思わぬ「聖地」巡礼人気 足利・栗田美術館 クイーンのフレディさん、お忍び訪問

思わぬ「聖地」巡礼人気 足利・栗田美術館 クイーンのフレディさん、お忍び訪問

 伊万里焼など名品を収蔵する足利市駒場町の栗田美術館に、音楽ファンが詰め掛ける現象が起きている。英ロックバンド「クイーン」のフレディ・マーキュリーさん(一九四六〜九一年)が、かつてお忍びで来館していたためだ。現在、フレディさんを描いた映画が大ヒットしており、これを機に、偉大なミュージシャンの足跡が残る「聖地」として脚光を浴びている。 (梅村武史)

 栗田俊英館長(58)によると、日本文化を愛したフレディさんは一九八六年九月、単身来日し、少数の知人と同館を訪問した。プライベートなお忍び訪問のため情報は伏せられ、二十五歳で一職員だった栗田さんも知らされていなかった。フレディさんに接した館の関係者はもう残っていないという。

 案内役を務めたのは父で先代館長の故・英男さん。

 後日、英男さんから聞いた話では、フレディさんは陶磁器への造詣が深く、カメラ片手に館内を楽しそうに見て回ったという。収蔵品の購入を希望し、英男さんが丁重に断ったというエピソードも。プレゼントされた収蔵品の目録に大喜びし、絵はがきなどのお土産を買って帰ったという。

 五年後、フレディさんはエイズの合併症で亡くなったため、これが最後の来日となった。

 フレディさんの壮絶な半生を描いた映画「ボヘミアン・ラプソディ」のヒットをきっかけに、フレディさんの八六年の来館が昨年末にテレビ番組で取り上げられ、インターネットで話題に。ファンらが「聖地巡礼の地」として訪れるようになったという。

 栗田さんは「私もクイーン世代。伝説のロックスターに来館していただいたことは大変うれしい出来事」と笑顔で語る。

 「これまであまり見かけなかった若者世代の来館者が増え、来館者数も一・五倍になった」と驚く。

 同館はフレディさん訪問時のスナップ写真を大きく引き伸ばし、撮影場所に並べて飾るなど来館者を喜ばせるサービスを始めた。

 栗田さんは「映画のおかげで焼き物を知らない人が足を運んでくれている。陶磁器に触れ、その魅力を知るきっかけになるとうれしい」と話している。

 開館は午前九時半〜午後五時。原則月曜休館。入館料は一般千二百五十円、小中学生と高校生五百円。問い合わせは同館=電0284(91)1026=へ。


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