「平和な夜を」原告ら気勢 厚木騒音 第5次提訴

「平和な夜を」原告ら気勢 厚木騒音 第5次提訴

 五度目の正直なるか−。第五次厚木基地騒音訴訟が横浜地裁に提起された四日、「爆音止めろ」の声が横浜市内にこだました。原告団のうち百五十人は提訴前、地裁近くの横浜公園からデモ行進。原告団や弁護団らは提訴後の集会でも「静かで平和な夜をつくり出すため、がんばりましょう」と気勢を上げた。他地域で騒音訴訟に取り組む原告も駆け付け「全国の訴訟の底上げを」とエールを送った。 (井上靖史)

 自衛隊機の深夜・早朝の飛行差し止めや将来分の損害賠償請求などを認めた第四次訴訟の一、二審の内容は、八カ月前の最高裁判決で覆され、逆転敗訴した。

 四次訴訟の弁護団副団長で、五次訴訟の団長を務める福田護弁護士は「苦闘に苦闘を重ねてたどり着いた一筋の光明が、最高裁では防衛の公共性という考え方に覆された。でも、これまで四度にわたり裁判所は騒音を違法状態と認めてきた。司法の言うことを無視し、違法な騒音を続けられるなら日本の三権分立、国の在り方自体が違ってしまう。そこを明確にしていく。今度はこちらが覆す」と決意をみなぎらせた。

 弁護団によると、これまで以上に健康被害の立証にも力を注ぐ。関守麻紀子弁護士は「健康被害の立証は四次訴訟でやり切れなかった部分がある。海外では人体に及ぼす航空機騒音の影響調査が進んでおり、文献や論文を精査し、示したい。原告の皆さんの健康状況ももっと詳しく把握していく」と述べた。

 最高裁で覆ったとはいえ、第四次訴訟の一、二審で全国初の航空機の飛行差し止めなどを勝ち取った厚木訴訟への他地域の期待は大きい。応援に来た第二次新横田基地公害訴訟原告団の大野芳一団長(77)=東京都昭島市=は「第四次の結末を引きずることなく、五次に向けて立ち上がったことに心から敬意を表したい。訴訟結果だけでなく、そのエネルギーも学びながら自分たちの運動に生かしたい」と語った。

◆地元大和、綾瀬市長「負担解消へ全力」

 第五次訴訟提訴を受け、地元の大和市の大木哲市長は「五次訴訟の提起は厚木基地周辺の住民が、いかに航空機騒音に苦しんでいるかを示している。原告団に限らず多くの市民が長年、騒音被害を受けており、引き続き全ての市民の負担解消に向け全力で取り組んでいく」とコメントした。

 綾瀬市の古塩政由市長も「今回の提訴は長年にわたる騒音解消に向けた活動を引き続き進める周辺住民の強い気持ちの表れであり、敬意を表する。国は一日も早く騒音解消を図るべきで、市も引き続き騒音解消を国に訴えていく」との談話を出した。

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