日向坂46にとって初めてのドキュメンタリー映画「3年目のデビュー」が完成した。

2019年2月に「けやき坂46(ひらがなけやき)」から改名し、1stシングル「キュン」が発売初週で47万枚を売り上げるなど華々しいデビューを飾った日向坂46。しかし、先輩グループ・欅坂46の存在感に圧倒されながら、自分たちのアイデンティティーを模索し続けた「けやき坂46」としての3年間があった。さらに、改名という大きな変化をきっかけに2度目のスタートを切った裏側で、彼女たちは大きな壁を乗り越えようと必死になっていた――。

そんな輝きと苦悩が交錯する記録を、彼女たちの日々の活動に密着してきたドキュメンタリー番組「セルフ Documentary of 日向坂46」(TBSチャンネル1)チームの手によって映画化。

3月27日(金)の予定だった公開は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期となったが、完成した作品について潮紗理菜、齊藤京子、佐々木美玲の3人に話を聞いた。

■ 佐々木美玲「全てを見てもらえたらうれしい」

――まずは映画決定を聞いた時の心境から教えてください。

潮:私たちの今までの歴史というか、道のりが映画を通してたくさんの方に知っていただけると思ったら、本当にうれしかったです。

齊藤:私もすごくうれしかったです。自分が映画に出るというのが考えられないので、(公開が)とても楽しみです。

佐々木:乃木坂46さんのドキュメンタリー映画を見て、すごく感動したので、日向坂46のドキュメンタリー映画も楽しみだなと思いました。

――グループ結成時から表舞台だけでなく、裏側でもカメラがすっと回っていたんですよね?

潮:どの現場でも密着していただいて、ご飯を食べている時もカメラが回っているくらい、本当にたくさんたくさん私たちを撮ってくださっていました。本当にありのままの私たちが、映画の中で描かれているんじゃないかなと思います。

齊藤:今でもいつも回していただいているんですけど、加入した日からずっと回っていたので、しっかりと私たちの物語になっているんじゃないかなって思います。

佐々木:自分が忘れてしまっていたことも、この映画の予告編を見ただけで「こういうことがあったな」など思い出すこともありました。自分が通った道というか、経験したことを映像で残していただいているので、全てを見てもらえたらうれしいです。

■ 齊藤京子「バンジージャンプが一番つらかった」

――予告編を見ると、つらかったことも多かったようですね。

佐々木:もちろんつらいこともありますけど、それより楽しいことの方が多いから、みんな頑張れているんだなと思います。

潮:うん。本当に山あり谷ありって感じで、いろいろなことを経験した分、それだけ強くなれるし、当たり前のことにも感謝をできるようにもなると思うので。あの時があったからこそ学べたり、今があると思っています。

齊藤:ステージではない場所で頑張っているところや苦労しているところ、泣いているところやつらかったところなど、全部ひっくるめて日向坂46なので、そういうところを見ていただきたいです。

――日向坂46はデビューした年に「NHK紅白歌合戦」(NHK総合ほか)に出場したり、最速で東京ドームライブが決定したり。普通にニュースを見て、順風満帆なグループだと感じている人もいると思います。

潮:(順風満帆と)思ったことはないですね。日向坂46になってから知ってくださった方もたくさんいると思いますし、そういうふうに思っていただくこともあるのかもしれませんが、そこに関しては何も思わなかったです。

ただ、いろんなことがあってここまで来ましたということを知っていただきたいなという気持ちは、心のどこかにあったりもしました。なので、知っていただけるきっかけになるこの映画を、けやき坂46時代を知らない方にも見ていただきたいです。

齊藤:デビューの年に紅白さんとかレコ大さんに出させていただいて、すごいと思ってくださっている方もいると思います。でも、映画のタイトルの通りなんですけど、(活動開始から)3年目でのデビューだったので、それまでを知らない方は「え? こんな感じだったの?」と思うでしょうし、そこもぜひ見ていただきたいです。

