7月30日(日本時間31日、日付は以下同)にスタートする今季の第二幕へ向けて、参戦する22チームの選手やコーチ、スタッフたちは、バブルと称される開催地(フロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート)の中でチーム練習やワークアウトに励んでいる。

 7月22日から28日にかけて、各チームはそれぞれ3試合のスクリメージ(練習試合)をこなし、8月中旬まで8試合のシーディングゲーム(順位決定戦)を戦い、チャンピオンシップ獲得をかけたプレーオフが開催される。

 今季ここまでリーグトップの戦績を残しているのはミルウォーキー・バックス。昨季のシーズンMVP、ヤニス・アデトクンボを中心に、53勝12敗(勝率81.5%)という好成績を残している。2位のトロント・ラプターズ(46勝18敗/勝率71.9%)とは6.5ゲーム差をつけており、イースタン・カンファレンス首位でプレーオフを迎えることが濃厚だ。

 バックスは優勝候補の一角なのは間違いないが、絶対的な本命と言い切ることはできないだろう。アデトクンボというスーパースターはいるものの、レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスが君臨するロサンゼルス・レイカーズ、カワイ・レナードとポール・ジョージを擁するロサンゼルス・クリッパーズと比較すると、アデトクンボを封じられた時に戦力ダウンする可能性があるからだ。
  そんなバックスにとって、優勝の鍵となるのは2年連続でオールスター入りを果たした“第2の男”クリス・ミドルトンの活躍だろう。

 もっとも、今季のミドルトンは平均21.1点、6.2リバウンド、4.1アシストに加え、フィールドゴール成功率49.9%、3ポイント41.8%、フリースロー90.8%と、軒並み自己最高の成績を残しており、2番手と呼ぶに十分なパフォーマンスを見せている。

 20日に行なわれた会見で、キャリア17年目の大ベテラン、カイル・コーバーはミドルトンを次のように評していた。

「クリスにはものすごく感動している。彼は最高の状態に見えるね。こんなに爆発的に動いて、強烈なディレクションチェンジをしているのは見たことがない。今、彼は自分のプレーを最大限に活用できているんじゃないかな」

 平均20点を奪うオフェンス力に加え、堅実なディフェンス力も兼備する28歳のフォワードは、ミドルレンジゲームを最大の武器とするいぶし銀の選手と言っていい。
 「ミドルレンジジャンパーは、いつだって俺の強みだった。もちろん、ゲームが変わったことは知っている。だから俺はこの数年というもの、自分のゲームを適応しようとしてきた。ステップアウトして3ポイントを放つことはあるし、これからも自分のゲームを広げていくけど、ミドルレンジゲームもこのまま磨き続けていくよ」

 今年のオールスター期間中にそう語ったミドルトンは、マッチアップ相手が誰であれ、少しの隙を見逃さずにショットを放り込むほど、ミドルレンジジャンパーに絶対の自信を持っている。

 アデトクンボとのデュオも気に入っており、「コビー&シャック、ジョーダン&ピッペン、ペニー&シャック。その次にリストへ入るのは俺たちだ」と自信を覗かせた。
  1971年以来、フランチャイズ史上2度目のNBAチャンピオンとなるためにはチーム全員の献身的なプレーに加え、アデトクンボとミドルトンによる両輪の活躍が不可欠となる。

「俺は少し体重を落として、強靭になろうとしてきただけ。だから今の俺は完全な健康体だ。(第二幕では)自分にとってベストなバスケットボールができると思う。俺は自分のベストシェイプになろうとトレーニングを重ねてきたんだ」

 バブルで行なわれてきたチーム練習を経て、自信満々に言い放ったミドルトン。フィジカルとメンタルの両面において、万全の状態でコートへ戻ってくる“第2の男”のパフォーマンスに期待したい。

文●秋山裕之(フリーライター)

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