3月6日に行われた「R-1ぐらんぷりクラシック〜集え!歴戦の勇士たち〜」で、ヒューマン中村が激戦を制し、MVP(エム・ブイ・ピン)に輝いた。「R-1グランプリ2021」の参加規定が今回から芸歴10年以内となった一方で、過去の「R-1ぐらんぷり」で準決勝以上に進出実績のある芸歴11年以上の35人が同イベントに出演。全組のネタ終了後、観客による投票で優勝が決定した。

ヒューマン中村は、芸歴18年目のピン芸人。「R-1ぐらんぷり」には今まで決勝に6度進出、2013年には準優勝という結果を収めている。今回は、昔話「桃太郎」の“脇役”にスポットを当てたネタを披露し、観客たちの心をつかんだ。

全組のネタ終了後、会場では司会の浅越ゴエにより上位5人が発表され、大谷健太、ヒューマン中村、山本俊治、おぐ、チャド・マレーンがステージに呼び込まれた。その後、MVPとして浅越に名前を読み上げられたヒューマン中村は、「うわー!ありがとうございます!」と何度もお辞儀し喜びをあらわにした。

■「ようやくR-1に一区切り付けられる」

イベント後に行われたオンライン囲み取材でヒューマン中村は、「(R-1という)目標がなくなって途方にくれていたところに、こういう大会を開いていただいただけでもめっちゃありがたいです。そこで獲れたというのは、これでようやくR-1に一区切り付けられて次に進めるのかなと、ほっとしました」と率直な感想を語った。

司会を務めた浅越は、大会について「めちゃくちゃ盛り上がったと思います。正直、明日のR-1グランプリにプレッシャーをかけたんじゃないかというくらいです」と語り、ヒューマン中村のネタは「爆発力がすごかったです。心に訴えかけるようなネタで、お客さんはいろんな角度から笑いのエッセンスを注ぎ込まれたんじゃないかなと思います」と評価した。

ヒューマン中村は優勝賞金として50万円を獲得。賞金については「めっちゃうれしいです」と喜んだが、「“優勝賞金は、このでっかいのに使います”という、そんな余裕は僕にはないです。未来ある若手への500万(※本戦の賞金)より、くすぶっている18年目への50万の方が重いんですよ」と自虐を交えて語った。

さらに、副賞は寿司店の食事券10万円分と、太巻き100本。ヒューマン中村は「今年、飢え死になしなのでよかったです(笑)。飢え死にのスケジュールはバラシです!仮でずっと入っていたんですけど、バラシで!」と喜んだ。

■本戦のR-1が「盛り上がってくれないと“死に損”」

また、今まで出場を続けてきた「R-1ぐらんぷり」、そして今回の「R-1ぐらんぷりクラシック」を振り返りヒューマン中村は、「毎年、R-1に向けてネタを磨いていく作業を年末くらいからしていたんですけれども、失って分かるというか、R-1クラシックが発表されてから今日に至るまで、そのような日々を送ったんですね。その日々が懐かしくて楽しかったです」とコメント。

「やってるときはしんどくて、逃げたいと思っていましたけど、もう一回経験させてもらったときに『めっちゃ楽しかったんや、この作業』と思いました。今までやって来たことがあったから、今日も獲れたんだと思います。初代MVPをいただけるという結末に結び付いてよかったです」と語った。

一方、昨年までR-1で共に戦ったおいでやす小田とこがけんは、「M-1グランプリ2020」をきっかけに“おいでやすこが”としてブレーク。そのことに対して、ヒューマン中村は「小田さんが11年目以上のR-1戦士の代表みたいな顔をしているんですけれども、『いや、お前一人じゃないからな』と(笑)。M-1には僕は出ていないですし、売れていってすごいなと思います。小田さんは、僕がピン芸人になりたての時からずっと切磋琢磨してきたので、今の活躍は本当にうれしいです。ただR-1に関しては、代表では…という気持ちがあるので、“俺もここにいるぞ”という思いで今日は絶対獲りたかったんです」と、R-1へ懸けてきた思いの強さを明かした。

自身の今後については、「ネタをずっとやり続けたいので、自分の単独ライブを大きくしていきたいです。全国を回ったりとか、大きいハコ(会場)を満席にして公演する芸人になりたいです。そのためにも、こういう賞が必要だったのかなと思います」と目標を語った。

3月7日(日)には、芸歴10年以下の芸人が出場する「U-NEXT R-1グランプリ2021」決勝が開催される。

ヒューマン中村は、「今まで決勝には行けたのですが、決勝で勝つ経験はしていないので、僕から言えることは何もないです(笑)」と謙虚になりながらも、「決勝が初めての人は緊張すると思いますけれども、自分が今まで出た中で一番やりやすかった劇場だと思ってやってください」とアドバイス。

続けて、「我々が出られなくなったんですけど、もっと盛り上げるためにリニューアルされて、(ファイナリストたちは)我々のしかばねの上に立っているので、盛り上がってくれないと死に損じゃないですか。だから盛り上がってほしいし、選ばれた時点で面白いのは確定しているので、優勝を目指して頑張ってほしいです」とエールを送った。