「凌雲閣」の記憶 記念碑に残す 遺構出土の工事現場にファン殺到

「凌雲閣」の記憶 記念碑に残す 遺構出土の工事現場にファン殺到

 「浅草十二階」と称され、明治、大正期の日本で最も高い建築物だった「凌雲閣(りょううんかく)」の基礎部分とみられるれんが、コンクリートが出土した台東区のビル工事現場(浅草二)に連日、多くの歴史ファンらが見物に訪れている。反響の大きさを受け、港区のビル事業主が現場の一部に記念碑を設置することを決めた。 (井上幸一)

 土地を所有し、鉄骨三階建ての貸店舗ビルを建てているのは合同会社「Yours(ユアーズ)」(田辺淳代表)。「近隣の方に限らず遠方からも見物に来られている。ここまで興味、関心のある方が多いと想像していなかったが、事業のみでなく、地域への責任も感じている。名残惜しむ声に、少しでも応えられたら」と、記念碑を設ける社の考えを示した。

 同社では、碑の詳細は台東区と詰めるとしているが、れんがの一部を飾り、凌雲閣に詳しい有識者のコメントを掲載することなどを検討している。また、出土したれんがなどの一部は、台東区に寄贈。区教委の文化財担当者は「近代遺構として記録、保存する」としている。

 今回の遺構は、区教委が九日に測量などを実施。このころから会員制交流サイト(SNS)などで情報が拡散、多くの人が訪れ、「観光地の様相」(同社)となった。

 十四日も人垣が発生。埼玉県東松山市から来たという大学二年生、大越司(つかさ)さん(20)は「百年近く前になくなった建物が、地下から出てくるなんて不思議な感じがする」と話していた。

 凌雲閣は、一八九〇(明治二十三)年に建設された十二階建ての塔。日本初の電動式エレベーターが設置された。一九二三(大正十二)年の関東大震災で半壊し、地上部分は取り壊された。

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