昨年12月に東京・新宿角座にて開催された、紺野ぶるま10周年記念単独ライブ「新妻、お貸しします。〜90分ぽっきし 3000円〜」がDVD化。「新妻、お貸しします。〜ぽっきし税抜3000円〜」のタイトルで、3月25日(水)にリリースされる。

珠玉の一人コント8本に加え、タイトル通り“新妻”として芸人仲間の家事のお手伝いをする幕間VTRなど、ライブの模様を完全収録。さらには、十八番の「ち○こなぞかけ」を10分間で50本連発するという偉業(?)に挑戦する特典映像も収録した、充実の一作だ。

今回のインタビューでは、DVDに収録されているコントを解説してもらうほか、「ち○こなぞかけ」の誕生秘話などを語ってもらった。

「R-1ぐらんぷり」(フジテレビ系)や「女芸人No.1決定戦 THE W」(日本テレビ系)の常連ファイナリストながらも、いまだ栄冠をつかめていない彼女。そんな“無冠の女王”が自ら分析する、「紺野ぶるまが賞レースで優勝できない理由」とは――?

■ 「服を着てるのにアダルトDVDを連想させるお笑いライブのチラシって、なんか粋だなと思って」

――初めてのDVDのリリース、おめでとうございます。

紺野ぶるま:ありがとうございます!

――まず、アダルトDVD風のジャケットに驚かされました。

紺野:このジャケットは、実はライブのチラシとほぼ同じデザインで。そのチラシもDVDのパッケージ風になっていて、ちゃんと背表紙もあるんです。写真も、水着とかセクシーな衣装を着て撮ろうかなとも思ったんですけど、服を着てるのにアダルトDVDを連想させるお笑いライブのチラシっていうのが、下品といえば下品なんですけど(笑)、なんか粋だなと思って。で、こういうチラシを考えたときから、これが本当にDVDになったら超面白いなと思っていたので、夢がかなった感じでうれしいですね。

――本編のライブは、過去10年間のお気に入りのコントと初出しの新作コントで構成されていますが、特にお薦めのコントは?

紺野:全部お薦めなんですけど…強いて言うなら、去年の「(女芸人No.1決定戦) THE W」でも披露させていただいた「先生」ですかね。

――紺野さん扮する女性教師が、卒業式の日に、生徒たちに向かって「先生は働かずに生きていきたい!」と演説を始める、という問題作ですね(笑)。

紺野:実は「THE W」でやったとき、あんまりウケなかったんですよ(笑)。でも自分としては、本当にすごくいいネタだと思うので、DVDでもう一回見てほしいなって。

あと、「駅員」も気に入ってます。これは、今年の「R-1ぐらんぷり」の敗者復活戦でやったネタなんですけど、テレビではまだ一度も披露できてなくて。早くテレビでやりたいネタのひとつなんです。本当は1年前、去年の「R-1」で披露したかったんですけど、去年は決勝にも行けず、準決勝でスベっちゃいまして(笑)。でもその分、ブラッシュアップを続けてきたネタなので、かなり成熟していると思います。

――「駅員」をテレビで披露したら、(コントの舞台である)高崎の界隈でも盛り上がりそうですよね。

紺野:確かに。高崎駅から仕事来ないかなぁ、一日駅長とか(笑)。

■ 「今の自分が一番面白く作れるのは、同世代の女の人を主人公にしたネタだと思っています」

――今回のDVDでは、新作の「現代アート」と「オーディション」も含めて、すべてのコントで、ご自身と同じくらいの年齢の女性を演じていますよね。“等身大の女性”という主人公の設定は、意識されているんでしょうか。

紺野ぶるま:はい、意識してますし、今の自分が一番面白く作れるのは、同世代の女の人を主人公にしたネタだと思っていて。男性を演じるネタは、今までやったことがないし、苦手かもしれないですね。だから今後も、化粧も普通にして、髪も巻いて、女性として自然な感じで舞台に立ちたいです。だいたい、無理して演じてるのがバレると、痛々しくなりがちじゃないですか(笑)。私もデビュー1年目の頃は、ブルマを履いたり、カツラをかぶったりして、めっちゃ痛々しかったと思うんですけど、その痛々しさって、自分ではなかなか自覚できないんですよね。

――その「痛々しかった」時期があったからこそ、崖っぷちのアイドルが無理やりいろんなキャラを作ってオーディションに挑むというコント「オーディション」が生まれたのでしょうか?

