“及第点”の評価などなかった過去

リオネル・メッシ2世と呼ばれた選手はこれまでにも何人かいたが、その中で“クロアチアのメッシ”と呼ばれてきたのがMFアレン・ハリロビッチだ。東欧産のMFは身長169cmと小柄ながらテクニックがあり、クロアチアの名門ディナモ・ザグレブが生んだNEXTスター候補生と将来を嘱望される逸材だった。

2012年、D・ザグレブで16歳と102日の若さでトップチームデビューを飾ったハリロビッチ。その2年後、彼は本家メッシを育てたバルセロナに引き抜かれた。クラブとしても期待値は相当に大きかったはずだ。ところが、ハリロビッチは結局バルセロナで何の爪痕も残すことができず、2年在籍したのちにドイツのハンブルガーSVへ完全移籍。その頃には“メッシ2世”の評判もすっかり聞こえなくなり、その後も行く先々で定位置を奪えず。もはや“クロアチアのメッシ”との評価は完全に過去のものとなってしまった。

しかし、本人はここからの大逆転を狙っているようだ。今季はオランダ・エールディヴィジのヘーレンフェーンでプレイしているハリロビッチ。『FOX Sports』のインタビューに登場した同選手は、過去に周囲からの期待がプレッシャーとなっていたことを明かしつつ次のように述べている。

「注目された当時、僕はまだ16歳だった。あの頃、僕は“及第点”でプレイすることが許されていなかったんだ。パフォーマンスがベストでなければ、みんなから『今日のプレイは酷かった』なんて言われたよ。良い時は“エクセレント”。その間の評価はなかったね。常に良いか悪いかの二択だったんだ。それは当時の僕にとって大きなプレッシャーだったんだ。23歳となった今では、もう他人の評価や言動なんて気にしていないけどね。僕の全盛期はここからさ」

現地メディアからは「忘れられた天才」との評価も受けるようになったハリロビッチだが、まだ23歳と若くかつての評価を取り戻す時間は十分にある。はたして、この若きテクニシャンはもう一度“クロアチアのメッシ”と呼ばれるにふさわしい活躍を披露することができるのだろうか。天才MFの復活劇がオランダで始まろうとしている。