リーグ有数のスコアラー、デビン・ブッカーを中心にシーズン第二幕に参戦中のフェニックス・サンズが好調だ。

 昨季までの4シーズン、サンズはいずれも勝率3割以下と低迷し、ウエスタン・カンファレンス下位に沈んでいた。しかし今季はブッカーの周囲にリッキー・ルビオやアーロン・ベインズ、ダリオ・シャリッチといったベテランを加え、ウエスト13位の26勝39敗(勝率40.0%)で中断を迎え、第二幕への出場権を手にした。

 シーディングゲーム(順位決定戦)を迎えるにあたり、サンズはブッカー、ディアンドレ・エイトンに次ぐ第3の得点源ケリー・ウーブレイJr.が右ヒザの半月板断裂を修復すべく手術を行なったことで出場を断念。さらに、ルビオとベインズが新型コロナウイルスの検査結果で陽性反応が出たことで、チームへの合流が遅れていた。

 ところが、7月31日(日本時間8月1日、日付は以下同)にワシントン・ウィザーズを125−112で下すと、2日にはダラス・マーベリックスを117−115で下して2連勝。

 さらに本日4日のロサンゼルス・クリッパーズ戦でも、カワイ・レナードの猛追を振り切り、最後はブッカーがポール・ジョージとレナードに囲まれる中で値千金のジャンパーをブザーと同時にリングへ突き刺し、3連勝を飾った。
  ウエスト13位のサンズは、8位のメンフィス・グリズリーズを6.0ゲーム差で追う展開でシーディングゲームを迎えたのだが、ウィザーズはともかく、マブズとクリッパーズは格上の相手。

 にもかかわらず、この試合でブッカーはいずれもゲームハイとなる35得点、8アシストを奪取。さらにエイトンが19得点、7リバウンド、4アシスト、ルビオが18得点、シャリッチが13得点、キャメロン・ペインが12得点をあげ、大金星をあげた。

 この日のヒーローとなったブッカーは試合後、「俺は(試合に勝っても)大げさに喜ぶような男じゃないんだ。でも今日はチームメイトたちが僕を囲んでくれてね。そこから抜け出せなかったよ」とコメント。それに対して、ブッカーのフェイクに引っかかってしまったレナードは「あのショットをたくさん見ただろ。彼は得意のスポットへ向かって決めたのさ」と相手のエースを称えた。

 クリッパーズはルー・ウィリアムズがシーディングゲーム初出場を果たしたが、モントレズ・ハレルは家庭の事情で欠場。ドック・リバース・ヘッドコーチは「フェニックスを称えるべきだ。ゲームを通して、相手は我々よりもすごくハードにプレーしていたと私は思う」と振り返った。
  この敗戦でシーディングゲームの戦績を1勝2敗としたクリッパーズだが、エースのレナードは「俺たちにできることは、こういった試合を経験として学んでいくこと。次の試合でミスを抑えて、チームとしてもっと努力して、エナジーをつぎ込むこと。それがすごく大事になってくる」と気持ちを切り替えた。

 3日終了時点で、ウエストではマブズがプレーオフ出場を決めており、残り1つの枠を巡って計6チームが争うという大混戦。4日に8位のグリズリーズは主力のジャレン・ジャクソンJr. が左ヒザの半月板断裂により残り試合を全休することを発表しており、最終スポット争いはさらに激化していくことが濃厚だ。
  クリッパーズ戦を終えた時点で、サンズはグリズリーズと3.0ゲーム差のウエスト12位。「今やっていることは、ここに来てチームとして盛り上げていくこと。俺たちはすべての経験を楽しんでいるんだ」と語ったブッカーは、試合後にロッカールームでチームメイトたちから“ウォーターシャワー”で祝福され、満面の笑みを見せていた。

 もしサンズがこのまま好調をキープし、プレーオフ出場争いを制することになれば、大きなサプライズとなるだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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