紺野:そうですね。痛々しさと、あと、浅はかさと(笑)。

――これは、ご自身の経験に基づいて作ったネタですか? モデルがいるわけではない?

紺野:いえ、モデルはゴリゴリにいます(笑)。きっと本人が見たら、すぐバレて、ブチギレされると思います。でもまぁ芸能界には、こういう人はいっぱいいますので(笑)。

――また、ライブのエンディングでは、お客さんからお題をもらって、即興で“ち○こ”で解いていくという、おなじみの「ち○こなぞかけ」を披露されていますが、この日は不調だったようで、DVDの特典映像で“リベンジ”に挑戦しています。「ち○こなぞかけ」は、日によって好調、不調はあるものなんでしょうか?

紺野:めちゃくちゃありますね。基本、ち○こで解けないお題はないんですけど(笑)、それでも、解きやすいお題と、そうでもないお題があって。そこは運なんですよね。あと、緊張したり、逆に変なプライドを持っちゃったりすると、なかなかうまく行かないです。「これくらいのクオリティーでいいや」っていうくらいの気持ちで、瞬時に解くことを意識したほうが、出来がよくなる気がしますね。

■ 「初めてなぞかけをやったときに、ねづっちさんが『できるね、君。光ってるね』って(笑)」

――紺野さんの認知度を急上昇させた「ち○こなぞかけ」ですが、改めて、このネタが誕生した経緯を教えていただけますか。

紺野ぶるま:ねづっちさんがMCで、女芸人同士でなぞかけ対決をする、みたいなお笑いライブがあったんですね。そこで初めてなぞかけをやったときに、ねづっちさんから「できるね、君」って褒めていただいたんですよ、「光ってるね」って(笑)。

それがきっかけで、ねづっちさんの紹介で、コージー冨田さんが主催しているなぞかけライブに出演することになって。そのなぞかけライブは、1分半の間にどんどんお題が出て、低クオリティーでもいいからどんどん解いていく、という企画だったんですけど、私、すごい緊張しちゃって、「ハンガー」っていうお題が出たときに、思わず「『ち○こ』と解きます。その心は、どちらも『かけます』」って言っちゃったんですよ。それまで私、舞台上で「ち○こ」なんて言ったことなかったから(笑)、「しまった!」と思ったんですけど、すぐに客席からすごい拍手が起きて、「いいぞ、もっとやれ!」「もう全部『ち○こ』で解いてくれ!」みたいな空気になって(笑)。そこから「『手品』と掛けまして、『ち○こ』と解きます。その心は、どちらも『種を仕込みます』」「うわぁ〜!(拍手)」みたいな(笑)、そういう流れが出来上がっていったんです。最後はもう、スタンディングオベーションでした(笑)。

――最初からクオリティーは高かったんですね(笑)。

紺野:で、そのライブで優勝して、打ち上げでも褒められて。その帰り道、目に入ってくるものをどんどん「ち○こ」で解いていったら、全部解けたんですよ、しかも我ながら面白く(笑)。それで味を占めたといいますか。

ただ、そこから2年くらいは、「ち○こなぞかけ」はライブでしかやっていなくて、事務所にも隠れてやってたんです。でも、ねづっちさんが深夜番組で私のことを紹介してくれて、そこで一気に、ち○この仕事が増えました。

――(笑)。思いついたときの「整いました」ならぬ「芽吹きました」という決めゼリフは、仕事が増えだしてから考えたものなんですか?

紺野:そうですね、「ネタとしてパッケージ化したほうがいい」というアドバイスをいろんな方からいただいたので、「芽吹きました」というフレーズを考えて。あと、締めとして、「ありがとうございます」って言いながら、こうやって(服の上から)ブラを直すんですけど、それも「ねづっちです」(蝶ネクタイを触る動き)をパクらせていただきました(笑)。

――その後、ねづっちさんとの関係は?

紺野:ねづっちさんとは、「なぞかけーず」というユニットで一緒に活動もしてるんですけど、本当にめちゃくちゃ優しい方で。お会いするたびに「活躍がうれしいよ」「解けないものがあったら、いつでも連絡してね」って言ってくださるんですよ。「絶対に解こうとすると思い詰めちゃうから、解けなくてもいいやっていう気持ちでいたほうがいいよ」とか、ためになるアドバイスをくださったり。

――ねづっちさんは紺野さんの大恩人だったんですね。ちなみに、以前からラジオで紺野さんのことを高く評価している伊集院光さんも、恩人になりますか?

