水害、人ごとじゃない 栄・布鎌小で防災教材づくり

水害、人ごとじゃない 栄・布鎌小で防災教材づくり

 栄町教育委員会と町立布鎌(ふかま)小学校、国土交通省利根川下流河川事務所が、水害から身を守る防災教育の教材づくりを進めている。以前から決まっていた取り組みだが、十月の台風19号接近時には同校が避難所になり、付近の利根川の水位が上昇したため、研究授業に臨む児童は興味と関心を深めている。 (小沢伸介)

 布鎌地区は、かつて利根川の派川だった将監(しょうげん)川、利根川に注ぐ長門(ながと)川の三つの河川に囲まれた輪中の内側に位置し、江戸時代以降、大小二百回以上の水害に見舞われてきたという。

 教材は、地区の地形や過去の水害、ハザードマップの見方や避難方法、防災行動計画(タイムライン)作りの三部構成。全九回の授業で児童の防災意識を高め、家族に伝えてもらうことで地区全体の減災を目指す。来年度から同校五年生の授業に取り入れる予定だ。

 同校では、教材づくりに合わせて今月から研究授業が行われている。十二日に二回目の授業があり、五、六年児童二十二人が利根川の四大洪水や昭和の水害をクイズ形式などで学んだ。

 児童は、利根川の水位が七・五メートルを超えると洪水が起き、水面が校舎の二階に達すると知って水害の怖さを実感した様子。広範囲が水没した「明治四十三年庚戌(かのえいぬ)の大洪水」は、地区の東端にある長門川の堤防決壊が原因だったと説明されると、驚きの声が上がった。授業の最後には「洪水がいろんな場所で起きていたことを知って、びっくりした」「昔は二、三年に一度洪水が起き、大変だったと思う」などの感想が聞かれた。

 栄町では、台風19号が接近した十月十二日に町内各地で避難所が開設され、同校には三十人余りが一時的に身を寄せた。翌日には町内の須賀水位観測所の速報値で、利根川の水位が、堤防が耐えることができる最大値とされる計画高水位まであと四十八センチに迫る六・七七メートルまで上昇した。

 六年の担任で教材づくりに携わる加藤友理教諭(34)は「子どもたちの多くが台風の時に避難せず、危機感を持っていたが『水害は違う場所の出来事で、自分たちは大丈夫だろう』という感覚が、授業を通じて少し変わってきたように思う」と手応えを語った。

 同事務所の担当者は「河川改修で昔より安全になっているものの百パーセントではなく、もしもの時は逃げる必要がある。これからも地域性に合った減災教育に協力していく」と話した。


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