食害対策で駆除のシカ 財布、名刺入れに変身!!

食害対策で駆除のシカ 財布、名刺入れに変身!!

 食害対策で駆除したニホンジカの皮を財布や名刺入れなどの革製品に加工する取り組みが、日光市で進んでいる。野生の命を価値ある資源として活用しようと地元有志が始動させた「日光MOMIJIKA(もみじか)プロジェクト」だ。

 環境省日光自然環境事務所にシカ対策専門官として二〇一五年三月まで勤務し、現在は民間事業者の立場で対策に携わる須藤幸喜(こうき)さん(34)。同年春、中心になって始めたプロジェクトの名前には、日光のシカやモミジ、人の調和を目指したいとの思いを込めた。

 樹皮や農作物を食べる野生のシカは有害鳥獣とされる。日光市によると、市内では一五年度に三千三百五十三頭、一六年度には四千三百十六頭が捕獲されており、食害防止は依然として大きな課題だ。

 従来、捕獲したシカは猟師らが食用にするなどしていた。しかし一一年の東京電力福島第一原発事故の後、放射性物質の影響で食用にできなくなり、駆除しても廃棄するだけになった。「資源として活用できないだろうか」と模索していた須藤さんは、東京都内の皮革工場を見学。シカ皮で製品を作ろうと決め、生産販売に乗り出した。

 シカは牛などに比べて皮の繊維が細かくて薄いのが特徴。猟師の間には「柔らかすぎて革製品には向かない」との声もあったが、しなやかな素材を生かしてバッグなどを作ると好評になった。

 捕獲したシカは傷つけないように運び、一頭ずつ手作業で皮を剥ぐ。なめした後はクラフト職人に渡して製品に仕上げ、須藤さんが道の駅などに持ち込み販売する。売り上げは職人に還元している。昨年からクラフト体験教室も開いており「楽しい」「手触りが良い」と参加者の反応は上々という。

 須藤さんは「製品を手に取ってくれた人に、食害や駆除を巡るシカと人間の問題を知ってもらいたい」と話している。

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