夭折の歌人・ 萩原慎一郎の遺作となった歌集を原作とした、2020年11月公開の映画 「滑走路」の予告編とポスターがこのたび解禁となった。

原作は、現代をもがき生きる人々の姿と希望を描いた人生賛歌あふれる才能を遺し、突然この世を去った歌人・萩原慎一郎による「歌集滑走路」。あとがきを入稿した翌月、 32歳の若さで命を絶ち、デビュー作にして遺作となった一冊の歌集だ。

いじめや非正規雇用を経験しながら、それでも生きる希望を託した歌は、苦悩を抱える人へのエールとして多くの共感を集め話題に。新聞やTVなどでも次々と取り上げられ、歌集にしては異例のベストセラーを記録した。

■ 水川あさみ主演、歌集をモチーフにつむがれるオリジナルストーリー

本映画は、そんな原作歌集をモチーフに、オリジナルストーリーとしてつむがれる。

数々の話題作に出演する水川あさみが扮する翠(みどり)、 実力派俳優として活躍目覚ましい浅香航大扮する若手官僚・鷹野(たかの)、そして新人・寄川歌太が扮する中学二年生の学級委員長。それぞれ“心の叫び”を抱えて生きる3人の人生が、やがて交錯していく。

脇を固めるのは、坂井真紀、水橋研二、吉村界人、染谷将太、木下渓、池田優斗ら。

非正規、いじめ、過労、キャリア、自死、家族…現代を生きる若い世代が抱える不安や葛藤、それでもなお希望を求めてもがき生きる姿を鮮烈に描き出す。

厚生労働省で非正規雇用問題に取り組む若手官僚の鷹野は、激務に追われる中、仕事への理想も失い無力な自分に思い悩んでいた。

30代後半に差し掛かり、将来的なキャリアと社会不安に悩まされていた切り絵作家の翠は、子どもを欲する自身の想いを自覚しつつも、高校の美術教師である夫との関係に違和感を感じていた。

幼馴染を助けたことをきっかけに自分がいじめの標的になってしまった中学二年生の学級委員長。攻撃が苛烈さを増す中、シングルマザーの母に心配をかけまいと、一人で問題を抱え込んでいた。

■ 予告映像では一人の死をめぐり交錯していく3人の人生が描かれる

完成した予告映像では、まったくバラバラな3人の人生が、一人の人物の死をめぐり交錯していく様子が描き出される。さまざまな障壁と対峙し、行き場のない”心の叫び”を抱えるそれぞれの登場人物たちだが、「あの日、あなたの言葉が生きる翼をくれた」というナレーションが示唆するように、一筋の光を予感させるラストになっている。

そして、最後に映し出されるのは「きみのため用意されたる滑走路 きみは翼を手にすればいい」という、原作歌集におさめられた一首。

タイトルの由来を想起させる歌は、ポスターに配された青空を翔ける1機の飛行機とも呼応し、「魂の叫び」と「希望」を感じさせる予告編とビジュアルに仕上がっている。

■ 主題歌「紙飛行機」の音源を初お披露目

また、シンガーソングライター・Sano ibukiが映画のために書き下ろした主題歌「紙飛行機」の音源も初お披露目となる。 映画と歌集の雰囲気に優しく寄り添う歌詞とメロディが胸を打つ楽曲が、エモーショナルな予告編をより盛り上げている。

■ 原作の文庫版には、又吉直樹による解説が収録決定!

さらに、原作の「歌集 滑走路」の文庫版と、映画を元に書き下ろされた小説版が9月24日(木)に発売決定。文庫版には、NHK「クローズアップ現代+」で「歌集 滑走路」を激賞した、お笑い芸人・小説家の又吉直樹による解説もあらたに収録決定。

小説版の著者は連続ドラマ化された「今からあなたを脅迫します」シリーズでも知られる新鋭作家の藤石波矢。映画のストーリーをもとに、オリジナルの要素も加え仕上げた原作の歌集に収録された数々の歌へのオマージュも要所に感じられる小説となっている。(ザテレビジョン)