<ひと ゆめ みらい> 市民リポーター「チームわさび」世話人・生田清敏さん

<ひと ゆめ みらい> 市民リポーター「チームわさび」世話人・生田清敏さん

 三鷹市の北西部、野川沿いに広がる「大沢の里」。雑木林に水田、水車小屋…。大昔にタイムスリップしたような田園風景が魅力だ。その一画に五月、一軒の古民家が完成した。明治〜昭和にかけて使われた、わさび農家の母屋で、昨年夏から復元工事が行われていた。

 三鷹市の市民リポーターとして、仲間四人とその様子を取材し、記録を続けている。「古材と新材を継ぎ合わせたり、砂利の上に礎石を置いて建物の土台や柱を支えたりと、高度な建築技術に驚きました」と古民家再生について熱く語る。

 昨年七月、市が募集した古民家復元のリポーター養成講座に参加。取材や写真撮影のコツ、原稿の書き方などを学んだ。修了した十数人から生田さんを含む五人が名乗りを上げ、ボランティアの市民リポーター「チームわさび」を結成、翌月から取材活動を始めた。

 「もともと日曜大工が好きで日本建築の知識があった。古民家と聞いて思わず応募しました」と動機を語る。仲間を引っ張るチームの世話人。「要するに連絡係。私が一番ヒマなんで」と笑う。

 生まれは鳥取県倉吉市。広島の自動車メーカーに勤め、二〇一〇年に定年退職した。東京本社勤務が縁で移り住んだ三鷹で妻と二人、第二の人生を送る。「お金抜きで何かの役に立ちたいと活動するのは有意義な体験。新しい人たちとの出会いも楽しい」

 古民家は、江戸時代から大沢の湧水を生かしてわさびを栽培してきた箕輪家の母屋として一九〇二(明治三十五)年に建てられ、八〇(昭和五十五)年ごろまで使われてきた。その後、寄贈を受けた三鷹市が解体調査した後、古材を活用して復元された。

 基礎工事、屋根ふき、壁塗り…。再生現場を毎月訪れ、工事の様子を撮影し、メモを取った。「職人たちは、最後は防火対策で屋根を銅版で覆うのに、その下のかやぶき屋根をものすごく丁寧に仕上げていた。仕事にかける彼らの思いも伝えたい」。市発行のパンフレットなどで報告するほか、最終的に記録を冊子にまとめる予定だ。

 再生古民家の前庭には今もわさびが自生する。「次のテーマはわさび田の再生。チームで取材を続け、わさびを本当に栽培するところまで応援していきたい」 (鈴木貴彦)     ◇

 大沢の里の古民家は現在、建物周辺を整備中で、一般公開は今年11月の予定。当時の民具や「チームわさび」による復元記録が展示される。市民参加によるわさび田の復元計画も進んでいる。JR三鷹駅南口からバスで約20分、竜源寺バス停下車、徒歩5分。


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