「大丈夫そ?」

いくらライブのTPDといえど、ここまで実践と遠ざかり、“StayHome期間”を経た後では月末のスマホくらいパフォーマンスが落ちるんじゃないか…と思っていたが、そんな心配など、キュン…いや、違う。杞憂(きゆう)に終わった。それこそ、画面から飛び出さんばかりの弾けるパフォーマンスを見せてくれた。

6人組ガールズグループ・東京パフォーマンスドール(通称:TPD)が、6月30日に無観客スペシャルライブ 「ダンスサミット2020 〜NO LIVE, NO TPD.〜」を実施し、SHOWROOMにて配信した。普段は現場優先主義のWEBサイト「ザテレビジョン」も、今回ばかりは“おうちでパフォーマンスドール”状態で視聴。あふれる思いは自粛しない形のオリジナルライブリポートを送る。

2020年は新生・東京パフォーマンスドールにとって結成7周年、そして先代の東京パフォーマンスドールが誕生して30年という大きな節目の年。年始早々のワンマンライブの舞台に、結成当初からお世話になっている東京・渋谷のCBGKシブゲキ!!を選んだのも、あらためて初心に帰り、そして大きなステージへと羽ばたくための布石だった…はず。

しかし、口にするのも忌々しい新型コロナウイルスのせいで仕切り直す必要が出て、6月に先代メンバーも交えて行う予定だったアニバーサリーライブも延期に。その鬱憤を晴らすステージとして、上半期最後の日に、TPDメンバー6人がそろって元気な姿を見せてくれた。

ライブは、StayHome期間、ある意味彼女たちの主戦場だったと言っても過言ではないSHOWROOMで生配信。開演3時間前から空間をオープンすると、待ちきれないファンの方の熱気がアバター越しから伝わってくる。

そして夜8時になり、いよいよライブがスタート。リモートあるあるの回線トラブルでアワアワしているところに、堂々とした強いまなざしのメンバーが新衣装を身にまとって入ってきた。

1曲目は「Stay Gold」。それぞれブランクを埋めるかのごとく、たまりにたまった“パフォーマンス欲”を爆発させ、ダンスを決めていく。

ブランク? StayHomeだから? いやいや、私たちはずっと輝きを放っていたわよ、と言わんばかりの白の集団によるパフォーマンスが画面からあふれていた。

相変わらず発音の良い高嶋菜七の「ダンスサミット2020 〜NO LIVE, NO TPD.〜 楽しんでいきましょう!」という掛け声から、流れるように2曲目へスイッチし、「ダイヤモンドは傷つかない -Rearranged ver.-」。

ファンだけでなく、もちろんメンバーもこの日を楽しみにしていたんだな、というのが伝わるブリリアントな笑顔。おなじみのソロパートの後のメンバー名コールのところも、当然声は聞こえなくても、コールは届いていそうなメンバーの表情と、ファンのコメントのアンサンブルは見事だった。

息ピッタリだな、と思いながら眺めていると3曲目に「純愛カオス」で、さらに画面へ引き込む。新衣装の洗練されたホワイトはこの曲にもピッタリ。自粛中、「振りとか忘れてそう〜」「ダンスが不安」と言っていたメンバーもいたような気がするが、本気でつかんだ情熱は逃げないのと同じで、本気で覚えた振りは“絶対に!”忘れないんだな、ということが感じられる6人の動き。

“三密”を避けてこんなにも濃密なひとときが味わえるなんて、配信ライブも悪くないなと、弱まる電波と戦いながら感激していると、続いてこちらも盛り上がり曲の「HEART WAVES」だ。

いつの間にかメンバー中もっともショートになっていた“ニューヘア”浜崎香帆が「皆さんお久しぶりでーす! お元気してましたか〜?今日は最後まで一緒に楽しんでいきましょう!」と元気いっぱいの言葉から、“高値安定”の爽やかボイスで歌い出しをバッチリ決め、中トロコンビの無邪気日本代表・脇あかりへと滑らかにつないでいく。

曲中にはメンバーが「みんな〜もっと声出して〜!」「もっともっといけるでしょ〜?」「みんなー!かも〜ん!」「…届いた!ありがとう〜」という、目の前にファンがいるかのように“コール&レスポンス”を決め、どんどん熱気が増していく。

次に2019年6月リリースの「SUPER DUPER」。浜崎香帆&脇あかりコンビが振り付けを担当したこともあり、キュートな振りに目を奪われがちだが、メンバー六人六色の声が楽しめる曲でもある。歌詞にも元気になれるメッセージがたくさん詰まっており、これを聞くだけで前向きな気持ちになる人も多いのではなかろうか。

