幸せ つながる働き方 渋谷の企業 担当役員を導入

幸せ つながる働き方 渋谷の企業 担当役員を導入

 コールセンターの運営などを手掛けるキューアンドエー株式会社(本社渋谷区笹塚)が、社員の幸福向上を図る担当役員、CHO(チーフ・ハピネス・オフィサー)を設けた。欧米で広がりつつあるという役職を、日本でも導入する企業が出始めた。 (岩岡千景)

 同社のCHO・安達あけるさん(59)は、働き方改革を進める社内のトップに立ち、さまざまな調整をしている。CHOは四月に新設された。

 導入は、秘書・広報部門の執行役員だった安達さんが年初に、CHOを紹介する新聞記事を読んだのがきっかけ。女性だけのコールセンター運営から事業を始めた同社は女性活躍推進に力を入れており、CHOはその延長線上にある、と考えた。

 設置と同時に、部を横断するプロジェクトチームも発足した。月に一度、会議を開催。現在は個人の課題を調査で明らかにして解消し、社員一人一人の幸福アップにつなげようとしている。

 調査に対する回答で予想されるのは、「子どもが小学生に上がると、時短勤務ができなくなる」「子どもが生まれたばかりなのに転勤、長期出張になった」といった悩み。こうした個別の課題に取り組む考えだ。

 フレックスタイムなど、育児や介護を抱えた社員が働きやすくなる制度は導入するまでに社内の調整などで時間がかかる。安達さんは「導入までに当事者が辞めてしまうし、対象かどうかで社員間に不公平感も出る」と話し、個別対応の大切さを強調する。

 「個人の状況を把握し、仕事を続けられる働き方をその都度見つけていく。それが個人の幸福につながる」と安達さん。同社では導入によって女性も男性社員も全体の働き方を考えられるようになったという。

◆社員大切にする企業で浸透進む

 「パーパス・マネジメント 社員の幸せを大切にする経営」の著書があるコンサルタントの丹羽真理さん(37)によると、管理職との一対一の面談を通して個人の働き方を考える「ワン・オン・ワン」は、社員を大切にする企業で浸透しつつあるという。

 丹羽さんの話では、企業が社員の幸福向上を目指す際に大事なのは第一に「パーパス=存在意義」。何のために仕事するのかが組織と個人で一致していると社員は生き生きと働ける。

 さらに「自分の強みを生かし、自分らしく仕事ができる」「組織の中で関係性が良い」「心身が健康である」を合わせた四要素が大事。「幸福度の高い社員の生産性は31%高く創造性は三倍高い」など、幸福向上が生産性を優位にすることも実証されているという。

 丹羽さんは「二〇一〇年代に入り米グーグル社が企業の中で幸福度を高める大切さを広めて以降、CHOは欧米で広がっている。国内でも導入する企業は出始めていて、今後も増える」と話している。


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