7月22日(日本時間23日、日付は以下同)、NBAは今月30日から再開する今季第二幕を前にスクリメージ(練習試合)を行なった。

 再開シーズンを戦う22チームは現在、フロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内に作られた“バブル”(リーグによって隔離された空間)で徹底した感染対策の下、3か月以上にわたる生活を送っている。イースタン・カンファレンス9位で八村塁の所属するワシントン・ウィザーズ(24勝40敗/勝率37.5%)は、HPフィールドハウスでウエスタン・カンファレンス3位のデンバー・ナゲッツ(43勝22敗/勝率66.2%)と対戦した。

 ウィザーズのスターターは八村のほか、シャバズ・ネイピアー、アイザック・ボンガ、トロイ・ブラウンJr.、トーマス・ブライアントの5人。前日の練習を終えて、スコット・ブルックスHC(ヘッドコーチ)は「皆がここ1、2週間いい状態だ。他のチームと戦う準備ができたよ。全員にとって、アピールするいい機会だ」と語るなど、良好なコンディションでおよそ4か月ぶりの実戦に臨んだ。
  一方のナゲッツは、ジャマール・マレーにギャリー・ハリス、ウィル・バートンといったバックコート陣が欠場。ニコラ・ヨキッチ(213cm)、ジェレミー・グラント(203cm)、ボル・ボル(218cm/2WAY契約)、ポール・ミルサップ(201cm)、メイソン・プラムリー(211cm)という異例の“超大型ラインナップ”でウィザーズを迎え撃った。

 通常の各クォーター12分ではなく、10分×4クォーターで行なわれたスクリメージ初戦、先制点をあげたのは八村だった。開始直後、右45度付近の3ポイントエリアでボールを受け取った八村は、フェイクでディフェンダーを交わすと得意のプルアップジャンパーをヒット。その後もペイントエリアに入り込んでのターンアラウンドジャンパーを成功させるなど、好調な滑り出しを見せる。

 第2クォーターではボンガのドライブに合わせた動きからレイアップを沈めると、今度は3ポイントラインからフェイクでディフェンダーを交わしてリング下まで入り込み、ヨキッチ相手に左手でレイアップを決めてみせた。
  後半に入ってからも八村のショットは冴えわたる。トップ・オブ・ザ・キーから3ポイントを決めると、ミドルポストからも高難度のターンアラウンドジャンパーを沈めるなどエリアを問わず得点。試合には82−89で敗れたものの、いずれもチームトップの18得点、9リバウンドをマークする上々のパフォーマンスを披露した。

「少し雰囲気とかは違ったんですけど、久しぶりにコートに戻れてすごい嬉しかったなぁ、とまず思いましたね」と約4か月ぶりの実戦を振り返った八村。無観客試合については「今まであまり、こういうハイレベルな試合で(無観客試合を)したことがないので、少し感覚は違ったんですけど、大変な時期にバスケができることをすごくありがたく思います」と語った。

 主力が不参加を表明し、再開後はチームの主軸として期待される22歳は「コーチからも『積極的に行け』と言われてました。DB(ダービス・ベルターンス)、ブラッド(ビール)、ジョン(ウォール)がいないので、『僕がやらなければいけない』という責任を持ってやりました」と頼もしい言葉も残している。
  課題はディフェンス面。相手のオールスターセンター、ヨキッチのポストアップを守る際にリング下であっさりとフェイクに引っかかってファウルを吹かれるなど、たびたび経験の少なさを露呈。また、7フィート9インチ(約236cm)のウイングスパンを持つボルにあっさりとジャンパーをブロックされ、戸惑いの表情を浮かべた場面も見られた。

 もっとも、久々の試合でさっそく26分間ものプレータイムを与えられた八村は、スタミナ面について「全然、大丈夫ですね。自宅待機中もずっとトレーニングしてましたし、ウィザーズに戻った後もずっとトレーニングしてたので、その成果は出てきてるなと感じます」と、確実に手応えを感じた様子。

「非常に積極的だったね。ショットセレクションが良かった。ルイはいい場所からシュートを放つ。それが彼の持ち味なんだ。(長い中断があった後でも)すんなりと試合に入れていたしね。ルーキーなのに、すごくセンスがいい」と指揮官も八村の初戦を高く評価した。

 次戦、25日のロサンゼルス・クリッパーズ戦からは通常通り12分×4クォーターのレギュレーションとなる。八村は「(相手は)優勝を狙っているチーム。僕ら若いチームがどれだけ積極的にできるかというところがカギになると思うので楽しみです」と、強豪相手にも真っ向勝負を挑む決意を語った。

文●秋山裕之(フリーライター)

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