そうこうしていると、おなじみのチャイムチックなイントロが流れてきて、一瞬、もう終わり?と焦った「SHINY LADY」へ。SHINY LADYの“前口上”といえば脇っちゃ!、と言ったか言わないか、「この日をすごく楽しみにしていました。この曲で一つになりたいです…SHINY LADY」という言葉から、ブランクという言葉は恐らく辞書にない高嶋菜七の歌い出し。

世の中は変わってしまったけれど、奇跡の6人組は不変だな、と思わせるオチサビ、間奏ダンス、ラスサビの上がりっぷり。

ライブのTPDと言われるけど、それは単にスキルの話だけではない。心を揺さぶるエモーショナルな歌やパフォーマンスがあるからこそ、見る者に唯一無二のときめきを与えてくれるのだな、というのが早くも十二分に伝わってくる。“ドール”だからといって、感情のないきれいなお人形がただ振りを完璧にこなしているだけ、じゃない。

一区切りのためのシャイニーだったのか、珍しくここでMCへ。高嶋の「配信をご覧の皆さま、本日は東京パフォーマンスドール『ダンスサミット2020 〜NO LIVE, NO TPD.〜』をご覧いただき、ありがとうございます!」というあいさつから、「今回初めてのこういう形でのライブとなりましたが、いまそれぞれの皆さんのおうちで見てくれているんですかね? 見てくれていますか〜?」という呼び掛け、6人そろって表舞台に出るのは久しぶりという話、新衣装の話などをトーク。

さらに、SHOWROOMライブならではのコメントチェックもあり、ファンとの“交流”を楽しんだ。

そして、高嶋の「次に歌わせていただく曲は、6月11日に配信されたばかりの私たちの新曲『eyes』という曲なんですけども、この曲は、私たちのまなざしというものがメインで歌詞にも入っていて、応援してくださる皆さんが私たちを見てくださるまなざしだったり、ライブ中に私たちが皆さんを見るまなざしだったり、いろいろな意味が込められています。この曲は私たちにとって久々の応援歌。結構しんみり系が多かったよね?最近…」と同意を求めると、「ううん」と即否定される“お約束感”もありつつ、「皆さんの背中を押す曲となっていますので、初披露なので緊張しますが、ぜひ見てみてください」とまとめ、“7”曲目に「eyes」を持ってきた。

リリック&フォトビデオは公開されているが、ライブではもちろん初披露。疾走感あるメロディーに加え、全身を伸びやかに使ったエレガントな振りや手足を細かく使った難度高めなダンスに見とれていると、節々に力強さを乗せてくる歌声。ファンの方も思ったに違いないが、早く生で見てみたい、と貧乏ゆすりが止まらず、隣の部屋からドンドンされたのは言うまでもない。

続いて8曲目にはこちらもファン人気の高い楽曲「TRICK U」。新衣装の上着を脱ぎ捨て、TPDちゃんたちがTPDさんになって色っぽくパフォーマンス。特に、林希先生いわく「ミュージカル女優感が出てきた」という、“SRギフトリアクションの女神”こと橘二葉のボーカル&妖艶な表現が光ったし、自宅からのカラオケ配信でもファンを圧倒するディーバ・高嶋のオチサビももちろん光っていた。

そこから畳み掛けるように“マイユニ”こと「MY UNIVERSE」へ。ずいぶんと久しぶりに聞いた気がするこの曲、歌い出しの脇の低音から、強弱ついた浜崎&上西コンビのハモリ、間奏ダンスはずっとぼんやり眺めていたいほど魅力的で好きだ。

■ 高速ラップのあの曲へ!

続いて「後半戦もまだまだ声出す準備、できてますか〜?」という高嶋菜七のシャウトから、「FREEDOM」へ。

女優としての幅広いチャレンジを経て表現力に磨きがかかった“いさき”こと櫻井紗季をはじめ、TPDのラップポテンシャルの高さを見せる曲調のカッコよさもさることながら、バックグラウンド映像も近未来感があり、6人の新衣装とピッタリ合って美しい空間が広がっていた。

さらに、イントロから揺るぎなき“絶対王者感”を出してくる「TIME」。配信ライブなのに画面から飛び出してきそうな躍動感のある速歩き、余計なあおりはなくとも、「付いてきて」と背中で語るかのような職人芸的パフォーマンスを見せれば、浜崎の「ラストスパート、まだまだ盛り上がっていくぞ〜!」の絶叫から、「SURVIVAL!!」をこれまたダイナミックな振りとともに繰り広げた。

