東芝の綱川社長「決算は正常化」 メモリー売却は難航「並行して交渉」

東芝の綱川社長「決算は正常化」 メモリー売却は難航「並行して交渉」

 経営再建中の東芝は10日、延期していた2017年3月期の有価証券報告書を関東財務局に提出した。監査を行うPwCあらた監査法人は「限定付き適正」意見をつけ、財務内容などに一定の“お墨付き”を得た形だ。同日会見した綱川智社長は「貸借対照表は適正との意見で、当社の決算は正常化した」と述べた。懸案のメモリー事業の売却については難航しているが、「可及的速やかに最終契約を締結」することを目指すとした。

「東芝メモリ」売却交渉は難航

 東芝は有価証券報告書の提出を8月10日まで延期していたが、監査意見を得てなんとか期限ぎりぎりの提出となった。

 東芝と監査法人は米原発事業での損失の認識時期をめぐって見解を異にしていたが、今回の同報告書について、監査法人は「当該損失が適切な期間に計上されていないことによる連結財務諸表に与える影響は重要」としたものの、それを除いては「重要な点において適正に表示している」と限定付き適正との判断をした。

 この日の会見で、綱川社長は、「2016年度末の貸借対照表は適正」「2017年度第1四半期も前年同期との比較部分を除き不適正の表示はない」との結論を得たと述べ、東芝が抱える3つの経営課題のうちの決算という課題を解決できたと説明。「私自身リーダーシップを発揮し、東芝グリープの再生に向かって全力尽くす」と語った。

 残りの2つの課題して挙げた「海外原子力事業」については、米原発建設計画ですべての親会社保障責任の保障上限額が確定したため、「追加負担のリスク遮断できた」と述べた。

 残りの「メモリ事業の外部資本導入」については、4月に分社化した「東芝メモリ」の売却によって債務超過の回避を目指しているが、政府系ファンドの産業革新機構を中心とする「日米韓連合」との交渉は難航し、「それ以外とも並行して交渉」している状況だと説明。記者からは「この時点で合意できていなければ間に合わないのではないか」などの質問も出たが、「可及的速やかに最終契約を締結し、2018年3月末の譲渡完了を目指して最善を尽くす」とした。「それ以外」の交渉相手としては、米ウエスタンデジタル(WD)や鴻海精密工業などの名も明かした。

 合わせて同日、約3か月遅れで正式に発表された2016年度決算では、純損益が9657億円の赤字となった。

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