佐々木:うーん、やっぱり日向坂46は笑顔という印象が大きいと思うんですけど、今まであまり見せてこなかった涙などもドキュメンタリーの中にはたくさんあるので、今まで見てもらったことのない姿を見せつつ、でもハッピーになれるドキュメンタリーになっているんじゃないかなって思います。

――その3年の中で、それぞれつらかったことや厳しかったこと、そしてうれしかったことを教えていただけますか。

齊藤:厳しかったことがバンジャージャンプ(2016年6月放送のテレビ東京系「ひらがな推し」)で、あれを超えるものがどうしても出てこないので…。申し訳ないんですけど、バンジージャンプが一番つらかったです。

うれしかったことは紅白です。紅白歌合戦はずっと憧れで夢のステージで、しかも12月31日ということで(デビュー年の)本当の集大成という感じで。最高の日でした。

佐々木:私もうれしかったのは紅白歌合戦です。でも、単独アルバム発表の時もすごくうれしくて泣いて、それとすごく迷いました。紅白歌合戦は毎年テレビで見ていたので、その日は今までと違う、すごく濃い一日を過ごしたんですよ。テレビで見てくださっている方も多いので、実家に帰るといろんな子から「紅白見たよ」って決まり文句のようにみんなから言われました。やっぱりすごいなって。

そして、一番つらかった…というわけじゃないですけど、私にとっては去年のデビュー1年目が、今までと環境が全然変わったので、それに付いていくのが必死だったなっていうのは、今感じます。

潮:すごく迷いますね。うれしかったことが本当にたくさんありすぎて一つとは言えないんですけど。紅白はもちろん、たくさんの音楽番組に出させていただいたことはアイドルになって(テレビ番組で歌うことは)夢だったのでうれしかったですし、冠番組をいただけたってことも、ライブをたくさんできたこともうれしかったです。

つらかったことと言えば、佐々木美玲も言った一年目です。いろんなことを経験させていただいて、自分とちゃんと向き合う時間が自然とできて、その中でいろんな壁にぶつかってしまって…。本当に本当に結構大きな壁にぶち当たったので、そこが一番つらかったかなって思います。

■ 長濱ねるは「すごく大きな存在」

――そんな3年間を振り返る中で、長濱ねるさん(欅坂46・けやき坂46兼任から2017年9月に欅坂46専任に。2019年7月、欅坂46を卒業)の存在は大きかったと思います。

佐々木:全てを教えてくれた感じがします。私たちにとって一つ先輩で、ながる(長濱)の一つ先輩が欅坂46さん。ねるちゃんがすごく優しくしてくれて、けやき坂46にとって長女みたいな存在。一つ先輩というよりは、もうちょっと近い存在だったので、礼儀やあいさつ、全てを教えていただきました。

なので、私たちも二期生が入ってきた時、ねるちゃんから教えてもらったことをそのまま伝えたりしたし、そういうところを教えてもらって良かったなって思います。

齊藤:ながるがいなかったらけやき坂46はないので、すごく大きな存在です。

潮:ねるちゃんがいなかったらけやき坂46はなかったし、けやき坂46がなかったら日向坂46もなかったので、やっぱりねるちゃんはそれぐらい大きな存在です。本当に優しくて、今の雰囲気があるのもねるちゃんがいたからなのかなって思ったりしますね。

最初の壁を壊してくれて、すごく活動しやすい環境を作ってくれたのも、ねるちゃんのおかげだなって思います。

――日向坂46は「絆の強さ」という印象があります。その辺りも長濱さんから受け継がれたことなのでしょうか?