紺野:そうですね。私が「ち○こなぞかけ」を始めたとき、周りがちょっと引いてる感じがあったんですよ。スタッフの中にも、皮肉っぽく「下ネタ芸人、おつかれさまでーす」みたいなことを言う方がいたりして。でも、伊集院さんがある日ラジオで「紺野ぶるまは、すごく難しい芸事をやっている」と言ってくれて、その翌日から、急にみんなの態度が変わりました(笑)。伊集院さんもねづっちさんも、私にとっては大切な恩人ですね。

■ 「ピン芸人が『R-1』に出ると、“グゥ〜!”って力が入りすぎちゃう。その“グゥ〜!”は、見ているお客さんが引くんですよ」

――さて、今年の「R-1ぐらんぷり」では、敗者復活戦で3位という結果に終わり、残念ながら決勝へは進めませんでした。振り返ってみて、いかがでしたか?

紺野ぶるま:惜しかったですね。私、ほんとに3位でした? もっと上じゃなかったですか?(笑)…って思えるくらい、出来はよかったなとは思ってるんですけど。

――マヂカルラブリーの野田クリスタルさんが優勝、という結果については…?

紺野:敗者復活戦のメンバーと一緒に見てたんですが、やっぱり野田さんが一番ウケてましたし、私自身も「うわ〜、おもしろ!」ってなったので、全然納得です。ただ、ひとつ思ったのは…もともとコンビで活動している芸人さんにとっては、たぶん「R-1」って、一世一代の勝負を懸けた賞レースというわけではないですよね? でも逆に、それくらいニュートラルなスタンスの人だからこそ、優勝まで行くんだろうなって。その点、ピン芸人が「R-1」のステージに上がると、(両こぶしを握りしめて)「グゥ〜!」ってなっちゃうんですよ。

――力が入りすぎる、と。

紺野:はい。で、その「グゥ〜」は、見ているお客さんが引くんですよね(笑)。だから、野田さんだったり、すゑひろがりずの南條(庄助)さんくらい肩の力が抜けてる人のほうが、笑いやすいんだろうな…っていうことを、今大会で学びました。

――ネタの評価が高い紺野さんですが、「R-1ぐらんぷり」や「女芸人No.1決定戦 THE W」などの賞レースでは、いつも今一歩のところで優勝を逃しています。この現状については、どうとらえていますか。

紺野:不甲斐ない、の一言です。やっぱり、「グゥ〜」ってなっちゃってるんでしょうね。力が入りすぎているんだと思います、「絶対優勝するぞ!」って。

――ちなみに、ピン芸日本一を決める「R-1」と、女性芸人日本一を決める「THE W」と、出場する際のスタンスに何か違いはあるのでしょうか?

紺野:いえ、まったくないですね、少なくとも私にとっては。…あ、でも、予選の楽屋の雰囲気は、「THE W」のほうがちょっと怖いかも(笑)。みんな普通にしゃべってるんですけど、表情がいつもと少し違うというか、なんか固い感じはありますね。

――今後、賞レースでの優勝も大きな目標だと思いますが、そのほかに、芸人としての目標は?

紺野:今後もDVDは出していきたいですね。そのためにも、いいネタを作り続けたいです。

あとは、今度舞台に出させてもらうんですね(※パルコ・プロデュース「裏切りの街」5月31日[日]〜6月16日[火]、東京・新国立劇場 中劇場ほか)。これまで小劇場の舞台に2回ほど出演させていただいたことがあるんですけど、それをきっかけに自分でコントの台本を書けるようになったので、今回の舞台でもいろんな経験をさせてもらって、ネタにもフィードバックできたらいいなと思っています。

――では最後に、ひとつお願いがあるんですが、「ザテレビジョン」をお題に、「ち○こなぞかけ」を…。

紺野:ええ、全然いいですよ。えーっと…(※数十秒間、黙考)…あの、すみません、「レモン」に変えてもらってもいいですか?

――大丈夫です(笑)。逆にすみません。

紺野:はい、芽吹きました。「レモン」と掛けまして、「ち○こ」と解きます。その心はどちらも「ナマが一番いいでしょう」。

――(笑)。さすがです!

紺野:(ブラを直しながら)ありがとうございます、ありがとうございます(笑)。(ザテレビジョン)