日本原子力発電東海第二原発が立地する東海村の村議選(定数一八)が十四日、告示され、二十一人が立候補を届け出た。投開票は十九日で、選挙人名簿登録者数は、十三日時点で三万一千三百四十人。今後、山田修村長が再稼働の判断をする際に、議会の意向も一つのポイントになることから、各候補者が再稼働を巡り、どのような主張をするかが注目される。 (松村真一郎、宮尾幹成)

 東海第二原発の廃炉を最重要の公約に掲げる現職候補者は、午前九時から約四十人の支援者とともに出陣式に臨み「東海第二を再稼働させないことを第一のテーマとして尽くしてきた。四年間、また仕事をさせてください」と訴えた。少子高齢化や教育などの村政課題にも触れた。

 周辺自治体の議員三人が応援演説に立ち、全員が東海第二の再稼働問題を取り上げた。ひたちなか市議は「東海第二が事故を起こせば、街づくりや産業発展も全て終わってしまう」と強調した。

 水戸市議は「表向き、原発反対を言えない村民が少なからずいる。声なき声をどれだけ集められるかがポイントだ」と指摘した。脱原発を唱える村上達也前村長(76)も激励に駆けつけた。

 候補者は、再稼働賛成派について「原発を動かさなければ村が活性化しない、雇用が駄目になると決めてかかり、原発のリスクに全く触れない」とも語り、議論が成り立たない現状を嘆いた。出陣式に足を運んだ無職村上欣隆(よしたか)さん(83)も「賛成派は議論から逃げてずるい」と批判した。

 四十代の無職の女性は「原発に反対していることは大前提。そういう候補者の中から、福祉政策などで投票先を決める」と話した。

 一方、再稼働に賛成する現職候補は出陣式で「村の豊かさのためには、原子力との共存共栄が大切だ。原子力は研究、開発、利用の三つがそろっていなければならない」と、村の発展のためには原子力は必要と力を込めた。

 東海第二の再稼働の是非については、直接的には言及しなかった。原子力業界の組織的な支援を受けて選挙戦に臨むこの候補の出陣式には、近隣住民のほか、原子力業界の関係者ら計百人ほどが集まった。

 原発メーカーの日立製作所を含む日立グループ労組の支援を受ける、国民民主党の浅野哲衆院議員(比例北関東)も応援に駆け付け「村のいろんなサービスができたのも、原子力産業があったからだ」と強調。再稼働について、次の任期中に政治的な判断が求められる可能性があるとして、「村の将来を皆さんが決めるためには、信頼できる議員が必要」と支持を訴えた。山田村長から激励文が届き、読み上げられた。

 出陣式に参加した男性(78)は「東京電力福島第一原発のような事故を起こさないためにも、原子力の安全対策は大きな問題だ」として「再稼働に賛成、反対のどちらかだけでなく、村民の意見を広く聞くような訴えをしてほしい」と話した。

◇東海村議選 立候補者(定数18−候補21)=届け出順

大名美恵子 65 共現

阿部功志 65 無現

吉田充宏 59 無現

鈴木昇 68 無現

河野健一 45 無現

大内則夫 70 無現

清宮寿子 71 無現

江田五六 70 無現

越智辰哉 47 国現

羽根田省典 67 無新

恵利いつ 63 無現

岡崎悟 62 公現

植木伸寿 57 公現

武部慎一 66 無現

飛田静幸 63 無現

舛井文夫 73 無現

三上修 58 無新

寺門定範 63 無現

村上孝 76 無現

笹嶋士郎 63 無現

根本浩志 44 無新