潮:それはあると思います。でも、その後もいろんなことがあって、グループとして先が見えないとか真っ暗という状況だったんですね。なので、みんなで支え合ってこの状況を乗り越えようみたいな、一つ一つ向き合っていったのが、こうやって助け合えるグループになったのかなとは思います。

佐々木:私たちはオーディションでSHOWROOM審査というのがあったんです。みんな知らない人なのに、合格してから早く仲良くなることができて。そういう子が集まったのかなというのもありますが、仲良くなるのは早かったです。

それに、活動が始まってからは家族よりも長くメンバーと一緒にいるので、ぶつかったりすることもちょっとはありましたけど、今では気を使わずにいられるメンバーという感じです。

齊藤:オーディションでSHOWROOM審査というのが、私たちの時点で前代未聞のことだったと思うんです。オーディションでは全員がライバルのはずなのに、SHOWROOM審査となると「みんなで頑張りましょう」という雰囲気が生まれて。それがあったから、私たちはこういうグループになれたんじゃないかなって、今でも思います。

もし、SHOWROOM審査のない普通のオーディションだったらどうなっていたんだろう?ってくらい、あの審査が大きくて、そこで絆が生まれていたんだと思いますね。

――予告映像の中で、「日向坂で会いましょう」(毎週日曜深夜1:05-1:35、テレビ東京ほか)で共演されているオードリー・若林正恭さんが「日向坂46は雑草魂がある」と発言されていました。

潮:目の前にあることに全力で取り組むというところは、おっしゃっていただいた“雑草魂”につながる部分かなと思います。

――他に日向坂46の特徴を教えてください。

佐々木:メンバー同士で助け合っているなとは思います。やっぱり、それぞれ得意なこと、不得意なことがあるので。そこでも絆が生まれていると思うし、人数が多いグループだからこそ、そこも強みだなとも思います。

■ 潮紗理菜「見終わったら温かい気分になるような映画に」

――それではグループから少し離れて、個人としての目標を教えていただけますか?

潮:私はラジオや声優さん、ナレーションなど、声に関わるお仕事をいただくのが最大の夢です。元々は自分の声が大嫌いでコンプレックスだったんですけど、ファンの皆さんやメンバーのおかげでちょっと好きになることができたので、せっかくなのでそれを生かせたらうれしいなと思います。

齊藤:いろいろなバラエティー番組に出演したいなって思います。

――特に出てみたい番組はありますか?

齋藤:「A-Studio」(毎週金曜夜11:00-11:30、TBS系)さんに出てみたいです。でも、どの番組でも出演させていただけるのはうれしいので、一つ一つを大切にしたいなと思います。

佐々木:私は「DASADA」(毎週水曜夜0:59-1:29、日本テレビ)や「Re:Mind」(2017年10月〜12月、テレビ東京)などに出演して、演技がすごく楽しいなと思ったので、また演技にも挑戦できたらいいなって思います。

あとは(「non-no」で)専属モデルもやらせていただいているのですが、ファッションでもみんなが個々に頑張っているので、めちゃめちゃ先の夢ですけど、みんなが担当しているそれぞれの雑誌で、同時に表紙を飾れるような時がきたらいいなって。

潮:すご〜い!

――雑誌売場が日向坂46メンバーで埋まったら壮観ですね。

潮:夢だ。鳥肌が…。

佐々木:めちゃめちゃ夢ですけど、そういう時がきたらいいなと思っています。

――では、最後に読者へメッセージをお願いします。

潮:本当にたくさんの現場で密着していただいていたので、ありのままの私たちがこの映画の中にはあって、皆さんの知らない部分とかもたくさんあります。でも、見終わったらなんだか温かい気分になるような映画になっていると思うので、日向坂46になってから知ったよという方も、昔からずっと応援してくださっている方も、皆さんに見ていただきたいです。

齊藤:ライブやバラエティー番組などでの私たちの雰囲気ってあると思うんですけど、この映画では違う一面をたくさん見ていただくことができるので、ぜひ楽しみにしていてください。

佐々木:デビューして1年目ですけど、タイトルのようにその前にあった私たちの歴史というか、たどってきた道をちょっとでも知っていただけたらいいなと思うし、この映画を見てもっともっと日向坂46を応援したいという気持ちになっていただけたらいいなって思うし、そういう映画になっていると思います。

今年最後(12月6日[日]、7日[月])には東京ドームライブもあるので、ぜひ一緒に新しい思い出を作れたらいいなと思います。(ザテレビジョン)