世界ランキング2位のラファエル・ナダル(スペイン)が、8月末の全米オープンと前哨戦のウェスタン・サザン・オープンの欠場を正式に発表したことを「マルカ紙」が報じた。

「考えに考え抜いたが、今年はUSオープンには出場しないことを決めた。世界中の新型コロナウイルスの状況が改善されず、コントロールがうまくできていない状況を踏まえた結果だ」と述べた。

 そもそも、ナダルは6月の初めごろから、感染者数が突出しているアメリカに渡ることについて懐疑的な態度を示していた。現状、ナダルの最大の目標は全米オープンではなく、9月27日〜10月11日に開催される全仏オープンのタイトルを獲得することだ。そのため、ここ1ヵ月半の間は、主にクレーコートで練習を重ねていた。

 ナダルにとって、グランドスラムを欠場することは非常に難しい決断だったようだ。「この決断(全米オープン欠場)はしたくなかった。だけど、今回はアメリカには行きたくないという自分の気持ちに従いたい」と語った。
  続けて、ナダルは現段階で確定されている過密なツアー日程についても苦言を呈した。「もちろん大会を開くにあたって議論を重ねてくれたことには感謝したい。ただ、4カ月大会がなかった中でいきなり過密日程を組むなんて、無茶なことだと思う」と話した。

 難しい判断を迫られたナダルだったが、今年は「救いの手」とも言うべき措置を利用できる。ツアーの大多数の大会が中止されたことで、ランキングの算出方法が変更となり、全米オープンに出場しなくてもポイントが失効することはない。優勝した昨年のポイントをディフェンドする必要がないことも、欠場に至った理由なのかもしれない。

 共にビッグ3の一角として肩を並べるロジャ―・フェデラー(スイス)は膝の故障により2020年はすべての大会を欠場することが決まっている。そのため、仮にナダルが全仏でチャンピオンになった場合、フェデラーのグランドスラムでの通算タイトル数20に並ぶことになる。

 世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は全米オープンに出場予定。男子トップ10ではナダルとフェデラーの他に、ガエル・モンフィス(フランス)も出場を見合わせている。

文●中村光佑

【PHOTO】クレーコートの絶対的覇者、“燃え盛る男”ラファエル・ナダル