21日に行われた愛知県の碧南市長選挙では、旧統一教会との関係の近さが問われた現職市長が落選しました。今回の選挙では「旧統一教会との関係」が争点の一つとなりましたが、今後の国政選挙でも争点に浮上するのでしょうか。  碧南市の禰宜田政信市長が落選した今回の市長選で、大きな争点の一つとなったのが、『旧統一教会との接点』です。 禰宜田政信市長: 「本来はそういったことが争点になるのがおかしいなと。思想信条とか個人のことなのでね」  禰宜田市長を巡っては、関連団体主催のイベントの実行委員長を務めるなど、旧統一教会との接点が指摘されていました。

 市議会でも…。 市議(2022年9月): 「あくまで旧統一教会と寄り添って生きていくというならば、やっぱり市長の座を辞するべきだと」 禰宜田市長(2022年9月): 「安倍元総理の暗殺事件が発生しなければ、こういう状態にはなっていないのではなかろうか。今は法律等で悪徳商法とか全部できないような状態にしたりしながら、より良い社会に向けて動いているんじゃないか」  さらに、記者の直撃に対しても…。 Q.現時点では関係を絶つとは言えない? 禰宜田市長(2022年9月): 「法の下の平等なので、法でちゃんと決めてくれれば一切絶ちますよ。そうじゃないのに自分の考えでやるのは、平等という立場からすると一種の人権侵害じゃないかな」  今回の市長選挙では、新人2人との争いとなりましたが、相手陣営からも…。

小池友妃子さん: 「市民に対してどう責任を取っていくのかというところの中で、私はリーダーとしてふさわしくないのではないかなと思います」 鈴木良和さん: 「『旧統一教会の市 碧南市』というレッテルが貼られてしまいます」  21日の投開票では、禰宜田市長は約5000票の大差で敗戦しました。

 落選後の会見では、旧統一教会問題を追及していたジャーナリストの鈴木エイトさんの姿もありました。

鈴木エイトさん: 「旧統一との関係が取りざたされたことで、碧南市が不名誉な形で有名になってしまったんじゃないかと?」 禰宜田政信市長: 「それは、そういう風にレッテルを貼りすぎているんじゃないかと。昔は過激にやっていた時期があったんだけど反省して、世の中に溶け込むように、ボランティア活動その他一生懸命やっているわけでございましてですね。法の下の平等だから、差別せずにやっているだけの話ですよ」

 取材を終えた鈴木エイトさんに話を聞きました。 鈴木エイトさん: 「旧統一教会との関係を気にした有権者が相当数いらっしゃったんじゃないかなと思いますね。禰宜田市長個人の思想信条を問題視しているわけじゃなくて、市長の立場として関わったことにちゃんと答えていないというところが、やっぱり不信感がある」  碧南市民は…。 40代女性: 「個人のことは個人で、政治のことは政治だと思っているので、それは分けて投票させていただきました」 60代女性: 「前の市長さんが宗教の方で問題になっていたので、その辺が一番私は気になっていたので、そういうところをクリーンな(市政にしてほしい)」  選挙戦で再びクローズアップされた旧統一教会との接点。今後の国政選挙でも選挙の争点に浮上するかについて、ジャーナリストの鈴木哲夫さんは「旧統一協会の問題に関しては、国民はこれまでに一度も審判していない。今回の碧南市の結果は、“一つの自治体”の審判ではなく、これは『次の選挙の審判ですよ』というのを示したのではないか。次の総選挙で大きなポイントになるのは間違いない」と指摘しています。