「仮面ライダージオウ」(2018〜2019年、テレビ朝日系)で役者デビューし、ドラマ「恋はつづくよどこまでも」(2020年、TBS系)への出演で注目を集める若手俳優・渡邊圭祐。

6月26日にスタートした綾野剛&星野源W主演の「MIU404」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)では、自らを“特派員REC”と名乗る謎の男を演じる一方、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」で27日から独占配信されているParaviオリジナルドラマ「love distance」では、主人公に淡い恋心を抱くフォトグラファー役に挑戦している。

水川あさみ、清原翔らが出演する「love distance」は、“愛”と“キョリ”がテーマ。“withコロナの時代”という変わり続ける世の中で、同じマンションに暮らす男女6人の姿を通して、人との距離を意識せざるを得なくなった今だからこそ大切にしたい心の距離を描いた作品だ。

結婚3年目となる仲良し夫婦の美和(水川)と彰(清原)、フォトグラファーの千秋(渡邊)、元恋人同士のアンナ(馬場ふみか)とミナト(板垣瑞生)にショウ(中尾暢樹)が加入した動画配信チャンネル「アンミナチャンネル」で人気のNewTuber3人組が、さまざまな恋愛を繰り広げていく。

24歳で役者デビューしてから約2年足らず。出演作が続き、勢いに乗る渡邊は自身をどう見詰めているのだろうか。コロナ禍で生まれた「love distance」という作品への思いや演じた役、StayHome期間中に始めたことと合わせて聞いた。

――本作は、自粛やとどまることを余儀なくされた毎日から、新しい価値観に則った新たな生活を前向きに捉えたストーリーですが、最初にお話を聞いた時はどう思いましたか?

内容を聞いた時、今だからこそできるし、今だからこそダイレクトに伝わるのかなと感じました。まだ人との距離は保たないといけない世の中ですが、距離があるからこそ、人とのつながりの大切さを感じられるということを伝えられるかと。

何か始めようとしている人や悩んでる人の背中を少しでも押せるような作品です。

――今回演じる千秋はどのような役? ご自身に共通する部分などはありますか?

千秋はすごくポジティブな人間です。コロナの影響で仕事ができなくても塞ぎこまず、今の自分にできることを見つけ、屋上やベランダから空を撮っていて。

そして、それが美和への恋愛に発展していくんです。僕もすごくポジティブなので、そのマインドは似ているかもしれないです。

――千秋は、美和が結婚しているので「見守る」という恋のスタンスを取りますね。

そうですね。あれが千秋の精いっぱいの積極性なのかなと。コロナ禍の今は、物理的に距離を取らないといけないけど、美和には相手がいるので倫理的にも距離を取らないといけない。

千秋はそういうところの線引きをしっかりしていると思います。かなわないと分かりながらも抱く恋心に、共感してくれる人も多いのではないでしょうか。

――主演の水川さんとは初共演でしたが、どんな印象を持たれましたか?

水川さんは、本当に明るくてステキな方でした。スタッフさんやキャストの皆さん、全員を巻き込んで、自分のペースで歩んでいくのがすごくお上手で。もっと近い距離でお話してみたかったです。

――清原さん、馬場さん、板垣さん、中尾さんと共演されてみて、印象をお聞かせください。

清原さんとは以前、別のドラマでご一緒しましたが、今回も前回に続いて同じシーンがなくて。なので、「次は絡みのある共演をしたいね」と現場で話していました。

板垣くんは若くて元気。馬場さんは年齢が近くてすごくお話しやすかったですし、中尾くんとは「飲みに行こう」という話をして。短い期間でしたが、しっかりコミュニケーションが取れたので、良かったですね。

外出自粛を経て久しぶりに人と話したということもあり、現場はすごく楽しくて。距離を保ちながらでも、人と面と向かって話すことはものすごく大切だとあらためて実感しました。

■ 近かったことで気付かなかったことが見えることも

――StayHome期間の前と後で、人との距離感や付き合い方に関して意識は変わりましたか? 

近くにいること、遠くにいること、両方良い部分があると思いました。

近ければ、心が通じ合うスピードは早いのかもしれないし、見えるところもあるかもしれない。でも、距離があることで一歩引いて見ることもでき、近かったことで気付かなかったことが見えることもある。

最近は外出自粛生活で人との距離が遠かったからこそ、近い方がいいと思いますが、近かった時に遠い方がいいなという考え方はなかった。なので、仲が良い関係性でも一歩外からも見てみようという考え方を持てるようになりました。

――今作の撮影は、10日間かつ夜の稼働なし、また最小人数でソーシャルディスタンスを保つなど、新型コロナウイルスの感染予防を徹底して行われたそうですが、新たな状況の中での撮影はいかがでしたか?

