古舘寛治と滝藤賢一が兄弟役でW主演を務めるドラマ24「コタキ兄弟と四苦八苦」(毎週金曜深夜0:12-0:52ほか、テレビ東京ほか)。脚本・野木亜紀子、監督・山下敦弘という、ドラマ界&映画界きっての鬼才が集う作品だけに、各話ゲストにもこれまで市川実日子、岸井ゆきの、樋口可南子らツウ好みの役者陣が登場し華を添えてきてきた。

 そんななか、2月14日(金)深夜放送の第6話では、オダギリジョーの初監督映画「ある船頭の話」(2019年)のヒロイン役でも注目された川島鈴遥が、「レンタルおじさん」業を営むコタキ兄弟に新たな依頼人として登場する。撮影を終えた彼女にインタビュー!

――「ある船頭の話」では演技レッスンをみっちり受けられたとのことでしたが、結果、みごと高崎映画祭で最優秀新人女優賞を受賞され、おめでとうございます。今回の「コタキ兄弟と四苦八苦」では同作から学んだこと、活かせたことはありますか?

ありがとうございます。そうですね、「ある船頭の話」では演技レッスンと撮影で半年くらいかけていただきました。「感覚を研ぎ澄ます」ことがレッスンのテーマだったので、演じた役の辛い状況が自分のなかに入ってきて、苦しくなって涙を流すことも多かったのですが、感情の切り替え方を監督に教えていただいたこともあって、撮影で全て出し切って宿に帰ると「ああ、楽しかったな」と思えたんです。その感覚を忘れないでおこう、と強く思いました。だから今回の「コタキ兄弟−」の撮影でも、慣れない…苦手なことがあったのですが、100%出し切って、楽しめたと思っています。

――慣れないこととは…ひょっとして英語のセリフですか? 演じられた少女・ハナは、兄・一路(古舘)に、英語の宿題について相談する役ですよね?

そうなんです! 英語、そんなに得意じゃなくて(笑)。古舘さんは英語がお得意な方なので、スタッフさんからは「古舘さんを驚かすくらいの感じで」って言われて、指導の先生に発音を教わりながら頑張りました。本番前に古舘さんが一緒に練習してくださったので、何とかいけたかな、と思います。ただ1箇所だけ、英語の単語1コ抜けた状態で覚えてしまっていたセリフがあって、本番直前になって先生に指摘され、緊張と焦りでいっぱいになっていたんですが、そんな時も古舘さんは「ゆっくりでいいからね、大丈夫」って励ましてくださったので、乗り切れました!

――現場の雰囲気はいかがでした?

作品そのままの雰囲気が現場にも漂っていて、温かく、どこかほっこりする空気感がありましたね。古舘さんと滝藤さん、お2人とも本当に役そのままみたいで、演技されている感覚がないんですよね。私も役としてお話しする場面が、本当に素で話しているような感覚に陥りました。本当は英語のセリフがあるので緊張してはいたんですが、山下敦弘監督も、「こんな感じで」とご説明くださった後は、あたたか〜く見守ってくださったので、安心して挑めました。

――山下監督の演出で独特なことはありましたか?

監督は空気感を大切にされる方で、モニターは見ずに「間近で見たい」と、必ずカメラよりも役者に近い位置にいらっしゃるんです。でも、「自分がここにいたら役者が緊張するんだろうな」って分かっていらっしゃるのか、必ず台本でご自分の顔を隠して、目だけちょこんと出されているのが面白かったです(笑)。

――川島さんは、小学校3年生からお仕事を始めて、17歳の今は10年選手という若きベテランなんですよね。この業界に入ったキッカケは何だったんですか?

おばと事務所のスタッフさんが知り合いで、私のことを紹介してくれたのがきっかけでした。何も考えずに飛び込んだので、中学1年生くらいまでは、お仕事のある日だけ実家のある栃木から東京に出かけて、終わったらまた栃木に帰るという移動の多さから、お仕事での楽しさを見出だせずにいました。そんなとき、Huluで尾野真千子さんと「フジコ」(2015年)というドラマで共演させていただいて、尾野さんのお芝居を間近で見て、「もっともっと(演技力を)高めていきたいな」と思うようになりました。

――現在高校3年生。同世代は受験や就職など、進路に悩む時期ですが?

実は、お仕事も頑張りながらですが、大学に行こうと思っています。小学校の時は両立するのが嫌だったけど(笑)、今はやっぱりいろんな体験をして、友達やいろんな価値観にふれたりしておいたほうが絶対、演技の引き出しにもなるだろうって、周囲の方々にもいっぱい意見を聞いて決めました。

――今は高校卒業前の小休止ですね。空いた時間にハマっていることなどは?

やっぱり、劇場やDVDでなるべく映画を観ようと思っています。いちばん好きな作品は「ヒメアノ〜ル」(2016年)で、森田剛さんが殺人を犯すときのお芝居が本当にすごくて、あんな役を私も演じてみたいな〜って思っているんです。どんな台本から、どういう気持ちで表現しての演技だったのかな、とか気になるんです。ほかにも「この人のお芝居がいいよ」って聞いた作品は大体観るようにしています。

――将来的にはこんな女優さんになりたい、などの理想像はありますか?

満島ひかりさんや、「八日目の蝉」での井上真央さんとか、立っているだけで役のバックボーンが見えるような、そんな存在感あるお芝居ができるような人になりたいですね。

※古舘寛治の舘は舎に官が正式表記(ザテレビジョン・取材・文=magbug)