県議会の16年度「政活費」一般閲覧開始 領収書3万枚 ネット公開を

県議会の16年度「政活費」一般閲覧開始 領収書3万枚 ネット公開を

 県議会の2016年度分政務活動費(政活費)の収支報告書と領収書の公開が3日、始まった。政活費をめぐっては、自民党の沢田力(つとむ)元県議が自身の不正受給が発覚したのを受け、7月に辞職したばかり。県民の目は厳しさを増すが、約3万枚にも上る領収書のチェックは一般の人には難しい。全国ではインターネットで閲覧できる議会が増えており、県議会にもネット公開を求める声が高まりそうだ。 (井上峻輔)

 狭山市民オンブズマン代表幹事の田中寿夫さん(69)は、毎年この時期になると、小型のスキャナーを持って県議会議事堂に足を運ぶ。公開された政活費の領収書を読み込んで電子データにし、自身のホームページで公開するためだ。

 「膨大な領収書をすべてコピーするなんて普通は無理。誰でも見られるようにしたいと思った」

 県議会では、政活費の領収書や収支報告書はネット公開されていない。閲覧するには、いちいち情報公開請求の手続きが必要だ。一六年度分の場合、公開された領収書などの文書は約三万枚。分厚いファイル五十冊に収められている。一枚十円でコピーを頼むこともできるが、全部で三十万円もかかってしまう。

 領収書は会派ごとにまとめられ、特定の議員分のみを見ることもできない。人数が最も多い自民党県議団の場合、二十二冊のファイルにばらばらに収められた領収書から、議員の名前を探すことになる。

 田中さんは一昨年から、領収書の一部をスキャナーで読み込む作業を始めた。昨年に公開された一五年度分は、すべてをスキャンした。朝から夕方まで作業を続け、かかったのは七日間。「誰でも気軽に見てほしい」と、ホームページで無料公開している。

 沢田元県議の不正が分かったのは、領収書を見て不審に思った田中さんが、発行元とされた業者に問い合わせたことがきっかけだった。田中さんは「たくさんの人がチェックすれば議員も不正ができなくなる。本来は県議会がネットで公開するべきだ」と語る。

 県議会では現時点でネット公開の検討は行われていないが、全国的には公開に踏み切る都道府県議会が増えている。

 全国市民オンブズマン連絡会議などによると、既にネット公開しているのは富山、三重、大阪など八議会。東京や宮城なども一七年度分からの公開を決めている。不正受給などが発覚した後、ネット公開に動く議会が目立つという。

 埼玉県議会でも、沢田元県議の不正を受けてネット公開の研究を始める会派が出てきた。同連絡会議事務局の内田隆さんは「領収書などを県民に見てもらえれば、議員がどんな活動をしているかを伝えることもできる。その意味でも積極的にネット公開してほしい」と話している。

◆沢田元県議領収書 16年度分は「本物」

 三日に公開が始まった二〇一六年度分の政務活動費の領収書には、沢田力元県議が提出したものも含まれている。

 そのうち一枚を発行したのは、東京都内の企画制作会社。沢田元県議は一五年度以前の政活費を不正受給した際、この会社名を使って複数の領収書を偽造したとされる。ただ、同社は本紙の取材に「一六年度分の領収書の取引は実際にあった」と語り、偽造ではなく本物との認識を示した。

 この会社の領収書をめぐっては、沢田元県議が一一〜一五年度に自民党県議団に提出した十一枚のうち八枚(計六百九十万円分)が同社が発行したものではなく、偽造とみられることが同県議団の調査で分かっている。 (井上峻輔)

<政務活動費> 地方議員の政策立案のための調査などを支援する目的で、自治体が議員報酬とは別に支給する費用。埼玉県議会では、1人当たり月50万円が所属議員数に応じて会派に交付され、各会派は使い切らなかった分を返還する。2016年度の交付総額は5億5300万円で、その93・2%に当たる5億1500万円が使われた。県議会の15年度分の収支報告書や領収書は、狭山市民オンブズマンのホームページ(http://omb.sayama.me/)で閲覧できる。

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