スタッフさんがすごく大変だと思いました。僕らは、本番はフェイスカバーやマスクを外したりしますが、例えばカメラマンさんは重い物を持ちながら、役者に気を使い、マスクを二重にして、フェイスカバーや手袋をしていて、ものすごく暑いはずなんです。

そういうところを見ていると、僕自身は大変だなと感じることはなくて、その中でよいものを生み出せるよう頑張るしかないと思っています。

――今作で特に印象的なシーンを教えてください。

劇中で、千秋が思わず美和さんを撮るシーンがありますが、花のあるベランダでの水川さんの空気感が本当に素晴らしくて。水川さんは人柄があふれていて、思わず撮りたくなってしまう人なんですよ。

千秋視点の美和のシーンだけを集めて作ってもいいと思うくらい、すごくステキな画なので、そこはぜひ見てほしい。僕と同じ気持ちを味わってほしいです(笑)。

――撮影の合間に、カメラで撮影することもありましたか?

そうですね。500枚くらい撮っていて、いい写真がたくさん撮れました(笑)。僕は、思い出は心に留めておこうと思うタイプなので、普段は携帯のカメラで撮る習慣などもなかったんですけど、自粛期間中にたまたまフィルムカメラを始めていたんです。

なのでこの役がきたのも、運命的な流れを感じていて。最近は写真を撮るようになりましたね。

フィルムカメラは昔、TOPCONという1950年代のビンテージのものを買っていて。友達と旅行に行った時に、そのカメラでたくさん撮影したのですが、フィルムの取り出し方が分からず、フィルムをちぎってしまって…。

それでダメだと思い使わなくなっていたのですが、外出自粛中、散歩がてら何かできないかと再び持ち始めて、路地などを撮影していました。

――StayHome中は他にどんなことをされていたのですか?

この期間が明けた後のことを考えていました。まとまった休みが取れる期間はなかなかないと思ったので、準備期間にしたくて。何かにつながればと、見られていなかった作品を見たり、活舌が悪くならないように発声練習をしたり。

あと、それまでは全くしていなかった料理もするようになりましたね。“ハンサム”というアミューズの若手俳優によるユニットでリモートライブをした時の待ち時間に、料理上手の石賀和輝くんに鶏の胸肉を煮込んだらいいと教えてもらって。

吹きこぼしたけど、おいしくできました。けど、仕事が始まってからはほとんどやれていないです(苦笑)。

■ 「恋つづ」出演で変化

――人気ドラマ「恋はつづくよどこまでも」に出演したことで、周囲の変化は感じましたか?

社会現象になっていたこともあり、僕のことを知ってくれている方が増えたと思う出来事が多々あって。作品の影響力をすごく感じました。

それまでは「仮面ライダージオウ」の印象しかなかったので、お子さんを連れているお父さんやお母さんから声をかけられることがありましたが、「恋つづ」に出てからは20代の人から声をかけていただけるようになりましたね。

――同世代の方との共演が多かった「仮面ライダージオウ」から、「恋はつづくよどこまでも」や「love distance」では先輩の役者さんと共演も増え、学ぶことも多かったと思います。役者として得たものはありますか?

台本の理解度が深くなったと思います。佐藤健さんや上白石萌音さん、水川さんなど、役へのイメージの深さの次元が全然違って、僕が考えているよりもっと深い部分で役のイメージを膨らまされていて。

表面的な理解だけではなく、もっと飛躍させていかないといけないと学びましたし、皆さんの役への真摯(しんし)な向き合い方にすごく刺激を受けました。

――コロナ禍でエンタメ業界も変わってきていますが、下半期に期待していることや、渡邉さんが挑戦してみたいことはありますか?

僕自身、自粛中にエンタメにすごく救われて。Paraviなどでドラマや映画などをすごく見ていましたが、中でもYouTubeで芸人さんのチャンネルを見ることが多くて。

昔からバナナマンさんの「バナナTV」が好きでそれを見返したり、アキナさんの「アキナのアキナいチャンネル」を見たりして、声を出して笑っていました(笑)。

仲の良さが伝わってくるコンビがすごく好きなんです。笑うと元気になれるじゃないですか? すごく大事なことだと思いますね。

僕個人としては、もっといろんな方の考え方を純粋に知りたいので、オンラインを通じて、応援してくださる方と1対1でお話が出来る場が設けられたらと考えています。

――最後に今後の目標を教えてください。

今26歳なので、若手のくくりでいうと年齢が高い方で…。事務所が同じで会う機会も多い神木隆之介くんは、同じ年だけどもう芸歴25年。

なので人よりスタートが遅い分、いろいろな役に挑戦してさまざまな経験を積み、神木くんみたいになりたいです。

実は、神木くんがこの前開設したYouTubeチャンネルの企画で、僕の名前をたくさん出してくれて。なので、今度は僕が神木くんの名前を出す番なのかなと思って(笑)。

いつか神木くんとお芝居の中で共演できたらうれしいです。

※本文内タイトル「love」と「love distance」の間、正しくは双方向矢印が入ります。(ザテレビジョン・取材・文=高山美穂)