目の前にお客さんがいないって、演者側もモチベーションを保つのが大変なのだろうなと思いきや、よりよいものを限界を超えて、それこそ全身全霊で伝えるんだという熱気が感じられた。

それは、次の曲に“タオル曲”「Are you with me??」をもってきたことからも明らか。「みんな〜、タオル用意してくれたかな〜? タオル一緒に振り回そう〜!」というSEIRA様からの圧…いや、お言葉もあり、慌てて用意した人も中にはいそうだが、恐らくそれぞれの場所でタオルを振り回したであろうファンと、その思いを受け取ったメンバーの一体感。

そして一体となったところで本編ラストにデビュー曲の「BRAND NEW STORY」を披露した。この曲を聞くといつも感傷に浸りがちだが、小さな悩みなんかもうどうでもいい、この時間がいつまでも続けばいい、という思いがこみ上げたところで本編が終了。

アンコールは、もちろんSHOWROOMならではコメント、ギフトで。コメント欄の一体感もすてきだなあ、と眺めていると、みんな待ってた「Starship Flight」をアンコール1曲目に。焦らすよねえ〜。

この歌、歌もそうだけど、振りもめちゃめちゃカッコいい。メンバーが横一列に並んで「パ〜パパヤ〜」するところとか、いつの間にか一緒に手を動かしていたわ。

あと、TPDの風神雷神こと高嶋&浜崎が歌唱力を見せつける、終盤のツインボーカルも素晴らしい。ノーガードの打ち合いのように力いっぱい声を重ねるというのも攻めるよなあ。聞こえるはずないのに、大歓声と拍手が聞こえてきたもんなあ。

最後のMCでは、ギフトのミラーボールに喜んだり、コメントを読んだりして、「ありがとう!うれしい!」と声をそろえた。

そして高嶋は「今日は久々のライブということで、本当はみんなが一緒に見られていたらアレだったけど、それぞれのおうちでね、新しい形のライブということで。みんなのおうちにコンコン(ノック)って届けたんですけど、気持ちを。届いてますか〜?」と問い掛けると、ファンから「届いてるよ!」というコメントのお返しが。

また、「今この状況をいち早く打破して、みんなで楽しいライブをできるように、頑張っていきたいなと思いますので、これからもTPDのことをよろしくお願いいたします!」とあいさつし、「私たち6人とも超超元気なので、まだまだ見ている皆さん、ラスト1曲、私たちと盛り上がってくれますか〜!?」と呼び掛け、本当のラストソング「Hey, Girls!」へ。

イントロが流れ、櫻井の「このライブを見てくださっている皆さんに早く会えますように、一緒にこぶしを挙げて、声出して、最後まで楽しんでいってくださ〜い!」という言葉から、いよいよ上半期の“パフォーマンス納め”へ。

じょにーのカメラ目線指差しや、脇の満面の笑みでのマイク向け、オチサビマエストロ・浜崎のオチサビに高嶋が呼応するシーン、いさきのぴょんぴょんスマイルに二葉のバキバキダンス、最後は「ありがとう〜!」の声とともに曲が終了した。

曲終わりには、左右のカメラ(の先のファン)に向かって全員で感謝の気持ちを伝え、ラストに中央のカメラへ向けて「せーの、はいチーズ!」で終幕。

終わってからも、ファンの感謝の声や興奮の声、ダブルアンコールを待つコメントから「さあ特典会ですね」というお約束の小ボケなどがありつつ、配信が終了した。

ここまで3カ月近くTPDが熱心に取り組んできた、“おうちでパフォーマンスドール“の集大成ともいうべき今回のライブ。

「もう世界は“コロナ以前”には戻れないかもしれない」となどと言われるが、たとえソーシャルディスタンスでも、目の前にいなくても、どんな場所でどんなデバイスで見ていたとしても、こんなにも熱い時間を共有することができることは証明された。

もちろんメンバーだってファンの前でパフォーマンスをしたいはずだし、ファンも気兼ねなく目の前で好きなライブが見られる時代が戻ってくることは切に願うが、この日「NO LIVE, NO TPD.」を配信の形でもまざまざと見せつけてくれた彼女たちに送る“ハート”は、何個あっても足りないくらい。

それこそ、キュンこえてギュンです!(ザテレビジョン・取材・文=蒼野星流)