アニメ「攻殻機動隊 SAC_2045」が4月23日からNetflixにて全世界独占配信中。

約10年ぶりに「攻殻機動隊S.A.C.」シリーズのキャストが集結した今作は、舞台を2045年に移し、草薙素子ら“公安9課”の全く新しい物語を迫力のサイバーアクションとともに描く、シリーズ初のフル3DCGアニメ。早くもシーズン2の制作も決定している。

全ての国家を震撼させる経済災害「全世界同時デフォルト」の発生と、AIの爆発的な進化により、計画的かつ持続可能な戦争“サスティナブル・ウォー”へと突入した世界。

内戦・紛争を渡り歩き、廃墟が横たわるアメリカ大陸西海岸において、全身義体のサイボーグ・草薙素子とバトーたち元・公安9課のメンバーは、傭兵部隊として腕を奮う。

そんな草薙率いる部隊の前に、“ポスト・ヒューマン”と呼ばれる驚異的な知能と身体能力を持つ存在が突如として出現。大国間の謀略渦巻く中、いま再び“攻殻機動隊”が組織される――。

今回、ザテレビジョンでは、メインキャストの田中敦子(草薙素子役)、大塚明夫(バトー役)、山寺宏一(トグサ役)の3人にメールインタビューを実施。「攻殻機動隊」シリーズに込めた思いや、最新作「攻殻機動隊 SAC_2045」の見どころ、また長年演じるキャラクターへの愛着などを語ってもらった。

■ 「攻殻機動隊」が愛される理由は、“みんなが草薙素子と恋に落ちた”から?

――いよいよアニメ「攻殻機動隊 SAC_2045」が配信開始となりましたが、約10年ぶりに役を演じることが決まった時の心境をお聞かせください。

田中敦子:歓喜、安堵、そしてプレッシャーです。

大塚明夫:うれしくてうれしくて、周りに言いふらしたくなりました。

山寺宏一:大好きな作品なので、とにかくうれしくてたまりませんでした。

新作が作られることは予想していましたが、自分たちがキャスティングされる保証はなかったのでなおさらです。

――テレビシリーズや劇場版、ハリウッドでも実写映画化され、今回Netflixでの新作が制作されたのも、多くのファンに愛されているからこそだと思いますが、「攻殻機動隊」シリーズが愛され続ける理由はどの辺りにあると思われますか?

田中:みんなが草薙素子と恋に落ちたのではないでしょうか(笑)。

大塚:面白いから!! そこ以外に理由があるのでしょうか…?

山寺:近未来を描いているが、現在われわれが直面しているさまざまな問題の本質を描いているところだと思います。

そこに、みんな大好き「刑事アクションもの」的な要素がたっぷり含まれているところも! そして、どの作品もストーリーと映像の完成度が高いからではないでしょうか。

■ 「公安9課」として変わったもの、変わらないもの

――ご自身が演じるキャラクターや周囲のキャラクター、また作品の世界観は、前作からどのように変化しましたか? また逆に、シリーズ一貫して変わらない部分は?

田中:私たちオリジナルメンバーが演じる以上、変化は感じませんでした。

強いて言えば、新しいキャラクターが登場することで、各々の役割が微妙に変わったかもしれません。

大塚:経験で人間が変化していくように、環境に応じて変化もあるでしょう。

変わらない部分は、私が演じているというところ。

山寺:トグサはメンバーと離れ、一人民間警備会社で働いていますが、そのスキルは衰えることはなく、逆に上がっていると感じました。

いつか少佐たちと、社会のために、己の信じる正義のために何かをしたいと一番ウズウズしていたのはトグサだと思います。離婚したのもその覚悟の現れでしょう。

他のメンバーは基本的に変わっていないと思いましたが、バトーは若干丸くなったような気が。トグサにグータッチしてきたりするし。タチコマだけじゃなく、プリンにもモテモテだから調子に乗ってるのかも(嫉妬を含む)。

――今回の新作も含めて、「攻殻機動隊」シリーズを演じられる際、他の作品にはない、特に気を付けている点や意識している点はありますか?

田中:義体感ですね。2Dアニメの時代は極力息づかいを排除してきましたが、3DCGになったことで、今作ではアクションシーンのみ息づかいを入れるようになりました。

大塚:キャラクターたちの共通体験というか、チームの歴史と互いの信頼関係でしょうか。

山寺:「他の作品にはない」という質問はなかなか難しいですが、なるべく「自然に」「普通に」というのを心がけています。

■ 素子、バトー、トグサ、それぞれのキャラクターの関係性

――長年演じられてきたキャラクターについて、最も共感できる部分は? また、「ここは共感できない」という部分がもしあれば、そちらもお聞かせください。

田中敦子:私は草薙素子に一番近く、その実、一番かけ離れた人間です。「共感」とは程遠く、あるのは「憧憬」だけでしょうか。

大塚明夫:その辺りは、ほぼ同化しちゃうのでよく分かりません。

山寺宏一:全て共感できます! 正義感が強いが人間味や生活感があり、迷ったり後悔することもしばしば。でも、人に(特に弱者に)優しい。そんな人に私はなりたい。

――草薙素子、バトー、トグサ、それぞれのキャラクター間の関係を、あえて一言で表現するなら?

