県の防災ヘリコプター「はるな」が二〇一八年八月に、中之条町の山中に墜落して乗員九人が死亡した事故で、東吾妻町の吾妻広域消防本部が犠牲となった職員六人の慰霊碑を、今年八月の命日までに建立する方針が十四日、分かった。県が検討している慰霊碑は建立のめどが立っておらず、同本部の慰霊碑が事故では初めての建立となる。 (菅原洋)

 同本部によると、慰霊碑に故人名を刻む方針なのは田村研さん=当時(47)、水出陽介さん=同(42)、塩原英俊さん=同(42)、蜂須賀雅也さん=同(43)、黒岩博さん=同(42)=と、県防災航空隊に派遣中だった岡朗大さん=同(38)。

 同本部と東部消防署は今春、東吾妻町植栗の旧太田中学校で進む改築工事が完了後に移転する。慰霊碑は移転先の敷地内に建立し、石材のサイズや刻む文言などを検討している。同本部は近く、遺族たちと話し合うとみられる。

 事故では、県がヘリの運航を委託していた東邦航空の操縦士と整備士らも亡くなった。ただ、国の運輸安全委員会は事故の調査結果はまだ公表しておらず、その前に県の慰霊碑に刻む故人名を確定するのは難しいという事情がある。

 慰霊碑の建立場所についても、県は険しい山道を二時間以上歩く事故現場にするか、遺族に含まれる高齢者や子どもにも行きやすい場所にするかを、各遺族と話し合っている。

 遺族会の会長で、同本部の田村研さんを失った父の富司さん(79)は「吾妻広域消防本部の慰霊碑が県の慰霊碑の見本となり、県の建立につながってほしい」と願っている。