レトロな上野 見つけた 京成「旧博物館動物園駅」公開

レトロな上野 見つけた 京成「旧博物館動物園駅」公開

 営業休止から21年、廃止から14年。駅舎に入り、地下のホームに続く階段は「タイムトンネル」だった。改修工事を前に、19日に報道関係者に内部が公開された京成電鉄の旧博物館動物園駅(台東区上野公園)。レトロな切符売り場、改札、時刻表、落書き−。鉄道ファンが心を躍らせる光景が、そこにあった。秋には一般公開が予定されており、新たな上野の観光名所となる可能性が広がる。 (井上幸一)

 「これが有名なペンギンの『壁画』。東京芸大の学生が描いたとの説があるが、記録はなく、立証はできない」。下り線ホームの絵の前で、京成電鉄の広報担当、道吉優作さんが語った。ぼろぼろの壁には、休業当時の時刻表も。平日の昼間は一時間に四本以下と少なく、「ホームが短く、四両編成しか停車できなかった」と道吉さんは解説する。

 利用者が少ないため機械の導入は採算が合わず、駅では切符は手売りだった。駅員が詰めた三畳ほどの発券小屋の中には、手書きの作業マニュアルがあり、森光子さんのポスターも貼られていた。

 京成電鉄では、一般公開前の七〜九月に改修工事を実施。公開の手法は、協定を結ぶ東京芸大と検討中だ。新設する出入り口の鉄扉のデザインは、日比野克彦・美術学部長が手掛けた。

 協議に携わる美術学部の伊藤達矢特任准教授は、旧駅舎について「シャッター用のハンドルなど、細かいパーツが味わい深い。利用者それぞれの物語が詰め込まれていることも、空間の魅力を生み出している」と話す。

 壁には、相合い傘などに交じって、「絶対に駅を再び開けて下さい。愛する博物館動物園駅を…」との落書きが残されていた。 


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