田中:草薙素子とバトーの関係は「相棒以上恋人未満」。素子とトグサの関係は「部下以上相棒未満」。

大塚:バトーと素子の関係、バトーとトグサの関係、どちらも「きょうだい」。

山寺:トグサと素子は「理想かつ憧れの上司と部下」。トグサとバトーは「盟友的兄弟分」。

■ 「公安9課」キャストとの共演は幸福で、楽しくて、興奮

――約10年ぶりに集まったキャストたちとの共演はいかがでしたか? また、収録の際のエピソードなどがあれば、ぜひお教えください。

田中:心から信頼を寄せるプロ集団に囲まれて仕事ができる幸福感しかありません。

大塚:楽しかったです。心から楽しいと思いました。

山寺:しばらくぶりの人も、チョイチョイ会っている人もいましたが、また共演できたことがうれしく、誇らしくもありました。

それぞれのセリフを生で聞いた途端、「9課だ!」と興奮しました!

――今作はシリーズ初のフル3DCGアニメとして話題を集めていますが、映像的な見どころをお教えください。

田中:2Dアニメと実写との中間的位置づけとして大変興味深い映像です。今後もこうしてアニメーションの限界点を模索し続けていくのでしょう。

大塚:作品と3DCGとの相性が抜群だと思います。

山寺:とにかくリアルです! 背景や小物、タチコマを含むメカやクルマに関しては実写に感じるくらい。人物の動きもモーションキャプチャを使用しているだけあって、本当にきめ細かいです。

スタッフの皆さんのご努力に頭が下がります。モーションキャプチャのアクターの方々にも感謝です!

■ 「攻殻機動隊」の魅力、そして新シリーズのテーマ

――今作から、江崎プリン、スタンダードという二人の個性的な新キャラクターが登場します。彼らの存在は、公安9課にどのような影響を与えているのでしょうか?

田中敦子:清涼剤。二人なので二服でしょうか。

大塚明夫:刺激でしょうか。

山寺宏一:シリアスなシーンが多いこの作品。これまで笑わせてくれたり、ホッとさせてくれたのはタチコマだけでした。緊張を緩和してくれる貴重な存在だと思います。プリンはかわいい上に能力も高く、捜査にかなり貢献してますが、スタンは…いや、憎めない良いキャラです!(笑)

――「攻殻機動隊」は、近未来を描くSFでありながら、現代にも起こりうる問題をテーマにしているところも大きな魅力だと思います。今回の「攻殻機動隊 SAC_2045」を通じて、改めて考えさせられたことはありますか?

田中:問題提起は監督に、そしてそれをどう捉えるかは視聴者お一人お一人の感性に委ねたいと思います。

大塚:いろいろな正義の中で何を選択し行動するか、よくよく考えなければなと…。

山寺:第1話の冒頭から「サスティナブル・ウォー(持続可能戦争)」というワードが! 最近われわれが目にする「サスティナブル」は環境や平和のために使われているのに、この作品では真逆です。

しかも「自国の利だけを最優先した結果、世界は最悪の事態に」と続きます。まさに現代が抱える大きな問題ですよね。

新型コロナウイルスという人類の敵を倒すためにも「世界が力を合わせなければならない」と言われてはいますが、なかなか難しいという現実があるわけで…。

■ 山寺「(10年前と変わったのは)トグサと一緒で…」

――今作の舞台は2045年。シリーズ前作の「攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY」から約10年後となりますが、かなり世界が変わっていたように思えます。ご自身のプライベートで「10年前から変わったな」と思うことがあれば、お教えください。

山寺:トグサと一緒で離婚しました。と言わせたいのか!(苦笑)

――もし「攻殻機動隊」の世界が現実にあったとして、「電脳化」や「義体化」など、やってみたいことはありますか?

田中:見た目を変えずに義体化します。昔から、脳殻と生身の肉体とのギャップに苦しんでまいりましたので…。

大塚:電脳化したらコンピュータに強くなれるでしょうか…。

――ご自身が、声優として最も大事にされていることを教えてください。

田中:インスピレーションに導かれるまま、それを信じて演じること。

山寺:俺は別にギャラが欲しかったわけじゃない。だけど、自分が信じる「プロとしてベストを尽くす」という当たり前すぎる心構えには一点の曇りもなく演じてきたつもりだ。

■ 全世界が待ちわびた「攻殻機動隊 SAC_2045」、そして物語はシーズン2へ

――今回Netflixでの配信ということで、どんどん先が気になって一気見したくなるストーリー展開で、最後も気になる終わり方になっています。シーズン2の制作も発表されましたが、今後のシリーズ展開へ向けての意気込みをお聞かせください。

田中敦子:私たちも先の展開を伺っておりませんので、期待感でいっぱいです。

大塚明夫:皆様に楽しんでほしい気持ちでいっぱいです。

山寺宏一:一気見したくなる、一気見せざるを得なくなる作品です! Netflixさんありがとう! 僕も早くシーズン 2 が見たいです! あっ、まだ収録してなかった(笑)。

――では最後に、「攻殻機動隊 SAC_2045」を楽しみに待っていたファンの皆さんへ、メッセージをお願いします。

田中:神山(健治)・荒牧(伸志)両監督の下、オリジナルメンバーでの「攻殻機動隊」公安9課が戻ってまいります。25年もの間、全世界の皆様に愛され支持されてきた作品に、こうしてまた関われることを心から光栄に感じています。

新メンバーも加わった公安9課の活躍をどうぞお見逃しなく。

大塚:とにかく面白いから、まず見てください! そして物語を楽しんでください!

山寺:とてつもなく素晴らしい作品が出来上がりました! 皆さんに満足していただけること間違いなしです。

ただし、面白過ぎて一気見し、寝不足になるのだけが心配です。

今、一人一人が健康でいることが何より大切。充分な睡眠と、各話ごとのストレッチをお忘れなく!(ザテレビジョン)