日向坂46のドキュメンタリー映画「3年目のデビュー」が、8月7日(金)から全国で順次公開される。

「けやき坂46(ひらがなけやき)」として活動を開始するも、先輩グループ・欅坂46の存在感に圧倒され悩んだ3年間があった。その後、日向坂46へ改名し、1stシングル「キュン」は発売初週で47万枚を売り上げるなど華々しいデビューを飾り、快進撃を続けている。

そんな彼女たちの日々の活動に密着してきたドキュメンタリー番組「セルフ Documentary of 日向坂46」(TBSチャンネル1)チームの手によって映画化。

そんな本作を手掛けた竹中優介監督を直撃。映画の見どころ、こだわったシーン、撮影秘話の他、日向坂46への熱い思いを語ってくれた。

■ 全員で幸せになろうしているグループ

――日向坂46の映画を作ることになったきっかけは?

純粋にけやき坂46が好きだったんですね(笑)。オードリーさんとの番組(「ひらがな推し」テレビ東京)を見ていて、すごく印象が良かったんです。大変な状況なのに前向きに頑張っているグループという業界内でのうわさも聞いていました。

なので、いろんなところで「けやき坂46と仕事がしたい」ってアピールはしていたんですよね。そしたら、映画の話を頂いて。僕は日向坂46になってから密着していたので、過去の映像はお借りしました。

アイドルグループと仕事をしていて感じるのは、やっぱり競争の世界なんですね。結局は(グループ内で)日の当たるところと日の当たらないところがある中、このグループって大人数グループ史上初、“全員で幸せになろうしているグループ”だなと思うんです。

今までいろんなアイドルさんと仕事をさせていただきましたが、メンバーの苦労や挫折を見ていると、こっちもつらい気持ちになるんです。でも、日向坂46はそういうのがないんじゃないかなって。

この子たちは競争ではなく全員が肩を組んで進んでいて、こういうグループならすてきなんじゃないかなと思って取材に入りました。結果、思っていた以上にそんな感じでした(笑)。

■ 日向坂46には意外と人見知りが多い

――SKE48の「アイドル」(2018年)でも監督をされていますが、ドキュメンタリー映画を作る難しさはどんなところでしょう?

大事なのは(メンバーが)素の部分を出すまでの、“カメラを回していない時間”だと思っています。やっぱりカメラを持って話し掛けると構えちゃうんですよね。

SKE48の時はレギュラー番組(「SKE48 ZERO POSITION」TBSチャンネル1)をずっとやっていて(関係性ができているので)やりやすかったですが、やっぱり最初のインタビューとかはすごい距離感のあるインタビューになっちゃって。それをどう崩すかって考えました。

どれだけ素に近い表情を撮れるかっていうのが大事だと思っていたので、カメラを回していないところでの雑談だったり、カメラを回せない所にも行ってみんなの活動を見させてもらったりとか。そういう中でコミュニケーションをちょっとずつ深めていきました。

(日向坂46は)意外と人見知りが多いんですよ。今日も数カ月ぶりにお会いしたんですけど、すでに距離が遠ざかっているような感じがするというか。

なので、まめに取材に行って、素でお話を聞けるようになるまでは、だいぶ時間が掛かりましたね。素のままが一番すてきだなって思ったので、それをなるべく映せるように頑張りました。

先程のインタビュー(メンバーへの取材)で「こういうところは素だよね」って言っていましたが、そういう部分を(カメラの前で)見せてくれたというのは良かったです。本人たちもそう思っていてくれたのならば、この取材はうまくいったのかなって思います。

――メンバーがメンバーに謝るシーンなど、デリケートな場面も取材されていますね。

普通に僕もその場にいました。みんなも僕がカメラを回していることに、さほど気にしないでくれていたので。

デリケートな場面もカメラを持って立っているんですが、そのころには現場にメンバーさんがいて、マネジャーさんがいて、カメラを持った僕がいて。割と自然の状態ができていたので、デリケートなああいうシーンが撮れたのかなって思います。

■ 「全員のシーンで終わる」にこだわり

――新型コロナウイルスの影響で公開日が延びてしまいました。

(内容の)追加はないです。ラストシーンは、デビュー1年目の最後の方に撮った映像で終わりたかったので。

「全員のシーンで終わりたい」というのも、関係者との最初の打ち合わせからそこだけは譲りませんでした。全員がそろってこそのグループだと思ったので、全員のカットで終わると決めていました。メンバーの皆さんは撮影中、どのように使われるか分からなかったと思いますけど(笑)。

今までのアイドルのドキュメンタリー映画よりは、相当ほっこりして終わると思います。

――やはり「全員」がキーワードの一つですね。

キャプテン(佐々木久美)はみんなに支えられているんですよ。センター(小坂菜緒)は後ろのメンバーに支えられている。小坂さんは性格的に前に出る子ではないと思うんですけど、何でセンターとして成り立っているのか。それは、やっぱりグループ全体の中に秘密があると思います。

誰を推していても楽しいグループだし、単推し(一人のメンバーを応援)を作らなくても楽しいと思います。このグループのこの子たちを見ているだけでほっこりするというか。それがこのグループの良さであり、他のグループにはないところですよね。

あと20人前後で活動しているというのも良いところの一つだと思います。一つのファミリーとしてずっとやってきているので。最強の味方がずっと横にいる状態でできているから、この子たちは輝いているのかなって思うんです。

この映画では、本当にそれだけを終始描いているので、結局何のひねりもない映画になっちゃったというか。知らなかった部分もいろいろ出てくるとは思いますけど、結論としてやっぱりそうかって、それを確信づけるものになっています。ドキュメンタリーはうそをついちゃいけないのが最大のポイントだと思いますし。

やっぱり個人的にはラストシーンには注目していただきたいですね。そこに使われている楽曲。ファンの皆さんがいろいろ予想されているんですけど、たぶん誰も当てられないだろうなって。でも、この映画を見た後に納得感のある曲になっています。どんなシーンになっているかはぜひ見ていただきたいです。そこで感じてもらうことが全てなので。

相変わらずですが、久美さんはメンバーに話をしている時が本当にいい表情を見せてくれている。小坂さんは硬いんですけど、日向坂46の話をするとニコニコするんです。本当にグループ愛が強いなぁって思います。なんであんなに前に出たがらないのに、この仕事ができているのか。日向坂46だからあの子はセンターができているんですよね。

やっぱり全員で頑張ってこそ日向坂46なので、なるべく全員に印象的なシーンを残そうと何度も編集をやり直したんですけど、一つ縦軸としてあるのが小坂さんの変化。入った頃から最後のシーンまで、小坂さんの表情の変化は見ていただきたいなって思います。(ザテレビジョン)