受賞し、リーグ優勝に大きく貢献した。当時、球界屈指の攻撃型遊撃手だった宇野勝を二塁にコンバートしてまで立浪を遊撃に据えた星野仙一監督の決断力もすごい。
 5位 田中将大(2007年/楽天)
28登板 11勝7敗 186.1回 196奪三振 防御率3.82

 前年夏の甲子園で斎藤祐樹(現日本ハム)と息詰まる投げ合いを演じ、プロ1年目から即戦力として活躍。当時、楽天の監督を務めていた故・野村克也氏をして、「田中はうちのエース」と言わしめた。実際、チームで2ケタ勝利を挙げたのは田中一人だけだった。196奪三振は高卒新人歴代4位で、ダルビッシュ有に次いでリーグ2位。文句なしで新人王に選ばれた。

4位 江夏豊(1967年/阪神)
42登板 12勝13敗 230.1回 225奪三振 防御率2.74

 負け越しはしたものの、225奪三振は両リーグ最多。しかも江夏は変化球が一切投げられず、ほぼストレート一本勝負でこの記録を成し遂げたのだからすごい。新人王には選ばれなかったが、これ以降は99年の松坂大輔(西武)まで高卒新人の2ケタ勝利が出現しなかったことを考えると、過小評価されていると言わざるを得ない。

3位 堀内恒夫(1966年/巨人)
33登板 16勝2敗 181.0回 117奪三振 防御率1.39

“悪太郎”とあだ名された鼻っ柱の強さをプロでも存分に発揮し、初登板から7月末まで、現在もルーキー記録の13連勝を達成。新人王はもちろん、最優秀防御率と最高勝率のタイトルも獲得した。なお打率.250、2本塁打と打撃でも活躍。実力的にはトップでもおかしくないが、江夏と同じく、新人でも比較的活躍しやすい時代だったことから3位に落ち着いた。
 2位 松坂大輔(1999年/西武)
25登板 16勝5敗 180.0回 151奪三振 防御率2.60

“平成の怪物”はプロでも怪物だった。最多勝&最高勝率のタイトルに加えて、防御率はリーグ3位、奪三振もリーグ4位と1年目にしてチームのエースに。プロ初登板では片岡篤史(当時日本ハム)を相手に155キロを計測し、イチロー(当時オリックス)を初対決で3打席連続三振に切って取るなど数々の名勝負を演じ、あまりにも鮮烈な印象を残した。

1位 清原和博(1986年/西武)
126試合 打率.304 126安打 31本塁打 78打点 6盗塁 OPS.976

 オープン戦で本塁打が1本も出ず周囲をやきもきさせたが、開幕2試合目のデビュー戦第2打席でいきなり本塁打。以降は一塁のレギュラーに定着し、終わってみれば打率・本塁打・打点はすべて高卒新人では史上最高記録で、特に31本塁打は、59年の桑田武(大洋)と並んで、大卒や社会人卒も含めたルーキー記録となっている。広島との日本シリーズでは全試合4番に抜擢され、打率.355(1本塁打)とここでも大活躍。ドラフト制以前の選手を含めても、新人としては歴代最強打者といっても決して過言ではない。

文●SLUGGER編集部

【PHOTOギャラリー】球界を牽引する名手たちの「高校」「大学」当時を秘蔵写真で振り返る