10月29日、タクフェス第8弾となる「くちづけ」が東京・サンシャイン劇場で東京公演初日を迎えた。“タクフェス”は、俳優で脚本家、演出家の宅間孝行が主宰する演劇プロジェクト「TAKUMA FESTIVAL JAPAN」のことで、お祭りイベントのように観客も一緒に参加して楽しめる新しい“参加型エンターテインメント”として2013年からスタートした。

「くちづけ」は、宅間が主宰していた劇団「東京セレソンデラックス」の作品として2010年に初演。2013年に貫地谷しほり主演で映画化され、2015年にタクフェス第3弾として再演。そして多くのファンからの要望に応えてタクフェス第8弾として再々演が実現した。

初演、再演、今回の再々演と三度目の出演となる愛情いっぽん役の金田明夫をはじめ、かとうかず子、柴田理恵、Moekaも前回に続いて出演。マコ役の小島藤子、松田るか、岸田タツヤ、倉田茉美、松村龍之介、若林元太、はるはる、北代祐太、斉木しげるらが新キャストとして起用された。

物語の舞台は、知的障がい者たちの自立支援のためのグループホーム「ひまわり荘」。体は大人、心は純真な子どものままの人たちが楽しく暮らしているホームに、かつて一度だけ大ヒット作を世に送り出した漫画家・愛情いっぽんが娘のマコを連れて住み込みで働くことになった。

マコは30歳だが心は子どものまま。明るくて元気な“うーやん”がマコの心の扉を開け、引かれ合い、マコの誕生日であるクリスマスの日に「結婚しよう」と指切りを交わした。約束の日、うーやんはひまわり荘の仲間と一緒にマコを待つが…。

時事ネタを盛り込んだアドリブも満載で、笑い声があふれた前半。テンポのいい展開のストーリーに引き込まれる中盤、そして親子の愛情や“生きること”などを考えさせられる後半、そして真実が明るみになるエンディングへ。拍手が鳴り止まない中、東京公演初日の幕が下ろされた。

東京公演初日の開幕に向けて、キャストからのコメントが届いた。

■金田明夫(漫画家・愛情いっぽん役)コメント

初演から早10年。人として、また演者として少しは成長しているお芝居をお見せできればと思っております。

■小島藤子(いっぽんの娘・阿波野マコ役)コメント

東京生まれ、東京育ちの身としては、東京で初日を無事に迎えられたこと、とてもうれしく思います。マコちゃんの真っすぐな愛情表現やうーやんとのかわいらしいやりとり、父であるいっぽんとの触れ合うシーンは、全てが切なく愛おしいもので、毎公演大切に演じています。
人と触れたことを躊躇してしまうそんな時だからこそ、個々の思いで感じ取れる何かがあるのだと思います。見てくださった方々の心に残る舞台になるとうれしいです。

■松田るか(国村はるか役)コメント

舞台も2度上演され、映画にもなった作品なので、楽しみにされている方もたくさんいらっしゃるかと思います。飯能・刈谷公演で学んだことを活かし、「再々演も良かったね」「再々演はもっと良かったね」と言っていただけるよう全力で演じます。
常にベストな状態で、回を重ねるごとにアップデートできるように頑張ります。どうぞ楽しみにしていてください。

■岸田タツヤ(夏目ちゃん役)コメント

万全の体制で皆様をお待ちしております。このような状況下でお越しくださる皆様の想いに負けないように演じさせていただきます。

■倉田茉美(宇都宮智子役)コメント

「お客さんにどうしたらもっと喜んでもらえるか、自分の出来じゃなく、自分がどう見られるかじゃなく、お客さんに。それを考えたら、緊張する暇もないですよね」と大切な人に言われた言葉を思い出して、誠心誠意やり切ります。

■松村龍之介(酒巻くん役)コメント

埼玉、愛知公演を経ていよいよ東京公演。これまで培ってきたモノをしっかりと劇場へお越しの皆様に届け、昇華するつもりです。くちづけはより多くの方に観劇してもらいたい、感じでもらいたい作品。劇場でお待ちしております。

■若林元太(島ちん役)コメント

飯能、刈谷でお客様からたくさんのパワーをいただき東京でも最高の「くちづけ」を皆さんと一緒に楽しみたいと思います!
全力で届けるので、この時期に足を運んでくださるお客様も安心して楽しんでください。頑張ります!

■はるはる(みなみ役)コメント

このご時世に舞台に立てること、そして足を運んでくださるお客様がいることに本当に感謝です! 
ありがとうございます! 私が演じるみなみちゃんは、出番こそ少ないものの「知的障がい」と向き合うに当てたって重要な役だと思っています。

みなみちゃんの言動によって決して他人事ではなく、皆さんの日常の中でハッとさせられるような、そんな気付きのきっかけになれるよう頑張ります!

■北代祐太(頼さん役)コメント

さぁ! いよいよ東京公演が始まります! たくさんの方に見ていただきたい作品です!!
演者一同心を込めて! 熱量持って!! あつ〜〜い「くちづけ」お届けします!!! 唇磨いて待っててねー!!!

■Moeka(ちーちゃん役)コメント

“くちづけ”のちーちゃんと同じ障がいのある私がちーちゃん役を演じる機会をいただき、とてもうれしいです。

“くちづけ”は私のような障がいがある人と、あまり係わることがなかった方も、当事者とその家族の思いを感じるきっかけになるお話です。たくさんの方に見てほしいです!


■柴田理恵(袴田さん役)コメント

人に優しくしたくなる芝居です。大切な人を大切にしたくなる芝居です。

■かとうかず子(国村真理子役)コメント

ラスト、スクリーンに流れるいっぽん先生とマコちゃんのアルバムとてもすてきです。
劇場に勇気を持っていらしてくださった皆様に、深く感謝し、サンシャイン劇場で皆さまと共に過ごせる幸せを心から喜ぶ私です。頑張ります!
今年のくちづけは、貴重な体験になりました。

■斉木しげる(国村先生役)コメント

演劇で社会性をテーマにした舞台は初めてなので、大変身が引き締まるような思いをしています。とは言えエンターテインメントとして楽しんでいただけるのが一番です。

この時世で舞台の上に立てることは役者冥利に尽きます。これを喜びとして、僕自身も楽しみながら、皆さんの胸に残るものをお届けできればと思います。

■宅間孝行(うーやん役)コメント

3回目の主人公愛情いっぽん演じる金田明夫が最高の円熟味を披露し、小島藤子が歴代ヒロインに負けないマコを堂々と演じてます!

いぶし銀の斉木しげる、かとうかずこがきっちり脇を固め、柴田理恵は爆発的に物語に笑いを巻き起こします。

美少女松田るかがフレッシュに女子高生を演じ最年少ながら物語を引っ張り、バチェラーの覇者倉田茉美が泣き所をきっちり演じ初舞台とは思えない堂々とした芝居を見せております。

若手たちもきっちり要所をこなし、3度目にして決定版の「くちづけ」ご披露いたします!劇場でお待ちしてます!


タクフェス第8弾「くちづけ」の東京公演は、11月8日(日)まで池袋のサンシャイン劇場にて上演。
以降、北海道・道新ホール、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティでの上演が予定されている。

◆取材・文=田中隆信