<ひと ゆめ みらい>店で合コン縁結び 蕎麦店女将・福原恵子さん(58)

<ひと ゆめ みらい>店で合コン縁結び 蕎麦店女将・福原恵子さん(58)

 「すてきな人なのに、どうして結婚できないんだろう?」。下町の葛飾区立石にあり、来年創業六十周年を迎える「蕎麦厨(そばくりや)やなぎや」。二代目女将(おかみ)として女性客や、問屋などの出入り業者の男性に独身者が少なくないことが気になっていた。「忙しくて出会いがない」という相談もあり、二〇一二年から店で「大人の合コン」を企画している。

 料理を楽しむ場から踏み出すきっかけは、店で働き詰めだった母親(故人)。なかなか外出できない母に楽しんでもらおうと、一〇年に和室で大正琴の演奏会を催した。その後は、そば店だけに「日本文化を地域の人に少しでも発信したい」と、寄席や津軽三味線のミニコンサートなどを開催してきた。

 合コンも、飲食店の枠にとらわれない姿勢から店の女性スタッフと相談して始めた。「店が間に入れば出会いをつくれるのでは」。最初は、そのスタッフの友人女性と、出入り業者の男性との三対三。参加した女性が「すごく楽しかった」と友人に話し、その友人から「またやって」と頼まれ、続けることに。

 参加者は三十代が中心で、職種も会社員、警察官、区職員、鉄道マン、看護師、学校の先生などさまざま。区外から来る人もいる。知り合いのつてや、店に告知チラシを張って参加者を募る。来店した母親から「娘を」と頼まれることも。「信頼されていると思うとありがたい」

 メニューは板前と毎回相談し、旬の味にするなど工夫する。「料理も男性もおいしくないと申し訳ない」と笑う。

 気遣いも細心。料理は大皿で、ビールは瓶で出す。取り分けたり注ぎ合ったりして、話しやすい雰囲気にという思いからだ。参加人数が多いときは、もの静かな男性とにぎやかな男性とに分け、女性に席を移ってもらう。店から送り出す際は「立石の街は面白いから、二次会に行って」と、「せんべろの街」で縁が深まるように、もう一押し。

 後のことは自分から聞かないが、昨年六月、合コンで出会ったカップルの結婚式に招かれ、「うれしかった」。一方で、リピーターの男性もいて「自分から行かないのかな」と親のように気をもむ。

 今月上旬の合コンで二十二回を数えた。「お店で縁ができて、幸せになってもらえたら」。おせっかい女将を、続けていくつもりだ。 (飯田克志)       ◇

 やなぎやは両親が創業。3人姉妹の長女。結婚後も実家に同居し、子育てしながら店を手伝ううちに女将に。夫に加え、今年から息子夫婦も店に立つ。店=電03(3697)0947=の営業は、午前11時〜午後3時、同5時〜10時。水曜定休。

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